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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第233話 オークション


 結局、ローゼさんは目の色を変えてやってきたイザベラさんに連れられ、翌日には帰ってしまった。

 ただ、農作業を手伝ってくれたお礼として、漫画を描くための初期装備をプレゼントすることはできた。


 ベルベットさんとは違い、参考資料がなくて大変だと思うけど、いつでもここに遊びに来られるからね。

 ローゼさんが描く漫画も楽しみにしつつ、ここ1週間ほど楽しみにしていたオークションに足を運ぶ。


 王都開催のため、街に対する目新しさはないものの、オークションを生で見るのは人生初。

 ネットオークションには参加したことがあるけど、まったくの別物だということはわかりきっている。


「佐藤さん、そろそろ出発しましょう」

「はい。忘れ物は大丈夫ですよね?」

「ええ。ロッゾさんから頼まれた物も持ちましたし、忘れ物はありません」

「それなら良かったです。高く売れるように気合いを入れましょう!」

「はい。……とはいっても、入札されるのを見守るだけですが」


 テンションの高い私に対し、少し冷めているシーラさん。

 私は人生初のオークションだけど、この世界ではわりとメジャーなものらしく、その温度差を出発前から感じている……が、関係ない。

 全力で楽しむと決め、私たちはスノーディアのニクスが引く馬車に乗り、王都に向けて出発したのだった。


 王都に着いてからは、オークションを執り行う係の人に今回の商品をすべて預けた。

 一瞬、係の人を装った詐欺かとも頭をよぎったが、シーラさんがしっかり確認してくれていたので大丈夫。


 商品を預けたあとは、そのままオークションが行われる宿へと案内され、開催時刻まで部屋でゆっくりしていてよいと伝えられた。

 七呪剣がすごかったのか、それともロッゾさんのお宝がすごかったのかは分からないが、私たちへの扱いは完全にVIP待遇。

 今、休憩させてもらっている部屋も豪華で、なんだか偉くなった気分になってしまう。


「すごいお部屋ですね。後でお金を請求される――なんてことはないですよね?」

「ふふ、大丈夫ですよ。それに、万が一そんなことになっても、ベルベット様を呼べば一発で解決します。こちらのコネクションは強大ですから」

「確かに、ベルベットさんや王様は助けてくれそうですね。王族と知り合いということのすごさを、今初めて感じたかもしれません」

「そのことに私は驚いています! 今となっては、佐藤さんは王族と同等の扱いを受ける立場ですからね」

「いやいや! 絶対にそんなことはありません!」

「お世辞ではなく、ありますよ。勇者一行に夜刀神だけでなく、エルフの王女や魔族すら抱え込んでいますからね。それに、強力な従魔にこの国の王女様とも仲が良い。佐藤さんは紛れもなく、大きな影響力を持っている方です」


 王族と同等なんて、絶対にあり得ないと思っていたけれど……。

 こうして改めて聞くと、とんでもない方たちと知り合いだということに気づかされる。

 私自身は大した力を持っていないけど、周囲の方々を考えると、一大組織になりつつあるのかもしれない。


「改めて聞くと、確かにとんでもない方と知り合いですね!」

「無自覚なのが、私は少し怖いです! でも、それが佐藤さんですもんね」


 シーラさんとそんな会話をしながら部屋でくつろいでいると、係の人が私たちを呼びに来た。

 どうやらオークションが始まるようで、最上階にお集まりくださいとのこと。


 服装を整えて、指示どおり魔動エレベーターで最上階へ向かった。

 最上階は大広間になっており、すでにオークション会場が設営されている。


 映画や漫画で見たままであり、始まる前からテンションは最高潮。

 ここから珍しいファンタジーのアイテムが売りに出されるのだから、期待感しかない。


「ずいぶんと楽しそうですね。来る前からソワソワしていましたし、佐藤さんはオークションが好きなのですか?」

「“好き”――と言ったら変ですが、初めての経験なのでワクワクしているって感じですね。珍しいアイテムが見られるのも、ワクワクしている要因の一つです」

「フリーマーケットは慣れた感じでしたが、オークションは初めてなんですね。やはり感覚が違うのでしょうか?」

「だと思います。フリーマーケットのほうが、明らかに身近なものでしたから」


 シーラさんにとってはフリーマーケットのほうが珍しく、私はオークションのほうが珍しい。

 この感覚の違いは、住んでいた世界の違いによるものなのだろう。


「準備が整いましたので、これより“レアリティ・オークション”を開催させていただきます。お手元の札を使って入札をお願いします」


 競売人のマイクがオークション会場に響き渡ると同時に、照明が落とされた。

 隣の人も見えないくらい真っ暗になったが、すぐに一番前だけに照明が当たる。


 そんな商品紹介の演出にワクワクしていると、早速、最初の商品が運ばれてきた。

 厳重そうな箱に入れられていることからも、一品目から期待大。


 本当に欲しいものがあれば落札しよう。

 私はそんな心構えで、オークションに参加することにしたのだった。



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