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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第224話 お兄さん


 この後は、参加者以外の方にも料理を食べてもらう予定になっている。

 ジョエル君なんかは大失敗していたし、しっかりと料理が作れていたらどうなっていたのか、見てみたいところだ。


「佐藤さん、すみません。優勝できませんでした」

「……私も駄目でした」


 落ち込んだ様子でやってきたのは、シーラさんとローゼさん。

 私個人としては、シーラさんとローゼさんには95点をつけており、優勝したベルベットさんよりも高得点だった。


 アイデアと料理の腕を評価したシーラさん。

 単純に一番美味しいと感じたローゼさんには、ベルベットさんよりも1点多くつけた。


 本当はローゼさんに96点をあげようかとも迷ったけれど、シーラさんが95点でローゼさんが96点というのは違うと思い直し、両者ともに95点という結果になった。

 出番の順番が違っていたら、結果も変わっていたと思うし、本当に2人が落ち込む必要はない。


「心から美味しいと思いましたし、落ち込む必要はありません。私は優勝したベルベットさんよりも高得点をつけていますからね」

「……佐藤さんの中では、私とシーラさんが優勝だったってこと?」

「そうなりますね。出番の順番次第では、ノーマンさんやヤコブさんの点数も変わっていたと思いますから、実力負けでは決してありませんよ」

「佐藤さんは本当に優しいです。本当に悔しいですが、佐藤さんが一番高い点をつけてくれたというだけで、少しだけ胸を張ることができます」

「……私も。佐藤さん、誘ってくれてありがとう。来年もやるなら参加する」

「開催予定ですので、そのときは必ずお誘いしますね」


 笑顔でうなずいてくれたローゼさん。

 評判も良かったと思うし、約束をしたからには、来年も絶対に開催しないといけないな。


 今回は遠方に出ていたため参加できなかった蓮さんたちも誘って、規模を大きくして開催しよう。

 私がそんなことを考えていると、後ろから声を掛けられた。


「佐藤、ちょっといい?」

「ミラグロスさん、どうしたんですか?」

「料理大会のことを話そうと思ってたんだけど、ワープゲートに動きがあった。多分だけど、手紙を読んだ兄が来ようとしている」

「本当ですか? それでは迎えに行ったほうがいいですね」

「うん。さすがに暴れはしないと思うけど、一応、護衛をつれてきて」


 そう言うと、ミラグロスさんは先にワープゲートへと向かった。

 私も料理大会のことをいろいろ聞きたかったけれど、お兄さんがやってくるなら、先にそちらの対応をしないといけない。


 “護衛を用意して”という不吉な言葉に少しビビりながら、私はライムとマッシュ、それからシーラさんを連れて、ワープゲートへと向かった。


 ワープゲートの前にはミラグロスさんが立っており、まだお兄さんはワープしてきていない様子。

 ただ、何の変哲もなかったワープゲートが光り輝いていることからも、今すぐにでもワープしてきそうな気配がある。


「紫色で怪しさ満点ですね」

「ミラグロスさん、お兄さんは強い方なんですか?」

「うん。強いには強いと思う。でも、ヤト様に比べたらゴミ以下だから安心して」


 自分のお兄さんをゴミ呼ばわりしたことに引っかかりつつも、ヤトさんが強いということへの驚きのほうが大きい。

 ヤトさん流のカレーを評価されて大喜びしているのが、私の知るヤトさんだからね。


「……来る。佐藤は少し下がってて」


 ワープゲートはさらに強く発光した後、風を吹き上げた。

 そして光が収まると……ワープゲートの上には1人の魔族が立っていた。


 ミラグロスさんと似た青い肌だが、高身長で筋肉の量も凄まじい。

 そして、なんといっても頭から生えている角が、禍々しすぎる。


「ミラグロス。手紙を読んで来たがァ……後ろにいるのがここの主なのかァ?」

「うん。知ってると思うけど、佐藤っていう」

「佐藤と言います。ミラグロスさんのお兄さんですよね? よろしくお願いいたします」

「随分と弱そうな人間だなァ。魔王軍を抜けて、こんなのについていって本当に大丈夫なのかァ? 例のドラゴンも大したことなかったら、俺は無理やりにでも魔王軍に戻るぜェ?」

「勝手にして。それより、佐藤に挨拶を返して。失礼を働いたら……私が許さない」

「……チッ。俺の名前はゼパウル・アバスカルだ」

「ゼパウルさんですね。よろしくお願いします」


 不服そうながらも、自己紹介をしてくれたゼパウルさん。

 説得したと言っていたけれど、この様子を見る限りでは、まったく納得していないように見えてしまう。


 シーラさんは言うまでもなく、ライムとマッシュもピリついているように見えるからなぁ。

 私はとにかく、荒れないようにだけ気をつけて、ここからの立ち回りを考えよう。



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一日一話投稿のモチベーションとなりますので、この小説を読んで少しでも「続きが気になる」「面白い」と少しでも感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです <(_ _)>ペコ


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