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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第246話 活躍の場


 みんなで楽しく食事を終えた後は、二手に分かれる予定だ。

 一つはロッゾさんやシッドさん、それからジョルジュさんたちとここに残って、お酒を楽しむ会に参加するグループ。


 もう一つは、去年と同じく娯楽室でゲーム大会に参加するグループだ。

 お酒を楽しむ会とは銘打っているけど、別にお酒を飲まなくても、食事や会話を楽しんでくれれば構わない。だから、ゲームが苦手な人は残ってくれればいい。


 少しでもゲームをやってみたいという人は、問答無用でゲーム大会に参加してもらう。

 ゲームに触れたことがない人でも、もちろん参加可能だ。

 去年と同じように、誰でも優勝できる可能性があるルールを考えてきたので、きっと楽しんでもらえると思う。


 みんなにそう伝えたところ、ちょうど半々くらいの人数に分かれてくれた。

 私はゲーム大会の運営を担当するため、もちろんゲーム大会に参加する。


 いろいろな話も聞けるだろうし、お酒を飲むのも楽しいだろうから、お酒を楽しむ会にも参加したい気持ちはある。

 そんな思いを抱えつつ、私は参加希望者を集めて娯楽室へと移動した。


「去年はボコボコにされたのじゃが、今年は負けないのじゃ!」

「シーラさんが強すぎたもんな。ゲームを知らなかったはずのシーラさんに普通に負けたし、今年も勝てる気がしない」

「ヘレナとシーラさんは研鑽を積んでましたからね。それも踏まえて、今年は経験者組と未経験者+ほぼ未経験者組で分けてトーナメントを行う予定です」


 今年のゲーム大会の参加者は、私、シーラさん、ヘレナ、美香さん、蓮さん、将司さん、唯さん、ベルベットさん、ヤトさん、アシュロスさん、ジョエル君、ノーマンさん、ヤコブさん、ローゼさん、イザベラさん、ミラグロスさんの計16人。

 組分けとしては、私からベルベットさんまでが経験者組、ヤトさんからノーマンさんまでが未経験者組だ。


 正直に言えば、ベルベットさんよりもヤトさんの方がプレイ時間は長い。

 だが、ヤトさんはこれまでの大会ですべて惨敗してきた。

 強いて言うなら料理大会では善戦したと言えるけど、料理大会でも優勝したのはベルベットさんだからね。


 ということで、ヤトさんには未経験者組に入ってもらい、ベルベットさんには申し訳ないが経験者組に入ってもらうことにした。

 器用さを考えるなら、ベルベットさんの方が上手いまであるし、忖度したとはいえ、良い組分けができたと思っている。


 この名前順は前評判の強さの順番にもなっていて、経験者組で言えば、私、シーラさん、ヘレナ、美香さん。

 未経験者組では、ヤトさん、アシュロスさん、ジョエル君、ノーマンさんが初戦では当たらないように調整した。


 残りの組み合わせはくじ引きで決め、無事にトーナメント表が完成。

 そして――私の初戦の相手は蓮さん。


 シード以外では最もゲームに触れてきた人であり、最近の機種の扱いに関しては確実に私よりも上手い。

 一番嫌な相手とも言えるが、優勝するためにはどんな相手にも勝たないといけないため変わらない。


「佐藤さん、よろしくお願いします。お世話になってますが、決して手は抜きませんよ」

「もちろん全力で来てください。私も全力でいきます」


 ということで、さっそく初戦が始まった。

 蓮さんは去年と同じくケンを使用し、私はヨッシーを使う。


 64版とは大きく異なる部分もあるが、基本は同じ。

 重要なのはガードとコンボミスをなくすこと、そして択負けしないことだ。


 密かにコンボの練習もしてきたので、蓮さんには1ストックも取らせるつもりもない。

 ケンの独特な攻撃をしっかり防ぎながら、こちらの攻撃を押し付けながら強いコンボに繋げ、フィニッシュを決める。


 アイテムと最後の切り札がないルールでは、私にとって負け筋は少なく、蓮さんには何もさせることなく、宣言通り1ストックも取らせずに勝利を収めた。

 私もヤトさんと同様、活躍の場が限られているため、しっかりと強さを見せられてホッとしている。


「うっはー! な、何もできずにやられた。佐藤さん、強すぎるだろ」

「そうなんです。佐藤さんは強いんですよ。私が優勝しましたが、去年もエキシビションマッチでは負けましたし、裏ボスは佐藤さんなんです」


 蓮さんの完敗宣言に対し、なぜかシーラさんが胸を張っている。

 そんなシーラさんを見て笑いつつ、私は蓮さんと握手を交わした。


「蓮さんも強かったです。私の方がスマブラ歴が長かったので勝てました」

「そうか。スマブラって昔からあるゲームだもんな。俺はスト6をやってたけど、格ゲーって昔から活躍してる人が今も強いままだよな」

「反射神経ももちろん大事ですが、格ゲーでは技術や駆け引きの方が重要かもしれませんね」


 若さはゲームにおいて重要だが、格ゲーはより技術と駆け引きが求められる。

 スマブラはファミリー向けで、ストリートファイターや鉄拳に比べるとわちゃわちゃ感があるけど、アイテムと最後の切り札を縛れば、実力勝負になる。


 格ゲー特有の奥行きがないことも、私のようなおっさんにはありがたい。

 難なく蓮さんに勝てたのも、2Dである点が大きいからね。

 古いキャラから最新のキャラまで揃っていることもあり、スマブラは本当に年寄りでも子供でも楽しめる素晴らしいゲームだと思う。


「次はわらわとイザベラじゃな! この間と同じように返り討ちにしてやるのじゃ!」

「今回は負けないわよ。ヤト様に負けると、普通の人に負けるよりも倍以上悔しいって分かったからね」

「ぬっはっは! 残念じゃが、今回もわらわが勝つ!」


 小さな胸を目いっぱい張りながらイザベラさんを見下ろすヤトさん。

 シードに入れなかった4人の中では一番の強敵であり、ヤトさんが負けるとすればイザベラさんだろう。


 未経験者組に入ったからには優勝してほしいが……こちらの組はアイテムと最後の切り札ありのルールなので、逆転の要素が強い。

 結果はやってみなければ分からない。

 私は少し緊張しながら、ヤトさんとイザベラさんの試合を見守るのだった。



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