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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第226話 親睦会


 ゼパウルさんが腰を抜かし、口をパクパクとさせている中、ヤトさんは笑顔で片手を上げると、ベルベットさんのもとへと戻っていった。

 正直、驚いたのはゼパウルさんだけでなく、全員が同じだったため、しばらくの間、静寂が流れた。


「…………ヤトさん、すごかったですね。かなり無茶苦茶でしたが、本物の夜刀神であることは伝わったんじゃないでしょうか?」


 私が第一声を発したことで、止まっていた空間がようやく動き出した。

 ゼパウルさんも動き出そうとしたものの、完全に腰が抜けているようで立ち上がれないでいる。


「……兄さん。本当に余計なことはしないで。もし本当に夜刀神を怒らせていたら、命がなかったから」

「す、すまねェ。見た目で夜刀神じゃねェと思っちまった。ミラグロスは本当に夜刀神と接触してたんだなァ」

「だから、そうだって何度も言ってた。もう一つ忠告しておくけど、ヤト様が一番大切にしているのは、この佐藤さんだから。失礼なことをしたら、私だけじゃなくヤト様も本気で怒るからね」

「…………挑発的な態度を取ってすまなかったなァ。一つわかってほしいのは、俺たちにとって重大な決断だったということ。俺もいろいろと見定める必要があったんだァ」

「謝罪なんかいりませんよ。重々承知していますし、ミラグロスさんのお兄さんが悪い方なわけないと分かってましたから」

「……佐藤はいいやつだなァ」

「それでは、気を取り直してご飯にしましょうか。急いで準備しますので、仲良くお話していてください」


 “仲良く”を強調し、私は台所へと向かった。

 ヤトさんの行動には本気で驚いたけど、あの行動のおかげでゼパウルさんも理解してくれたみたいだし、ヤトさん様々だ。


 あとは私が美味しいご飯を作るだけで万事解決するはず。

 頬を叩いて気合いを入れ、夜ご飯の準備を行うことにした。


 ノーマンさんとヤコブさんに協力してもらい、無事に夜ご飯が完成。

 今回は揚げ物祭りということで、大量の揚げ物を用意した。


 コロッケ、メンチ、ハムカツ、イカ、エビ、串カツ、レンコン、うずらのフライに、唐揚げやポテト、ナゲットといったジャンクフードも完備。

 ご飯のおかずにも、お酒が飲めるなら黄金酒のつまみにもぴったり。


 万人に刺さる料理の完成。

 きっとゼパウルさんも気に入ってくれるだろうし、ゼパウルさん以外にも喜ばれるはず。


「お待たせしました。今回は揚げ物でまとめてみました。お酒を飲まれる方はおっしゃってくださいね」

「茶色い料理で、似たようなもんばかりじゃねェか。人間の世界の料理ってこんなのばっかりなのかァ?」

「色とりどりな料理もありますよ。揚げると、基本的に茶色になっちゃうんです」

「“揚げる”ってのがよく分からんが、とりあえず酒は飲みてェな」


 衣をまとわせると、確かに似たように見えるからね。

 実際に、エビのような分かりやすい食材じゃないと私も見分けがつかない。


 ヤトさんとジョエル君以外はお酒を希望。

 この二人にはジュースを用意し、まずは乾杯を行うことにした。


「それでは、料理大会お疲れ様会&ゼパウルさんの歓迎会を始めます。かんぱーい!」

「「「かんぱーい!」」」


 乾杯の音頭とともに、全員が一斉にフライを手に取り始めた。

 私も串カツとコロッケを確保し、黄金酒とともにいただく。


 ――くぅー。

 フライを食べたあとにお酒で流し込むのは至高。

 黄金酒のシュワシュワ感もいいアクセントで、最高の組み合わせ。


「――! なんだこの酒……美味すぎんだろォ!」

「本当に美味しい。いくらでも飲める」


 ゼパウルさんとミラグロスさんに刺さったようで、グビグビと飲んでくれている。

 そして、お酒のつまみとして手に取った串カツを食べ、ゼパウルさんは固まった。


「…………なんだこの旨味の塊はッ! 酒もうめェが、揚げ物とやらも美味すぎるッ!」

「あっはっは! そうじゃろ、そうじゃろ! 佐藤の料理は格別に美味しいのじゃ!」


 ヤトさんはお酒を飲んでいないのに酔っ払っているようで、エビの尻尾を持って小躍りしている。

 少し前までは一触即発の雰囲気があった中、こうして一緒にご飯を囲めて良かった。


「……美味しい。見た目は同じなのに、味が全部違う。今日は自信作を持ってきたけど、ここまで差があると恥ずかしくなってくる」

「そんなことありませんよ。食材の差ですし、ローゼさんの料理は美味しかったですよ」

「確かに、私の作ったのも佐藤の料理のパクリみたいなもんだしね。優勝して浮かれてたけど、第2回のために研鑽しないと」


 揚げ物を食べながら、なぜか反省会を始めたローゼさんとベルベットさん。

 ただ楽しく食べてもらいたいだけなのに、私は全力で反省会を止める。


「カジュアルな大会ですし、そんなに深く考えなくて大丈夫ですよ。ベルベットさんは、優勝賞品の料理を考えておいてくださいね」

「優勝の喜びで忘れてたわ。料理は何でもいいの?」

「もちろんです。抽象的な感じでも大丈夫ですから」

「抽象的でもいいのは楽しみ。考えておくわね」


 話を変えることに成功し、一瞬流れた反省会ムードは消えた。

 今日はとことん楽しみたいし、明日の仮装パーティに向けて、みんなの親睦を深めることができたのだった。



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