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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第215話 集中力


「ぬっはっは! わらわに勝とうなんて、100年早いのじゃ!」

「く……悔しい! ヤト様に負けるのが一番ムカつく!」

「残念じゃったの! いつでも相手になるから、好きなときにかかってくるのじゃ!」


 小さい体を目いっぱい反らし、イザベラさんを見下ろしているヤトさん。

 イザベラさんが大きいこともあり、物理的には一切見下ろせていないのだけれど、イザベラさんにはこうかはばつぐんのようだ。


 なんだかんだ五分五分になるのではと思っていたけれど、さすがに経験者であるヤトさんには一歩及ばず。

 内容的には良い勝負になっていたのだけれど、結局ヤトさんの全勝で終わってしまった。


「すぐにリベンジさせてもらうわ。……ねぇ、佐藤。あのゲームはヤト様が一番上手いの?」

「いえ、もっと上手い人はいますね」

「こら! バラしちゃ駄目なのじゃ!」

「1勝もできなかったヤト様が下手な部類なのね。これは久々に燃えてきたわ」


 死ぬほど悔しそうではあったものの、イザベラさんの目は完全に燃えており、ゲームにすっかりハマった様子。

 イザベラさんだけはハマらないかもと思っていたけれど、しっかり楽しんでくれたみたいで良かった。


「食事の後にまたプレイできますよ。他の人たちもやると思うので、順番待ちが発生するかもしれませんが」

「他の人が上手いなら、参考になるからむしろ大歓迎よ。今の私の目標はヤト様に勝つことだから」

「わらわも成長するからのう! イザベラは一生追いつけないのじゃ!」


 ヤトさんのライバルと言えるのは、ジョエル君くらいだったため、とても楽しそう。

 特段下手というわけではないのだけれど、ここに暮らしている人たちとはプレイ時間に差が出てしまうから、必然的にスキルに差が生まれてしまう。

 その点、イザベラさんはヤトさんと同条件だし、今後良いライバルになってくれるだろう。


「話はそれくらいにして、別荘に戻りましょう。……ローゼさんも、そろそろご飯にしませんか?」


 大声で言い争っていたけれど、そんな騒ぎにも我関せずで漫画を読み続けているローゼさん。

 集中しているから読むのが早いのかと思いきや、まだ3巻のため逆にめちゃくちゃ遅い。


 すべてをじっくり楽しんでくれているみたいで、ローゼさんの表情は今も緩みっぱなし。

 ただ、私の呼びかけも届いていないようで、漫画に釘付けになっているため、肩をさすって呼びかけよう。


「ローゼさん、ご飯に――」

「ひゃああ! ……さ、佐藤さん! び、びっくりするので、いきなり触らないでください」

「す、すみません。いきなり触ったわけではないんですけど……」


 肩に触れた瞬間、大きな声を上げたローゼさん。

 驚かせてしまったのは申し訳ないけれど、これ以上はどうしようもなかった。


「ローゼ様、声はしっかり掛けていたわよ」

「……そ、そうだったんですね。声を荒げてしまって申し訳ありません」

「いえ、私のほうこそ触ってすみません。ご飯ができたみたいなので、一度夜ご飯にしませんか? ご飯を食べた後でも漫画は読めますので」

「……まだ読んでもいいんですか?」

「今日は宿泊するということですので、いくらでも読んでください。ただ、体調不良になったら困るので、日付が変わったら就寝してくださいね」

「日付が変わるまで読めるの……すごい」


 先ほどの驚きも、食後にまだ漫画が読めるという嬉しさでかき消えた様子。

 私はホッとしつつ、3人を連れて別荘に向かった。


 テーブルには既にご飯が並んでおり、ノーマンさんお手製の日本料理が並んでいる。

 今日の夜ご飯は、天ぷらと蕎麦。


 天ぷらは収穫したばかりの秋の野菜を使っており、蕎麦はシンプルな盛り蕎麦。

 とろろの用意もしてあるため、ねばねばが苦手でなければとろろ蕎麦にもできる。


「今回のご飯は麺なのね。それにしても変わった麺」

「……変な色の麺。こっちのは綺麗で美味しそう」

「これは天ぷらと言いまして、こちらの蕎麦という麺と非常に相性がいいんです。食べてみてください」

「わらわも初めて食べるのじゃ! ダンジョン街で佐藤が食べていたものじゃろ?」

「よく覚えていましたね。あれは温かい蕎麦でしたが、今回は冷たい蕎麦ですね。癖も少なくて食べやすいと思いますよ」


 ダンジョン街で私が食べていたどん兵衛を憶えていたみたい。

 記憶力に感服しつつ、早速召し上がってもらう。


 ヤトさんは箸を器用に扱い、イザベラさんとローゼさんはフォークで蕎麦を食べる。

 フォークで蕎麦を食べるのは珍しいけれど、慣れていないと蕎麦は掴めないため仕方がない。


「おー! シコシコしていて美味しいのじゃ!」

「……さっぱりしていて美味しい! 佐藤さん、すごい」

「すごいのは私じゃないですよ。今回はノーマンさんが作りましたからね」

「この天ぷらというのも美味しいわね! 野菜とは思えない旨味があるわ」

「天ぷらは蕎麦つゆにつけても美味しいですし、蕎麦つゆは薬味を入れても美味しいですよ」


 やはり癖がないためか、蕎麦はすんなり受け入れられたみたい。

 ヤトさんに関しては、そうめんを食べていたし、抵抗感がさらに少なかっただろうね。

 笑顔で蕎麦と天ぷらを食べてくれている3人を見ながら、私も蕎麦をいただいたのだった。


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