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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第219話 ワープゲート


 ワープゲートは黒いフラフープのようなもので、背負っていた大きな鞄に入れて持ってきたようだ。

 もっと儀式的なものか、ハイテクなものをイメージしていたため、意外と原始的な見た目に驚きながら眺めていると、もう設置が完了したらしい。


「ん。これで設置完了」

「もう終わりなんですか? これで自由に行き来が可能になったんですね」

「そう。一人移動させるのに、一週間分の魔力を溜めないといけないけど、これで自由に移動できる」

「こんなに簡単に設置できるとは思っていませんでした。魔王軍は、いろいろなところにこのワープゲートを設置しているんでしょうか?」

「それはないと思う。このワープゲート自体が希少なものだし、設置にもリスクが伴うから」

「魔王軍が移動できるということは、人間もワープゲートで移動できるということですもんね。人間のほうが数が多い分、魔力を溜める速度も早いでしょうし、不用意なワープゲートの設置は、逆に魔王軍にとって不利に働く可能性が高いはずです」


 私の疑問に対し、的確な指摘をしてくれるシーラさん。

 つまり、このワープゲートはミラグロスさんたちにも危険が及びうるということ。

 私が責任を持って、しっかりと管理しないといけないな。


「そういうこと。一人ずつしかワープできないし、ワープして攻め込む――というのは非効率」

「そうなんですね。便利なもののように思えていましたけど、意外とデメリットが多くて不便そうですね」

「ん。実際に移動目的で使うメリットはほとんどない。警備が厳重な人間の領土に入るのは大変だから、危険回避のためにワープゲートを使うって感じ」

「詳しい説明をありがとうございます」


 説明のおかげで、ワープゲートについて理解できた。

 このワープゲートはシッドさんに相談して、しっかりと守れるようにするとして……一度落ち着きたい。

 卵がゆも振る舞ってあげたいし、一度別荘に戻ろう。


 卵がゆをサクッと作り、キュウリの浅漬けの小鉢もつけて、リビングで待っているミラグロスさんに届ける。

 卵がゆを見た瞬間、満面の笑みを浮かべたその表情が非常に可愛らしい。


「お待たせいたしました。卵がゆです」

「はぁー……良い香り。見た目も美しい。佐藤、ありがとう」

「いえいえ。安く作れる料理ですので、気にせず食べてください」

「ん。遠慮なくいただくわ」


 ミラグロスさんは手を合わせた後、卵がゆをゆっくりと口の中に入れた。

 熱々だろうに、口の中いっぱいに頬張っていて……とても幸せそう。

 ここまで喜んでもらえるなら、作り甲斐があるというものだ。


「……はぁ。本当に美味しい。幸せ」

「喜んでもらえて良かったです。あの、食事をしながらいろいろ聞いてもいいですか?」

「ん。もちろん。何でも聞いて」

「ありがとうございます。それでは早速ですが、反対派だったミラグロスさんのお兄さんとお姉さんは大丈夫なんですか? 手紙では説得できたと書かれていましたが」


 一番気になってしまうのはその部分。

 音沙汰のなかった1ヶ月間で、いろいろと話し合ったとは思うけど、家族仲が悪くなってしまっていたら申し訳ないからね。


「兄が最後の最後まで反対していたけど、今は納得してくれてる。きっかけ次第でまた反対してくるかもしれないけど、兄も夜刀神に会ったら、心の底から納得すると思う」

「ヤトさんってそんなに影響力があるんですね」

「当たり前。アンタッチャブルな存在だから」


 ミラグロスさんのお兄さんは、納得した“てい”ではあるけど、心の底から納得はしていない感じなのか。

 直接ヤトさんに会えば納得してくれるということなら……明日、来てもらえれば即解決するかもしれない。


「あの、ミラグロスさん。急で申し訳ないんですが、明日お兄さんを呼ぶことってできますか? ヤトさんが来る予定でして、明日にでも呼べるのであれば、お兄さんとヤトさんを会わせることができるんです」

「すごく急だね。……でも、呼べるかもしれない。私が戻るための魔力を溜めてきてあるから、兄をこっちに呼ぶのに使えば何とかなると思う」

「本当ですか? なら、呼んでください。イベントを行うので、ヤトさんに会うだけでなく、楽しんでもらえると思います」

「ん。すぐに手紙を書いて、兄に届ける。でも、来るかどうかは分からない」


 話をしている間にも、卵がゆをペロッと完食したミラグロスさんは、紙とペンを取り出して手紙を書き始めた。

 書き終えると、いつもの蝙蝠の魔物を召喚し、手紙を届けるために魔王の領土へと向かわせた。


「あの蝙蝠の魔物って、ミラグロスさんの従魔なんですか?」

「従魔というよりは使い魔。魔力を消費して生み出してる魔物」

「ミラグロスさんが生み出しているんですか。すごいですね!」

「別にすごくない。手紙を運ぶ以外に何もできないし。それより……イベントについて聞きたい。気になって仕方がない」


 目を爛々と輝かせながら、私に迫ってきたミラグロスさん。

 料理が作れるのであれば、ミラグロスさんにも急遽参戦してもらっても面白いかもしれない。

 そんなことを考えながら、私はミラグロスさんに、明日と明後日に行うイベントの説明を行ったのだった。



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一日一話投稿のモチベーションとなりますので、この小説を読んで少しでも「続きが気になる」「面白い」と少しでも感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです <(_ _)>ペコ


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