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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第222話 空中戦


 そうこう考えているうちに、ヘレナが料理を完成させたようだ。

 魔物食という空中戦が繰り広げられている中、ヘレナはシンプルな料理を作ってきた。


 パンにスープ、ベーコンエッグ。

 いつも朝食で作ってくれるメニューだけれど、かつて料理下手だったヘレナが、シーラさんに負けないくらいのクオリティで作れる料理とも言える。


「マスター、召し上がってください」

「早速、いただかせてもらいます」


 私はパンとベーコンエッグを食べながら、乾いた口にスープを流し込む。

 驚くような美味しさではないが、安定した美味しさだ。


 慣れすぎていた面はあったが、改めて食べると、そのクオリティの高さに驚かされる。

 この世界の食材を普通に食べられるようにするというのは、非常に難しいことなのだと改めて実感させられた。


 ストレートに高評価だったヘレナの後だけに、ルーアさんとミラグロスさんの料理も気になるところ。

 怖さ半分、ワクワク半分で完成を待っていると、先に料理を持ってきたのはルーアさんだった。


 お互いに制限時間ギリギリであり、タッチの差でルーアさんが先。

 ということで、ルーアさんのオクトパール料理をいただく。


 ルーアさんの料理はタコ飯で、お米のような穀物と一緒にオクトパールを炊いたもの。

 ぶよぶよとしたオクトパールがいい味を出しており、タコに馴染みのある私としては、美味しそうに見える。


 ノーマンさんとヤコブさんが躊躇している中、まずは私がタコ飯を口に入れた。

 ……うーん、これは個人的に惜しい料理だ。


 タコの特徴とも言える食感の良さがなく、制限時間が短かったからか、味もしっかり染み込んでいない。

 全体的には悪くないのだが、ヘレナが完成度の高い料理を出しただけに、粗さが目立ってしまっている。


 ノーマンさんも私と似た評価だったのか、意外にも美味しかったことに驚いた様子を見せている。

 ただ、ヤコブさんはオクトパールがダメだったようで、ここで初の吐き出し。

 これにはルーアさんも悲しそうな表情を見せている。


 評価が分かれる一品ではあったが、個人的には美味しいと評価できる料理だった。

 怖いのはオクトパールよりもワイルドボアであり、タコ飯を食べ終えたタイミングでミラグロスさんの料理が運ばれてきた。


 見た目は角煮っぽくて、とても美味しそうだ。

 問題は臭いなのだが……この距離で嗅ぐ限りでは、まだ何も臭ってこない。


「……私の街の名物の煮込み」


 そんな軽い説明を受けてから、ワイルドボアの煮込みをいただく。

 かなり恐る恐る食べてみたが、思ったよりも臭いは強くない。


 若干の臭みはあるが、ジャーキーのときのような強烈なものではなく、しっかりと臭い消しがされているようだ。

 ただ、その代償なのか、歯磨き粉のような味がする。


 味付けも薄いように感じられ、これは評価が難しい料理だなぁ。

 とりあえず、2番手の3人の料理を食べ終えた。


 ここから採点に移るわけだが、好みが分かれる料理だっただけに、結果が読めない。


「それでは採点を出します。ヘレナ87点。ルーアさん91点。ミラグロスさん60点」

「ヘレナ88点。ルーア80点。ミラグロス65点」

「ヘレナさん91点。ルーアさん5点。ミラグロスさん35点っす! ルーアさん、申し訳ないっす」


 やはりというべきか、かなりばらつきのある点数。

 唯一安定していたヘレナが高得点を叩き出したが、シーラさんには一歩及ばず。


 魔物食が苦手なヤコブさんは2人に低い点数をつけており、全体の点数が下がってしまった。

 美味しかったが、今回の大会では万人に刺さる料理が求められるため、点数が伸びなかったのも納得の結果だ。


 特にルーアさんは悔しがっており、今回の経験をバネにして、第2回を行う際は頑張ってほしい。

 そして、とうとう最終組の番がやってきた。


 残っているのはベルベットさん、ローゼさん、ヤトさんの3人。

 料理の腕は3人とも未知数で、いずれも王女的な立ち位置にある「王女様対決」。


 料理を作りそうには見えないが、ベルベットさんとローゼさんは器用だからね。

 才能だけで美味しい料理を作ってしまう可能性もあるため、楽しみに待つことにしよう。


「やっとわらわの番なのじゃ! とびきり美味しいものを作るから、楽しみにしておくんじゃな!」

「……ヤトには負けない。……負けたくない」

「それはわらわのセリフじゃ! ローゼには様々なことで連戦連敗じゃからな! この大一番で負かしてやるのじゃ!」

「なんか2人で盛り上がってるわね。ヤト様とローゼは仲が良いの?」

「うぬ! 昔からの付き合いなのじゃ!」

「……私の少ない友達」

「へー、楽しそうね。ただ、2人でやりあっているところ悪いけど、私が勝たせてもらうから」


 始まる前からバチバチの3人。

 三者三様だし、作る料理にも個性が出るはず。

 美味しいかどうかは別として、3人の料理を食べるのが非常に楽しみだ。



※作者からのお願い


一日一話投稿のモチベーションとなりますので、この小説を読んで少しでも「続きが気になる」「面白い」と少しでも感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです <(_ _)>ペコ


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