第194話 産業魔物
納期に間に合うか不安だったけど、DVDプレーヤーとモニターをプレゼントしたことで、気合いを入れてくれたロッゾさんとシッドさんは、納期よりも1週間も早く屋台を完成させてくれた。
私が想像していた通りの屋台であり、これなら縁日を開くことができる。
どの屋台にどのお店を構えるかも既に決まっており、屋台を手伝ってくれる人も既に選出済み。
特別ボーナスを設けたことで、色々な人が手を上げてくれた中、私がその屋台に合った人を選ばせてもらった。
そんな縁日が来週に控える中、今日は残っているNPで新たな従魔を購入しようと考えている。
実は前々から購入したいと思っていた従魔がおり、既にシーラさんにも相談済み。
二つ返事で了承してもらったため、早速購入していきたいと思う。
まず一体目の従魔はスノーディア。
アッシュの負担が大きくなっているため、馬車を引くことができる魔物を仲間にしたいと思っていた。
アッシュほど馬力はなく、言葉も聞き分けることができないため、御者は必須ではあるけど、便利な魔物であることは冬のダンジョン街に向かう時に知っている。
それに値段も5000NPと安いため、気軽に購入できる点も非常に大きい。
ということで、まずはスノーディアを購入した。
現れたのは、毛並みの綺麗なスノーディア。
「はじめまして。私は佐藤と言います。これからよろしくお願いします」
私が挨拶をすると、スノーディアは首を下げて挨拶してくれた。
大柄で怖い感じではあるけど、毛並みが綺麗で目も優しいため、雰囲気は他のスノーディアに比べたら鹿に似ているかもしれない。
奈良の鹿も、こうして頭を下げてくれるしね。
「今日からニクスと呼びますが、大丈夫ですか?」
スノーディアはニクスという名前を気に入ってくれたようで、首を更にブンブンと振ってくれた。
今回の名前の由来は、ラテン語で雪という意味。
名前の響きも良いため、気に入ってくれて良かった。
とりあえずニクスには少し離れてもらい、このまま後2体の魔物を購入する。
続いて購入するのは、散々お世話になっているクイーンニードル。
ベルベットさんから頂いているけど、大量には頂けないため、今回思い切ってクイーンニードルを購入することにした。
従魔のクイーンニードルが蜜を集めてきてくれるか分からないし、集めた蜜を私にくれるのかも分からないけど、クイーンニードルの蜜の重要度は高い。
それにクイーンニードルも7000NPと高額ではないため、仮に駄目だったとしてもダメージ的にはそこまで大きくない。
私はタブレットを操作し、クイーンニードルを購入。
先ほどのニクスと同じ場所に現れたのは、50センチほどの大きな蜂の魔物。
何だか目がくりくりとしていて、蜂にしては可愛らしい見た目をしている。
ただ、名前にニードルとついているだけあり、お尻の部分には体と同じくらい長い針がついていて少し凶悪。
「はじめまして。私は佐藤と言います。これからよろしくお願いしますね」
ニクスにしたように挨拶を行うと、クイーンニードルは私の目の前で八の字に飛び始めた。
これは……挨拶をしているということなのだろうか?
「今日からクイードと呼ばせて頂きます。お仕事としては蜜を集めていただきたいのですが、大丈夫でしょうか?」
私の言葉に返事をするように、クイードはビュンビュンと高速で八の字に回っている。
クイードの巣は、既に裏山に作ってもらっているため、今日からは裏山で暮らしてもらう。
自由に暮らしつつ、裏山で蜜を集めてもらいたい。
巣には後で案内するとして、最後の一体も購入してしまおう。
最後の一体は、モーモースタンプという魔物。
こちらは他の魔物とは違い、20000NPと高額な魔物となっている。
モーモースタンプはその名前の通り、牛のような魔物であり、今回は牛乳目当てで購入する。
美食ハンターのダグラスさんから頂いた、サマーキャトルのミルクが美味しかったため、今回のモーモースタンプの購入に踏み切った。
20000NPを支払い購入すると、ジャージー牛のような茶色くて大きな牛が現れた。
牛の魔物――というよりはほとんど牛であるが、角の禍々しい感じや毛の硬さが魔物っぽいかもしれない。
私はいつもの挨拶をモーモースタンプに行ってから、早速名づけを行う。
既に名前は決まっており、可愛らしい名前をつけてあげる。
「今日からモモと呼ばせて頂きます。牛乳を頂くかもしれませんが、よろしくお願いします」
「もぉー」
名前を気に入ってくれたのか、モモは目を細めて鳴いてくれた。
私が首筋辺りを撫でると、気持ちよさそうにしているモモ。
とりあえず、これで新しい従魔の購入は完了。
レジーナとモモは期待しているような働きをしてくれるか、正直かなり不安な部分はあるけど……蜜と牛乳を定期的に手に入れられるようになったら、非常に大きな戦力となる。
美味しい蜜や牛乳を出してくれることを願いつつ、私はそれぞれに用意した寝床まで案内したのだった。
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