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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第211話 悪臭


 新しい作物を植えてから、4日が経過した。

 スキルの畑で育てていることもあり、新しい作物はすでに実っている。


「この3種類が新しい作物ですか? 何だか変わった形ですね……ちょっと臭いませんか?」

「ええ。かなり臭いますね」


 1つずつしか植えていないのだが、離れた場所からでも分かるくらい、かなりの悪臭だ。

 おそらくだが、この臭いの発生源はブルガールドだろう。


「このイボイボの作物からですかね?」

「そうだと思います。ノーマンさんが、ブルガールドは臭い野菜だと言っていましたので」

「そうなんですか。収穫するのが少し嫌ですね」


 離れていても臭うため、収穫した際に手に臭いがつくのは確実だ。

 ここは責任を持って、私が収穫することにしよう。


 なるべく口で呼吸するようにしながら、一気にブルガールドを収穫していく。

 ぶよぶよしており、触感もあまり良くない。


 肝心の臭いはというと、生ゴミというか、硫黄を強くしたような臭い。

 ドリアンというよりも、シュールストレミングに近い臭いがする。


「ブルガールドは収穫できました。高く売れるとか、ものすごく美味しいとかでない限り、もう育てることはなさそうです」

「賛成です。この数でこの臭いということは、畑一面で育てたらとんでもないことになりますもんね」


 シーラさんの言う通り、畑一面にブルガールドを育てたときの臭いを想像するだけで怖い。

 基本的にブルガールドは今回限りとし、肝心なのはアイスアックとアーティパッションだ。


 アイスアックは、ブルーベリーのような小さな粒が集まった作物。

 色味はシーラさんの言っていた通り、青っぽく、ブルーベリーに近い印象を受ける。


 アイスアックにはNP効率のみを期待しているが、アーティパッションには味にも期待している。

 見た目は真っ黄色のマンゴーのようで、非常に美味しそうに見える。


 匂いは……ブルガールドのせいで嗅ぎ分けが難しいが、果物っぽい香りだ。

 見た目も匂いも合格ラインに達しているため、あとは味次第だ。


「佐藤さん、アーティパッションは美味しそうな見た目をしていますね」

「ええ。ノーマンさんに渡して、食べられる作物かどうかを調べてもらうつもりです」

「食べられる作物なら、大発見じゃないでしょうか?」

「大発見だと思いますよ。この世界の作物ですし、ここ以外でも量産できる可能性がありますから」


 アーティパッションの味が良いことを願いつつ、やはり一番気になるのは、それぞれの売却額。

 収穫までは3種類とも同じく4日で、育てにくさの差もなかったため、売却額が決め手になる。


 まずは、強烈な臭いを放つブルガールドから出荷箱に入れ、NPの増加量を確認することにした。

 箱に入れる前は18816NP、入れた後は18846NP。


 ブルガールドの苗の値段は20NPで、1つの苗から3つのブルガールドが収穫できたため、利益は100NP。

 現在主に育てているのはブライトボイスで、こちらの利益は38NPと考えると、ブルガールドは倍近い利益を上げられる。


 ただ、やはり難点は強烈すぎる臭いだ。

 利益率は申し分なく、この臭いなら害獣被害もなさそうなので……正直、育てたくなってしまっている。


 モヤモヤしながらも、アイスアックとアーティパッションの利益も調べることにした。

 アイスアックの利益は55NP、アーティパッションは40NP。


 ブルガールドと比べると利益は劣るが、ブライトボイスよりは高いという結果だった。

 ただし、ブライトボイスの最大の利点は、害獣・害虫被害がほぼゼロな点にある。


 被害が出てしまう作物であれば、結果的にブライトボイスの方が多くNPを稼げる可能性もあるため、まだメインで育てる作物の結論は出せない。

 まぁ、害獣・害虫被害があっても、ブルガールドなら関係なく最もNPを稼げるとは思うけれど。


「佐藤さん、それぞれの売却額はいくらでしたか?」

「圧倒的にブルガールドが高かったです。次いでアイスアック、一番低かったのがアーティパッションでしたが、3種類ともブライトボイスよりは高かったですね」

「なるほど。それでは、これからはアイスアックをメインに育てていくって感じでしょうか?」

「育てやすさ次第ですね。なんだかんだ言って、ブライトボイスは優秀ですから。ただ……ブルガールドがアイスアックの倍近い額で売れたので、ブルガールドも選択肢に入ってくると思います」


 私がそう伝えると、一瞬だけひどく嫌そうな表情を見せたシーラさん。

 王城で私の護衛を任された時に見せた表情と酷似しており、本当に嫌なのだと表情から察することができた。


「1つだけそんなに売却額が高いんですね。臭いは嫌ですが、我慢すれば大量の通貨が手に入る……」

「ブルガールドについては、臭いの対策ができたら――という話ですので、安心してください。少量育てるかもしれませんが、基本的には育てません」

「ほっ、それなら良かったです。一帯が臭くなりそうな力を秘めていると感じていましたので、心から安堵しています」


 スキルの畑一面で育てたら、別荘の中まで臭くなるポテンシャルを秘めているからね。

 NPは大量に稼ぎたいけれど、景観をぶち壊してまで育てようとは思っていない。


 試せる消臭方法をすべて試し、効果がありそうなら大量生産を検討することにして……。

 基本的には、アイスアック、アーティパッション、ブライトボイスを主軸に育てていくつもりだ。


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