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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第205話 男心をくすぐる物


 変わったキーホルダーのみが売られているお店。

 日本で売られているような可愛らしいものではなく、不気味な感じのキーホルダーが並んでいる。

 ジョエル君が真っ先に向かったのも分かる。なんというか……非常に男心をくすぐられるお店だ。


「これはアクセサリーとして使うものですかね?」

「いーや、違うよ。一つ一つ効果のある人形だ。けっけっけ、お洒落で買っていく人もいるけどね」


 私はシーラさんに話しかけたのだけど、答えたのは店主であろうお婆さん。

 着物っぽい服装に、手首には無数の数珠。


 いかにも怪しい服装でありながら、口調も非常に変わっている。

 ただ、変わっているからこそ、このキーホルダーには本当に効果があるのではないかという気持ちになる。


「へー、そうなんですね。ちなみに効果というのは、どういうものがあるんですか?」

「そんなものは私に聞かれても困るよ。事故に遭いやすくなるっていうのは聞いたことがあるけどね。けっけっけ」


 本当に売る気があるのか分からない返答。

 でも、怪しければ怪しいほど買ってみたくなるのは、フリーマーケット特有の感情だろうか。


「あの! 一ついくらなんでしょうか?」

「どれでも銀貨1枚だよ。買ってくれるのかい?」

「銀貨1枚なら買いたいです!」

「毎度あり。けっけっけ、好きなのを持っていっとくれ」

「…………私も一つください。これにしても大丈夫ですか?」

「おお。あんたはお目が高いね。そいつは一際気合いを入れて作ったものだから、きっとすごい効果があるはずだよ」

「そうなんですか。それじゃあ、これを頂きます」


 迷わず購入したジョエル君につられて、私も怪しげなキーホルダーを一つ購入してしまった。

 一際気合いを入れて作ったという情報に、ジョエル君は羨ましそうに私が手に取ったキーホルダーを見ている。


 対するシーラさんは怪訝そうな表情で、私とジョエル君がこのキーホルダーを買った意味が理解できないといった様子。

 修学旅行でつい買ってしまう剣のキーホルダーのように、別荘に戻ってから「なぜ買ったのか」と後悔しそうだけど……せっかくのお祭りだし、欲望に忠実に動いてもいいだろう。

 銀貨1枚と安いしね。


「けっけっけ、毎度あり。また来ておくれ」

「一発目から良いお店を引けましたね! 佐藤さんのドクロのアクセサリー、かっこいいです!」

「ジョエル君のカラスのアクセサリーも良いと思いますよ」

「…………り、理解ができません」


 私とジョエル君の会話に驚愕しているシーラさん。

 ここは完全に男子ノリだと思うので、次はシーラさんの行きたいお店に行ってもらおう。


「次はシーラさんが行きたいお店を選んでください。今のお店は私とジョエル君好みでしたので」

「私が決めていいのですか? それなら……あそこのお店に行ってみたいです」


 シーラさんが指さしたのは、一際お客さんの多いお店。

 ここからだとよく見えないけど、大量の指輪が売られているように見える。


「指輪のお店ですかね?」

「指輪は指輪ですが、恐らく魔道具だと思います。客層も冒険者が多いようですから」


 確かに冒険者らしき人たちが多く、店主であろう女性の雰囲気も良い。

 さっきのキーホルダー屋さんの店主のような怪しさではなく、ランゾーレの街のシャノンさんっぽい雰囲気。


 シーラさんが選んだということもあり、当たりの雰囲気がビンビンのお店に行ってみることにした。

 ちょうど前にいた人が買い物を終えたようで、タイミングよく最前列に来ることができた。


「いらっしゃい。何か欲しいものはあるの?」

「いえ、欲しいものはないんですが、気になって見に来たんです。この指輪は……魔道具ですか?」

「ああ、そうだよ。お手製だから使い切りだけど、効果はいいものが揃っていると思うよ」

「使い切りの魔道具ですか……。ちなみにオススメの効果の指輪はありますか?」

「そこの青い石の指輪。一定の強さ以下の魔物を消し飛ばしてくれる魔道具だよ」


 想像していた以上の効果に、思わず口が開いてしまう。

 使いどころによっては非常に強力だけど、私の近くには従魔が多いため、暴発が怖くて持てない魔道具。


「すごい効果ですね! 僕、一つ欲しいです!」

「坊や、白金貨1枚だけど大丈夫?」

「し、白金貨は手が出せません!」


 勢いで買いかけたジョエル君だったけど、値段を聞いて止めたみたい。

 効果が効果だけに、白金貨1枚でも安いと思ってしまうけど、さすがに初っ端から白金貨1枚は使えない。


「少し予算をオーバーしていますね。安価なものはありますか?」

「それなら……その白い石の指輪。任意のタイミングで味方として戦ってくれるワイトを召喚できる指輪だよ。召喚時間は1分だし、最弱のワイトだけど、一瞬の時間稼ぎには意外と重宝する魔道具だね」

「面白い効果ですね。お値段はいくらでしょうか?」

「金貨1枚。どう? 買うかい?」

「金貨1枚なら買わせていただきたいです」

「僕も欲しいです!」

「この指輪は私も欲しいですね」


 今回はシーラさんも欲しいと思ってくれたようで、1分だけワイトを召喚できる指輪を一人一つ購入した。

 使い切りということで、シャノンさんの魔法玉に近しいものだと思う。


 指輪として常に身につけられる分、使い勝手は多少良いけど、魔法玉よりも値段が張るといった感じだろうか。

 ともかく、開始早々から良いアイテムを購入できたし、滑り出しは大成功。

 お祭りのような雰囲気で気分が上がることもあって、早くもレノヴィーの街に来て良かったと思えている。



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一日一話投稿のモチベーションとなりますので、この小説を読んで少しでも「続きが気になる」「面白い」と少しでも感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです <(_ _)>ペコ


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