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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第216話 晩酌


 その後は娯楽室に戻り、ローゼさんは漫画に没頭。

 ヤトさんとイザベラさんは、シーラさんたちも交えてスマブラの対戦会を行っていた。


 やはり人が多いと盛り上がるし、何より非常に楽しい。

 私も久しぶりにスマブラをプレイしつつ、日付が変わる前にはお開きとした。


 娯楽室から別荘に戻ると、シーラさんやヤトさんはすぐに部屋へ帰っていったのだけど、ローゼさんとイザベラさんはリビングで休憩していた。

 もしリビングにいる理由が、貸している部屋の居心地が悪いから――ということだったら申し訳ないので、話を聞くことにした。


「ローゼさん、イザベラさん。お部屋には戻らないんですか? 寝にくいなどの不満があったら言ってください」

「全くそんなことないわよ。娯楽室が面白すぎて、熱が冷めるまでゆっくりしようと思っていただけ」

「……私も同じです。本当に素晴らしかったです」


 ローゼさんはうっとりとした表情を浮かべ、まるで漫画に恋をしているかのような様子。

 リビングにいる理由がネガティブなものじゃなくて良かった。


「それなら良かったです。楽しんでもらいたくて娯楽室を作ったので、熱が上がるほど楽しんでもらえたのなら私も嬉しいです」

「異世界ってすごいのね。転移の存在は知っていたけど、異世界のものは知らなかったから、本当に驚きの連続だわ」

「……私も。お祭りも楽しかったですし、ご飯もすべて美味しい。そのうえ、あんなに面白い本まで読めるなんて……ここはまるで天国です」

「はは、天国まで言ってもらえるとは思いませんでした。あの、転移者は私以前にもいたんですよね? 異世界のものって、これまで持ち込まれてこなかったんですか?」

「転移者の存在は話には聞いていたけど、私が実際に会ったのは佐藤が初めてだし、詳しくは分からないわ。仮に誰かが持ち込んでいたとしたら有名になっているだろうし、多分持ち込まれていなかったんじゃないかしら?」


 持ち込まれていてもおかしくないとは思ったけど、過去に私のようなスキルを持った人がいなかったのかもしれない。

 蓮さんたちと比べても、私のスキルはかなり特殊だし、異世界のものを購入できるのは改めて“チートスキル”だと実感する。


 また、考えられるとすれば、時代的に日本よりもこちらの世界のほうが発展していたという可能性もある。

 王様の話では、【勇者召喚】は数十年に一度しか使えないそうだし、最後に使われたのは少なくとも数十年前らしい。


 数十年間も魔力を溜めないといけないという制限がある以上、よほどのことがなければ召喚なんてしないはず。

 もしかすると、最後に【勇者召喚】が行われたのは百年以上前かもしれない。


 もしそうなら、日本はちょうど1900年代初頭の時代。

 お金の価値も違い、月給が50円くらいの時代で、食事も白米と味噌汁、それから漬物くらいが一般的だった。

 そう考えれば、この世界の発展ぶりに当時の人たちが驚いた可能性は高い。

 異世界のものが持ち込まれていない理由も、これで納得がいく。


「そうなんですね。あまり考えたことはなかったのですが、色々と腑に落ちた気がします」

「“腑に落ちた”って意味はよく分からないけど、とにかくここのものは全部が珍しいわ」

「……すごい。しばらくここに暮らしたいくらいです」

「“去る者は追わず、来る者は拒まず”がモットーですので、暮らしていただいても大丈夫ですよ。ただし、農作業のお手伝いはしてもらいますけど」

「絶対にダメよ。ローゼ様はエルフ国の王女様なの。移住なんて認められるはずがないわ」

「……けち」


 こちらとしては大歓迎。

 何ならイザベラさんも一緒に移住してくれたら嬉しいくらいだったけど、即却下されてしまった。


「それは残念です。……あっ、そうだ。イザベラさんはお酒、飲めますか?」

「ん? どちらかといえば好きよ。でも、もしかして異世界のお酒があるの!?」

「いえ、異世界のお酒ではないんですけど、ここで暮らしている人が新しいお酒を造ったんです。飲んでみませんか?」

「……私も飲みたい」

「えっ? ……ローゼさんも飲めるんですか?」

「……うん。あまり強くはないけど」


 ヤトさんと同年代の少女ってイメージだったけど、実年齢的には私と同い年くらいの可能性もあるのか。

 というか、この世界には禁酒法なんてない可能性すらある。


「ローゼさんも飲めるなら、三人で晩酌しましょうか。軽く酔いが回れば、寝やすくなると思いますし」

「異世界のお酒じゃないのはちょっと残念だけど、晩酌はいいアイデアね。ぜひ飲ませてくれる?」

「ええ。それでは、取ってきますね」


 私は台所へ向かい、魔道冷蔵庫からキンキンに冷えた黄金色の果実酒を取り出した。

 このお酒は正式に“黄金酒”と名付けられており、そのかっこいい名前に負けない味をしている。


「こちらが、ここで造られた黄金酒です。果実系の甘いお酒ですね」

「色が綺麗ね。それに、シュワシュワしてる」

「……香りも良い。美味しそう」

「お酒のあてに果物も用意しました。抜群に合うので、ぜひどうぞ」


 塩気のあるものもいいけど、この黄金酒と果物の相性は抜群。

 今回は秋の味覚であるブドウを用意した。


「それでは、いただくわね。――ん、美味しい! 甘いお酒はあまり得意じゃないんだけど、これは別格に美味しいわ」

「……本当に美味しい。お酒まで美味しいなんて……」

「喜んでもらえて良かったです。このお酒は販売もする予定ですので、生産準備が整ったら、ぜひ買ってください」

「商売上手ね。でも、これは確かに買いたくなるわ」

「……私も買いたいです。果物との相性も最高」


 お酒とは思えないハイペースで、黄金酒を飲み進める二人。

 飲みやすさに反して度数は高いため、ローゼさんとイザベラさんが潰れてしまわないよう気をつけながら……私は三人での晩酌を楽しんだのだった。


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