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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第202話 夏野菜カレー


 夏の作物の最後の収穫が終わった。

 季節の終わりという感じがして寂しいけど、すぐに秋の作物を育てることになる。


 それに、今日は最後に収穫した野菜を使い、夏野菜カレーを作る。

 前々から作りたいと思っていたけど、色々とあったせいで今日まで作る機会が作れなかった。


 ノーマンさんに任せても良かったんだけど、せっかくなら私が作りたいということで、結局夏の最後まで先延ばしになったという訳だ。

 でも、今日はヤトさんとアシュロスさん、それからベルベットさんが来ているため、タイミング的にはベストととも言える。


「佐藤、食糧庫から野菜を取ってきたわよ」

「ベルベットさん、ありがとうございます。後はリビングか娯楽室でゆっくりして頂いて大丈夫ですよ」

「分かったわ。……それで、今日は何を作るつもりなの?」


 戻っていいと伝えたんだけど、ベルベットさんは興味深そうに料理している私の手元を覗き込んできた。

 まだ下処理をしているところだし、手元を見ても分からないと思う。


「野菜をふんだんに使ったカレーですね。ベルベットさんにもカレーはご馳走したことありますよね?」

「あー……。お肉がゴロゴロしたものを食べさせてもらったわ。スパイシーな料理よね?」

「ええ、そうですが……恐らく、それはキーマカレーですね。普通のカレーは振舞っていなかったでしたっけ?」

「普通のカレーが分からないけど、私は食べたことがないと思うわ」


 そうだったのか。

 てっきりベルベットさんにも振舞ったことがあると思っていたけど、去年の模擬戦大会で振舞ったキーマカレーのみだったみたい。

 この村に住んでいる人達はみんな食べているし、ヤトさんやアシュロスさんにも振舞ったため、てっきりベルベットさんにも振舞ったことがあると思っていた。

 

「なら、普通のカレーは今回が初めてですね。ヤトさんの大好物ですし、きっとベルベットさんも気に入ってくれると思います」

「へー。ヤトさんの大好物なのね。キーマカレーも美味しかったし、凄く期待しちゃうかも」

「ええ。期待して待っていてください」

「それじゃ、ヤトさんからカレーについて色々と聞いてこようかしら」


 ベルベットさんは言い残すと、台所から去っていってしまった。

 ヤトさんの大好物であることは間違いないが、カレーについて聞く相手を確実に間違えている。


 止めたかったけど、止める前に出ていってしまったため、これは悪印象を与えてしまうかもしれないなぁ。

 ヤトさんは、絶対にカレーのことをうんことしか言わないしね。

 うんこ、うんこと言っているヤトさんが目に浮かびつつも、私は手を止めずに料理を行っていく。

 

 今回使う夏野菜はナス、ズッキーニ、かぼちゃ、パプリカ、おくら。

 作り方は非常にシンプルで、肉とじゃがいも、玉ねぎの入った普通のカレーの上に、焼いた夏野菜をこれでもかと言うほど盛り付けるだけ。


 普通のカレー作りはもう慣れたものであり、私はあっという間に完成させた。

 本当なら一晩寝かせたいところだけど、今回は時間がないということでそのまま提供。


 盛り付けたカレーとご飯の上に、しっかりと焼き目のつけた色鮮やかな夏野菜を乗せていく。

 色鮮やかな夏野菜のお陰で、カレーの欠点とも言える見た目が完璧になっている。


 私は人数分のカレーを盛り付け、リビングで待っているみんなの元に持っていくことにした。

 娯楽室にいる可能性もあると思っていたけど、全員リビングで待ってくれていた様子。


「お待たせ致しました。夏野菜カレーです」

「やったー! カレーなのじゃ! でも、野菜はあまり好きじゃないのう」

「野菜も含めて美味しいと思いますよ。ベルベットさんは……随分と表情が暗いですね」

「ヤトさんのせいで、ちょっと食欲が失せているの。下品な説明ばかりされたから」


 やはりと言うべきか、ヤトさんから下品な説明を受けたみたいだ。

 色合い的にはキーマカレーと大差ないと思うけど、印象付けられるとやはり違って見せてしまうもんね。


「ベルベット様、大丈夫ですよ。カレーはそんな偏見を吹き飛ばすくらい美味しいですので!」

「分かってはいるのよ。キーマカレーは美味しかったわけだし……って、ヤトさんから聞いていたよりも、全然美味しそうな見た目!」

「本当なのじゃ! 野菜のお陰で色合いが綺麗になっておる!」

「食欲がそそりますね! 大事に育てた野菜ですし、美味しく頂きたいです!」

「それでは早速ですが、いただきましょうか」


 私達は両手を合わせ、食前の挨拶をしてから夏野菜カレーを食べ始めた。

 カレーをスプーンですくってから、夏野菜と一緒に口の中に入れる。


 ――うまっい!

 カレーのスパイシーさと、夏野菜の旨味と甘みがマッチしていて抜群の美味しさ。


 カツカレーでガッツリいくのも好きだけど、夏野菜カレーのさっぱりさも好き。

 色々な食べ方のあるカレーは、改めて素晴らしい料理だと思う。


「――美味しい! 前に食べたものよりも辛みがあるけど、野菜の旨味で食べる手が止まらないわ!」

「わらわもこの野菜なら好きなのじゃ!」

「やっぱり佐藤さんは料理の天才です! 色々なカレーを食べましたが、どれも違った角度で美味しいんですもん!」

「喜んでもらえて良かったです。夏の締めとしてはバッチリでしたね」


 自分たちで育てた野菜ということもあり、美味しさが更に倍増している。

 カレーはたくさん作ってあるし、野菜もまだまだ食糧庫にあるため、ルーアさんやブリタニーさん、ロッゾさん達にも後で食べさせてあげるとして……今は夏の最後の食事である夏野菜カレーを存分に楽しませてもらうとしよう。




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