表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

281/388

第267話 談笑


 最初に出会ったのはフリースさん。

 ひたすらお肉を食べており、近づいた私に気づかないほど夢中になっている。


「フリースさん、お久しぶりです。今回の模擬戦大会に参加してくれていたんですね」

「――んあ? 佐藤さんか。ここで大会が開かれると聞いて、参加せずにはいられなかったよ。この間の雪辱を果たさないといけないからねえ」

「明日の本戦ではドニーさんも出場しますので、勝ち上がって雪辱を果たせるように頑張ってください」

「佐藤さんも、ドニーから聞いていたんだねえ。なんか上から目線って感じで、ちょっと嫌な感じだよ。でも、食事が美味しすぎて、細かいことがどうでもよくなっちゃってるねえ」

「ご飯を喜んでもらえたみたいで良かったです。たくさんありますので、遠慮なく食べていってください」

「そうさせてもらうよ。ありがとねえ」


 頬をパンパンに膨らませながら、食事を楽しんでいるフリースさん。

 見下しているつもりはないけど、今日の試合を見る限りでは、ライムには勝てないと思ってしまう。


 前回よりも仕上げているようではあったけど、ライムはさらに進化を遂げているからね。

 ただ、勝負ごとはやってみないと分からない。

 再戦が実現するのかどうかも楽しみにしよう。


 続いてやってきたのは、シャノンさんのところ。

 一言連絡をくれれば良かったのにと思ったが、改めて考えると、シャノンさんは私がここに住んでいることを知らない。

 たまたま参加した模擬戦大会の主催者が私で、シャノンさんの方が驚いているだろう。


「シャノンさん、お久しぶりです。まさかここで会うとは思っていませんでした」

「あっ、佐藤さん! 私のこと、覚えてくれていたんですか? お店じゃありませんし、てっきり分からないかと思っていました!」

「よくしてもらったので覚えていますよ。今回は参加していただき、本当にありがとうございます」

「いえいえ! 久しぶりに体を動かせて楽しいですし、何より食事が美味しすぎます! こんな素晴らしい場所で暮らしていたんですね」


 そう言うシャノンさんのお皿には、大量のデザートが並べられていた。

 序盤からデザートにいっているところを見ると、やはり女性は甘いものに目がないようだ。


「はい。何もない場所ですが、自然が多くていいところです。シャノンさんもよろしければ、今回の大会に関係なく、いつでも遊びに来てください」

「いいんですか? そう言ってくださるなら、お店が休みの日はたまに遊びに来させていただきます!」

「ええ、お待ちしております。それでは明日も頑張ってください。応援しています」

「ありがとうございます! 楽しませていただきます!」


 シャノンさんは弾けるような笑顔を見せてくれた。

 模擬戦大会は魔法職が不利だけど、シャノンさんの戦い方なら良いところまで行けそうな感じがある。


 大会に関係なく遊びに来てくれると言ってくれたのも嬉しいけど、まずは明日の大会だろう。

 良い結果を残せるように、私も応援させてもらおう。


 デザートエリアを後にし、最後にハリー君のところにやってきた。

 声をかけた中では唯一面識がないが、最年少ということで浮いてしまっている。

 私も声をかけたいと思っていたし、話しかけるにはちょうどいいタイミング。


「ハリー君……で合っていますよね?」

「あっ、主催者の方ですが? わ、わ、わ、俺なんがに話しかけてくれで、ありがとうございまず」

「試合を見て、一番印象に残った方だったので、つい声をかけてしまいました。まずは予選突破、おめでとうございます」

「見ででくれだんですね! 主催者さんにそう言ってもらえて、良がっただぁ! それに、こんなに美味しい食べ物も食べさせでもらって、本当に感謝しかないだぁ!」


 かなりの訛り方であり、もしかしたら遠いところから来てくれたのかもしれない。

 この訛りも含めて、非常に初々しく感じられる。


「参加してくれたことへの感謝の方が大きいです。ハリー君はどこから来たんですか?」

「俺はマーブ村っていうところからやっでぎました! 村の中では一番強くて、村に来てくれる行商人の方がら、この大会のことを教えでもらっだんです!」

「そうだったんですね。村の中で一番強いんですか……。道理でフリースさんとも良い勝負をしていたわけですね」

「フリースさんは強がっただぁ。あんなに強い人と戦ったのは初めでで、あの人と戦えだだけでも、ここまで来た甲斐がありましだ!」

「そう思ってくれたなら、模擬戦大会を開催して良かったと思えます。明日はハリー君と同い年くらいの子も出てきますので、いろいろな刺激を受けていってください」

「同い年!? それは楽しみですねえ!」


 オドオドしていたハリー君の目に、火がついたように感じられた。

 こうなってくると、ハリー君対ジョエル君が見たくなってくる。


 実力的にはどっこいどっこいだと思うし、2人にとって良い刺激になることは間違いない。

 ただ、トーナメントは完全ランダムで行われるため、巡り合えるかは運次第。

 明日の本戦が楽しみになってきたところで、私は一足先に食事を終え、先にお風呂に入りに行くことにしたのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  ▼▼▼ 私の別作品です!1/27発売ですので、どうかお手に取って頂けたら幸いです! ▼▼▼  
表紙絵
  ▲▲▲ 私の作品です!1/27発売ですので、どうかお手に取って頂けたら幸いです! ▲▲▲ 
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ