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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第242話 攻略開始


 結局、アシュロスさんがやってきたのはお昼過ぎだった。

 朝一番から待っていたため、かなり長い時間待ったことになるが……とにかくアシュロスさんが無事で何より。


「佐藤さん、申し訳ございません! 到着が遅くなってしまいました!」

「アシュロスさん、お久しぶりです。謝らなくても大丈夫ですよ。焦って攻略するつもりはありませんからね」

「そうですよ! 待っている間にいろいろな話し合いができましたし、結果オーライです!」

「優しいお言葉をかけていただき、本当にありがとうございます」


 本当に申し訳なさそうな表情を見せているし、アシュロスさんを責めることはできない。

 ただ、遅れた理由が何なのかは気になってしまう。


 ヤトさんと違ってアシュロスさんはしっかりしているし、何かしら理由があるはずだ。

 もし大事な予定があったにもかかわらず、先約というだけでこちらに来てくれたのなら、戻ってもらうという選択肢も十分にある。


「ところで、こちらに来ても本当に大丈夫だったんですか? もし大事な用事があったのであれば、戻っていただいても構いませんよ?」

「いえ。お嬢様が色々とワガママを言っていただけで、もう何も心配ありません。本当に、いつまで経っても変わらないので困ってしまいます」

「ヤトさん絡みだったんですね。イザベラさんやローゼさんも、ダンジョン攻略には来られないとのことでしたが、何かイベントでもあるんですか?」

「むむ……。すみませんが、それはノーコメントとさせてください。こうして遅れてしまいましたし、本来ならご説明する義務があると思うのですが……お嬢様から強く口止めされているんです」

「気になりますが、口止めされているのなら仕方がありませんね」


 気にならないといえば嘘になるが、アシュロスさんから無理に聞き出すのは申し訳ない。

 クリスマスパーティーには参加してくれると思うし、その時に直接ヤトさんから聞くとしよう。


「それでは、気を取り直してダンジョン攻略に向かいましょうか。アシュロスさんは着いたばかりですので、もし休みたいというご希望があれば休養にしようと思っています」

「ダンジョン攻略をさせてください。全く疲れていませんし、遅れた分はしっかり働かせていただきます」


 拳を突き出し、やる気満々といった様子のアシュロスさん。

 やる気にあふれているのは良いことだが、気負う必要はまったくない。


「その心意気はありがたいのですが、今日は潜るにしても10階層未満を予定していますので、気負わなくても大丈夫ですよ。安全第一を目標にしていますので、ゆっくり楽しく攻略しましょう」

「いいですね! 僕も安全に楽しくがいいです!」

「そういう方針なのですね。分かりました。滾っておりましたが、一度気持ちを落ち着かせます」


 大きく深呼吸をし、荷物を一度部屋に置きに行ったことで、アシュロスさんも気持ちを落ち着かせることができたようだ。

 今日は試す感覚で、ゆっくり攻略を進めていこう。


「それではダンジョンに向かいましょうか。アシュロスさんとライムがメインアタッカー。ジョエル君とポーシャさんがサブアタッカー。そして、私がサポート兼荷物持ちを行う予定なのですが、異論はありませんか?」

「ありません。……が、佐藤さんに雑用を任せる形でいいのでしょうか?」

「もちろん大丈夫です。アタッカーは務まりませんので、雑用をやらせてくださいって気持ちです」


 これが一番うまく回るはずだし、私は荷物持ち以外で役に立てる気がしない。

 今回はシーラさんと別パーティということで、地図読みも私が担当することになっている。


 チーム決めをした日からダンジョンの地図を読み込んでいたし、多分大丈夫なはずだ。

 ダンジョン版のグーグルマップのようなものがあったら良かったんだけど、ないものはねだっても仕方がない。

 だからこそ、しっかりと準備をしてきた。


「佐藤さん、ありがとうございます! 基本的に荷物持ちは雇うか、押し付け合いになりますからね! 請け負ってくれるのは感謝しかありません!」

「本当にそうですね。私は荷物持ちをやり続けていましたが、本当に辛かったので、申し訳ない気持ちが強いです」

「気にしなくて大丈夫です。サポートは私に任せて、攻略に集中していただけたら嬉しいです」


 気分的には、特等席でダンジョン攻略を味わわせてもらっているような感じだからね。

 こちらこそ、ありがとうございますと言いたいくらい。


 そんなこんな話し合いをしながら、私たちはダンジョン前へとやってきた。

 いつも一緒にいたシーラさんがいないのは不安だけど、前にも言った通り、みんな強いから大丈夫。


 自分を励ましつつ、ダンジョンの1階層へと降り立った。

 最初に現れた魔物は、もはや仲間という意識が強いゴブリン。


 ただ、私の従魔のゴブリン部隊とは違って、敵意むき出しで襲いかかってきた。

 通常種のゴブリンを久しぶりに見ると、ゴブリン部隊との違いがよく分かる。


 体つきもそうだし、顔つきもだいぶ変化しているようだ。

 一回の進化では変化が少ない上、全員が進化することもあって違いには気づかなかったが、ゴブリン部隊が人間に近づいているのがよく分かる。


「まずは景気よく僕が仕留め――って、ライム早すぎますっ!」


 襲いかかってくるゴブリンに対し、軽快な足取りで攻撃を仕掛けようとしたジョエル君だったが、後ろから突っ込んできたライムに追い抜かされてしまった。

 バネの要領で移動するライムは速く、抜かされてしまったら追いつくことはできない。


 ということで、記念すべき最初の攻撃&討伐はライム。

 ゴブリンにぶつかっただけで倒してしまい、ライムは手応えがなさすぎるといった様子を見せているが、幸先の良い立ち上がりだ。

 この調子でガンガン攻略していこうと思う。



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