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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第250話 春の訪れ


 クリスマスパーティーが終わり、雪が溶けるまではダラダラとした日々を送っていた。

 このダラダラと過ごす日々も楽しいんだけど……やはり春の訪れが一番嬉しい。


「佐藤さん、今年も良いお天気で春を迎えることができましたね。何度味わっても素晴らしいです」

「ですね。シーラさん、今年もよろしくお願いします」


 お互いに頭をペコリと下げ合ってから、農作業を開始する。

 とはいえ、畑の4分の1の面積に種や苗を植え、水やりをするだけなので、仕事量は非常に少ない。


 種まきは全員で行い、水やりはモージとヘレナの水属性魔法で一気に行ったため、作業は開始から2時間もかからずに終わってしまった。

 冬の休み期間を考えると、スロースタートで徐々にエンジンをかけられるのはありがたいけど、それにしても作業量が少ない。


「もう終わってしまいましたね。マンパワーが揃ってきたことを毎年実感します」

「確かにそうですね。最初の頃は水も手作業であげていましたから、かなり時間がかかっていましたもんね」

「楽になったのは良いことですし、その分、育てる作物の量も増やせていますが、やっぱり少し物足りなく感じてしまいます」

「実り始めたら一気に忙しくなると思うので、今日からの4日間だけは暇な時期ですが……手持ち無沙汰感は否めないですし、どこか遊びに行きますか?」


 クリスマスパーティーが終わってから春までの期間にも遠出はしていたけど、春を迎えてからの4日間は暇であることが確定している。

 日帰りで行ける場所なら遊びに行けるし、私はシーラさんにどこかへ行くことを提案した。


「あー……。なら、一か所だけ行きたい場所があるんですが、いいでしょうか?」

「もちろんです。案があるなら、出していただければ前向きに検討しますよ」

「日帰りで行けるかは分からないのですが……エデルギウス山に行ってみたいです。向こうでも農業も行っているんですよね? 進捗も知りたいですし、ヤトさんやアシュロスさんの故郷を見てみたいという気持ちが前々からあったんです」


 おー! 予想外の提案だったけど、かなり良い案だと思う。

 私もヤトさんの生まれ故郷には行ってみたいと思っていたし、龍の住まう山というだけでワクワクしてしまう。


 問題なのは、シーラさんも言っていたとおり、日帰りで帰ってこられるのかどうか。

 山ということは、険しい道のりが予想されるし、空での移動手段がないと難しいのでは……と思ってしまう。


「エデルギウス山に行くのは大賛成ですが、私も行けるかどうかが不安ですね」

「そうですよね。ドレイクさんに尋ねに行きましょうか。今年の冬は帰省した龍人族の方がたくさんいましたし、私たちでも行けるのかどうか教えてくれると思います」

「それが手っ取り早いですね。ヤトさんがタイミングよく来てくれればいいんですが……」


 クリスマスパーティーに来たばかりだし、来る可能性は限りなく低い。

 それに、仮にタイミングよく遊びに来てくれていたとしても、とんぼ返りさせるのは申し訳ないし、ヤトさんに頼るのはよくないか。


 ということで、私たちはドレイクさんに話を聞きに行くことにした。

 ニクスの馬車に乗って龍人族の村までやってきたのだが、どうやらこちらもすでに農作業を終えているようで、遊んでいた。


 遊びといってもゲームではなく、私がプレゼントしたボールを使っての球技。

 基本的にはサッカー、ドッジボール、バレーの3種目に分かれており、高い身体能力を活かしたハイレベルな戦いが繰り広げられている。


 バスケや野球なんかも教えてあげたいところだが、道具が必要な球技は難しいからね。

 今はこの3種目で我慢してもらいつつ、いずれは球技大会も開いてあげたいところ。


「おー! 佐藤さんとシーラさんじゃねぇか! 心配で畑を見に来たのか?」

「いえ、もう信頼しきっていますので、心配ごとはありません。今回訪ねてきたのは、ドレイクさんに1つお伺いしたいことがあって来たんです」

「俺に聞きたいこと? 知ってることなら何でも答えるぜ!」

「ありがとうございます。実は近日中にエデルギウス山に行こうと思っているのですが、私たちだけでも行けるでしょうか? また、行けるとしてどれくらいの日数がかかるか教えていただけますか?」


 私がそう尋ねると、ドレイクさんは顎に手を当てて考え始めた。


「んー……。行けないことはないと思うが、険しい道だからなぁ! 徒歩なら片道3日はかかるんじゃねぇか?」

「3日ですか……。なるほど。確かに行けないことはないですが、難しい距離ですね」


 片道3日は、さすがにふらっと行ける距離ではない。

 一般的な人で片道3日だろうし、私ならもっとかかってもおかしくないからね。


「なんだ? 3日かかるなら行けないってことなら、俺が乗せて行ってやろうか?」

「えっ? そんなこと可能なんですか?」

「もちろん。俺とマージスなら、人を乗せての移動が可能だ。まあ、一人が限界だがな」

「ありがとうございます! いいのであれば、ぜひ乗せていただけたら嬉しいです!」

「おう! 任せておけ! 佐藤さんには死ぬほど世話になってるしな!」


 ドレイクさんから、まさかの提案をしてもらえた。

 負担を考えたら断る選択肢を検討すべきなんだけど、空を飛べるということで即答でお願いしてしまった。


 とにかく、ドレイクさんに乗せてもらい、エデルギウス山に行けることになった。

 ドレイクさんとマージスさんには何かプレゼントを用意するとして……今から非常に楽しみだ。



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