表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

256/391

第244話 支え合い


 足に合う、ちゃんとした靴を購入したことで、体力の消耗がかなり抑えられるようになった。

 そのおかげもあり、私たちのパーティの最高到達階層は45階層でフィニッシュ。


 私は魔物を計15体倒すことができたし、到達階層も大幅に超えたことで、今年は自分の成長をより感じることができた。

 他のパーティも軒並み好成績を出しており、トップは変わらずシーラさんのパーティで、65階層まで到達したらしい。


 今回同じパーティだったルーアさんとブリタニーさんは、本格的にパーティを組むことを打診していたようだけど……シーラさんの意志は変わらなかった様子。

 私としても、シーラさんは才能にあふれているし、ルーアさんたちと冒険者をやるのがいいのではと思っているが、本人の意志を尊重する。


「はぁー、楽しかったぁ! やっぱり佐藤たちがいると楽しい! ご飯も美味しくなるしね!」

「そう言ってもらえると嬉しいですね。今年もしっかり稼ぐことができましたし、来年もまた来ると思いますので、その時はよろしくお願いします」

「任せてほしい。ダンジョン街は俺たちの庭みたいなもんだからな。来年も俺たちが案内する」

「だな! 冬以外の期間も歓迎するから、いつでも遊びに来てほしい!」

「作物のことがあるから、冬以外は来られないと思いますが……ありがとうございます」


 その言葉がすごく嬉しい。

 蓮さんたちが私を大事に思ってくれているのが伝わるし、私も蓮さんたちを大事にしたいと思える。


「なら、次は私たちが遊びに行く番ですね。クリスマスパーティーはマストで、その後もちょくちょく遊びに行かせていただきます」

「ドニーさんから、休みを少し増やすって言われたもんな! これも佐藤さんが交渉してくれたんだろ?」

「はい。初日にすぐ交渉しに行きました。私はハードワークで潰れてしまったので、ここは強くいかせていただきました」

「ありがたいな。本当に、一緒に転生したのが佐藤さんで良かったと心から思う」

「だね! 佐藤じゃなかったら、絶対にぐちゃぐちゃになってたと思う!」

「現に美香は一度逃げ出してるもんな! あの時も佐藤さんじゃなかったら終わってたぜ!」

「こうして振り返ると、私たちは助けられすぎてますね。魔力塊しか返せていませんが、それでいいんですかね?」


 それぞれが感謝の言葉を述べてくれているが、そう思ってくれているだけで私は嬉しい。

 私もみんなの存在そのものに助けられているし、色々と良くしてもらっている。


「こうして手配をしてもらっていますし、何よりこの世界に転移してきた役目を引き受けてもらっていますからね。私の方が何倍も助けてもらっています」

「絶対にそれはないけどね! でも、佐藤も私たちのことを大事に思ってくれているのは嬉しい!」

「第2の親みたいな感じになってるもんな。佐藤さん、これからもよろしくお願いします」

「ええ、こちらこそよろしくお願いします」


 “第2の親”という言葉には若干刺さったが、表には出さずにお礼を返した。

 あまり考えないようにしていたけれど、蓮さんたちの親御さんが私と同世代である可能性は高いんだよなぁ。


 ここにきて「39歳独身」という事実に少し落ち込んだけれど、今の時代ではそれほど珍しくもない。

 そう言い聞かせて自分を慰めつつ、私たちはダンジョン街を後にして別荘へと戻ったのだった。


 久しぶりの別荘。

 毎年のことだし、そろそろ慣れてもおかしくないと思うけど、やっぱり別荘に戻ってきた時の安心感はすさまじい。


「やっと戻って来られました。今年のダンジョン攻略期間は長く感じたので、本当に嬉しいです!」

「そうだったんですか? 順調そうでしたので、逆に短く感じているかと思っていました」

「佐藤さんとパーティが別でしたからね。攻略は順調でしたが、不安の方が大きかったです。護衛なのに守ることができないのは辛かったです」

「ご心配をおかけしてすみませんでした。今日からはまた守っていただけたら嬉しいです」

「はい! 全力でお守りいたします!」


 シーラさんは騎士のように胸に拳を当てた。

 こんなに熱い人ではなかったはずなんだけど、いつの間にか忠誠心にあふれるようになってくれている。


 シーラさんと出会ってから3年になるし、私にとっても心の底から信頼できる人物になっていた。

 もしシーラさんもそう思ってくれているなら嬉しいし、その信頼を裏切らないように頑張らないといけない。


「それでは数日間はだらだらと過ごしましょうか。久しぶりに娯楽室でゲームでもしますか?」

「いいですね! 私もヘレナも強くなっていますので、佐藤さんに勝ってしまうかもしれませんよ?」

「そうなってくれていたら面白いですね。それじゃあ、娯楽室に行きましょうか」

「その前に……私は人を集めてきます。佐藤さんは居残り組の方に挨拶でもしてきてください」


 シーラさんが人を集めてくれるようで、家に帰っていったみんなの元に走っていってしまった。

 私はシーラさんに言われた通り、居残り組に挨拶をしてしまおう。


 ロッゾさんやシッドさん、それからジョルジュさんが何をしていたのかを聞くのが楽しみ。

 この後のゲームもすごく楽しみだし、ようやく休みって感じであり、帰ってきたばかりだけど、早くも心が休まり始めている。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  ▼▼▼ 私の別作品です!1/27発売ですので、どうかお手に取って頂けたら幸いです! ▼▼▼  
表紙絵
  ▲▲▲ 私の作品です!1/27発売ですので、どうかお手に取って頂けたら幸いです! ▲▲▲ 
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ