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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第230話 話し合い


 結果発表後、立食パーティーにてみんなで食事をし、これも大いに盛り上がった。

 この2日間はすべてが大盛況で、イベントとしては大成功だったと思う。


 規模を拡大し、関わりのない人も巻き込んで開催したいという気持ちはあるけれど、今のところ運営できる見通しが立たないのが難点だ。

 身内だけでも手一杯だし、ノウハウのある人を招いて運営してもらうことも視野に入れていいかもしれない。


 ……と、大きなイベントを終えて、本来なら一息ついているところだが、今はその暇もない。

 もちろん理由は、ゼパウルさんが来ているからだ。


 仮装パーティーの時にゆっくり話すと約束していたため、今日はしっかりと腰を据えて話をする予定だ。

 立食パーティーでもご飯を美味しそうに食べてくれていたし、こちらへの疑念はすでに払拭されていると思うが、こちらの考えは事前に伝えておく必要がある。


 ということで、さっそくゼパウルさんとミラグロスさんを呼び出し、話をすることにした。


「集まっていただきありがとうございます。今日は今後についての案を聞いてもらいたくて、お集まりいただきました」

「今後についての案っていうと、仮装パーティーの時に話していたことかァ?」

「ええ、そうです。食糧難を解消するための案ですね」

「そんなことができるの? 佐藤さんには言いづらいけど、魔王の領土は植物が育たない土地よ。案を聞く前にこんなこと言うのはアレだけど、私は食糧難が解消できるとは思えない」


 ミラグロスさんは、正面からきっぱりとそう言ってきた。

 まぁ、私も半信半疑な部分があるし、本当に食糧難が解消できるかはやってみないと分からない。だから、全面的に信頼されるよりは慎重に見てもらえる方が助かる。


「そうだったとしても、やってみる価値はあると思います。私も絶対に食糧難が解消できるとは言い切れませんが、可能性はあると思うので、ぜひ私の案に乗ってもらえたら嬉しいです」

「俺はもう全面的に乗ると決めてるぜェ。夜刀神、エルフの王女、人間の国の王女と親しいし、何より、あれだけ美味いご馳走を用意できるんだ。佐藤さんを信じない理由なんてねェよ」

「私も否定的な意見は言ったけど、乗らないとは言ってない。失敗しても落ち込まないでね、って意味に近いわ」


 この2人が全面的に協力してくれるのは本当にありがたい。

 特にゼパウルさんに関しては、一昨日まで敵対心を燃やしていたとは思えない発言だ。


「ありがとうございます。それでは、さっそく私の案をお伝えします……異世界の作物を育ててみませんか?」

「異世界の作物? この世界の作物とは違って、どこでも育つの?」

「どこでも育つとは言い切れませんが、痩せた土地でも育つ作物はあります。肥料も最初はこちらで準備しますので、ぜひチャレンジしていただきたいです」


 私が考えている作物とは、痩せた土地に放置しておいても育つサツマイモ。

 戦時中でも食べられていた作物で、味もそこそこ良くて腹持ちも良い。まさに最適だと考えた。


 最初は肥料ありとなしの2パターンで育ててもらい、肥料なしでも育つなら万々歳。

 もし肥料なしでは育たないなら、その肥料を別のものと交換する形で提供する予定だ。


 最初は土ごと運ぶことも考えたが、土の運搬は現実的ではない。

 肥料だけならワープゲートで持って行けるし、ミラグロスさんたちにはぜひサツマイモを育ててもらいたい。


「佐藤さんがそう言うなら、もちろん試してみるわ。それで、その作物の費用はどうすればいいの?」

「最初はこちらからプレゼントします。無事に育ったら、何かと交換したいんですけど……ミラグロスさんたちの街では何が採れますか?」

「俺たちの街で有名なのは鉱石類だなァ。それと、魔物狩りもできるから、その素材なら渡せるぜェ」


 魔王の領土で採れる鉱石類には興味があるし、魔物の素材も純粋に魅力的だ。

 まずは鉱石類を見せてもらい、必要ないと判断した場合は魔物の素材や魔力塊と交換するのがよさそうだ。


 魔力塊に関しては、従魔が増えてきていることもあり、いくらあっても足りない。

 定期的に提供してもらえるなら、非常に良い取引になるだろう。


「鉱石類も気になりますが、魔物の素材は魅力的ですね。まずは鉱石類を拝見して、それが不要であれば、魔物から採れる魔力塊を頂きたいです」

「なら、今度来るときに鉱石類を持ってくるよ。魔力塊も普通に取れると思うから、佐藤さんが欲しいものを集めておくぜェ」

「でも、そんな貴重な作物を、簡単に集まる素材と交換してしまっていいのかァ? 本当にこの土地で育つなら、もっと高くふっかけられても払うぜェ?」

「全然大丈夫ですし、ふっかけるつもりなんてまったくありません。育て方についてもレクチャーしますので、戻ったらすぐに試してみてください」

「佐藤さん、本当にありがとう」

「ああ……本当にありがてェ。疑ってた自分が恥ずかしいなァ」

「疑うのは当然です。では、レクチャーしますので、とりあえず外に出ましょうか」


 そうと決まれば、さっそくサツマイモの育て方を教えなければならない。

 私はミラグロスさんとゼパウルさんを連れて、作物の育て方について丁寧に説明することにした。


 サツマイモは、基本的に放っておいても育つ作物だし、よほどのことがなければ問題ないはず。

 土地が痩せすぎていないことを祈りつつ、私は二人に心を込めて育て方を教えたのだった。


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