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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第212話 強烈な臭い


 新しい作物の売却額についてはある程度わかったため、次は味について調べていくことにした。

 一番気になるのは、もちろんアーティパッション。


 ブルガールドも気になるといえば気になるけど、あの臭いからして、どれだけ美味しくても食べる頻度は限られてくる。

 日本ではニンニクですら気を遣う時代であり、エチケットの面から考えても、ブルガールドの臭いを気軽に口から発することはできない。


 臭いという強烈なデメリットがあるため、ブルガールドはハードルが高い。そんな中、私は各種1個ずつ手に持ち、ノーマンさんのところへ持っていった。

 まだ時間が早いということもあり、ノーマンさんは台所にはおらず、リビングで漫画を読んでいた。

 休憩しているところ悪いけど、作物を渡してしまいたい。


「ノーマンさん、休憩中のところすみません。少しよろしいですか?」

「ああ、佐藤さんか。もちろん大丈夫だ。……って、すごい臭いだな。もしかして、ブルガールドか?」

「はい、そうです。ブルガールドの料理も作れますか?」

「作ったことはないが、作れると思うぞ。美味しいかはわからないけどな」


 ノーマンさんでも美味しく作れない可能性があるのか。

 まあ、市場に出回らない野菜だもんね。


「そうなんですね。あまり期待せずに待っています」

「ただ、美味しい可能性は十分に秘めていると思う。市場に出回らないのは、確実にこの臭いが原因だからな。他の野菜が駄目になってしまうから取り扱わないだけで、ブルガールドは美味しい可能性がある」

「美味しかったら、この臭いでも許せるんですけど……それでは、少しだけ期待していますね」

「ああ、全力を尽くす」


 ノーマンさんはそう言うと、漫画を棚に戻しに行き、早速調理を始めてくれた。

 まずはメジャーなアイスアックから調理を始め、ものの数分で料理を完成させてみせた。


「これはアイスアックの濃汁だ。水に数滴落として飲むだけでも、眠気覚ましとして使えると思うぞ。料理と呼べるかは微妙だが、余計な雑味は取り除いてある」

「いただいてみますね」


 私は言われた通り、コップの水にアイスアックの濃汁を数滴垂らし、飲んでみることにした。

 ――おお! これはかなりいいかもしれない。


 一切期待していなかったけど、目が覚めるようなスースー感が突き抜けている。

 口の中や喉はもちろん、目や鼻、耳までもスースーしており、冴え渡るような爽快感。


 雑味を取り除いたと言っていた通り、飲みにくいとかはなく、冷たく感じる水といった印象。

 美味しいってわけでは決してないけど、アイスアックの濃汁は非常に使えそう。


「かなり良いですね。顔がスースーします」

「気に入ってくれて良かった。眠気覚ましとして、置いておいたらいいと思う。……と、ブルガールドの料理もできたぞ」


 私がアイスアックに感動している間に、どうやらブルガールドの料理も完成したようだ。

 にんにくのオイル焼きのような感じで、ブルガールドをオイルで焼いた料理。


 火を通した影響か、臭いはかなり消えているけど……まだ若干臭う。

 私はなるべく臭いを嗅がないようにして、ブルガールドを口の中に入れた。


「――不味いです!」


 料理を作ってくれた人の前で言うのはどうかとも思ったけど、そんなことを考える前に、言葉が口から出てしまった。

 強烈な苦味の塊であり、苦味に驚いた勢いで臭いを嗅いでしまい、口の中が酷いことになっている。


「はっはっは! 不味かったか。賛否ある食材だったから、美味い可能性もあると思ったんだけどな」

「すみませんが、賛の人が理解できません」

「俺も1つ食べさせてもらう。……はっはっは! これは確かに不味いな」


 ノーマンさんも私と同じ意見のようだが、なぜか非常に楽しそうにしている。

 物珍しい食材だから、テンションが上がっているようだ。


「ブルガールドはなしですね。苦味が癖になる人もいるのかもしれませんが、臭いでアウトです」

「同意見だ。良い調理法も思いつかない。となると、アーティパッションにかかっているな。これはちゃんと味見をしながら作るから、佐藤さんはリビングで待っていてくれ」


 楽しそうな表情から一転、真剣な目つきで腕まくりをしたノーマンさん。

 私は本気のノーマンさんに期待しつつ、リビングで待たせてもらうことにした。


 それから待つこと約30分。

 料理が完成したようで、綺麗に盛り付けられた料理を持って、ノーマンさんが台所からやってきた。


「佐藤さん、けっこううまくいったぞ。ぜひ食べてみてくれ」

「見た目から美味しそうですもん。アーティパッションはこのソースですか?」

「ああ。糖度の高い野菜だったから、スイーツのソースとして使ってみた。クイードの蜜とモモの牛乳で作ったミルクプリンに、アーティパッションのソースがかかっている」

「それは美味しそうすぎます! いただきますね」


 ミルクプリンだけで美味しそうだが、今回のメインはあくまでアーティパッション。

 しっかりとソースを絡めながら、私はミルクプリンを口に運んだ。


 ――これは美味しい!

 日本の料理に匹敵する味であり、甘いミルクプリンと酸味の効いたアーティパッションのソースが絶妙にマッチしている。


 味的にはマンゴーを酸っぱくしたような感じであり、多分だけど、そのまま食べてもそれなりに美味しいと思う。

 アーティパッションの潜在能力の高さに驚くが、やはりなんといってもミルクプリンの美味しさも際立っている。


 モモの牛乳は毎朝飲んでいたから美味しいことは知っていたが、濃厚なため、プリンにすると格別に美味しい。

 クイードの蜜の甘さも素晴らしく、高いNPを消費して従魔にして良かったと思える逸品。


 感激する部分が多く、すごく幸せな気分。

 私はアーティパッションのソースがかかったミルクプリンをゆっくり味わいながら食べ、幸せなひとときを堪能したのだった。



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