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第189話 可愛い絵面


 合計30体くらいのマタンゴが姿を表し、マッシュに習うように変な踊りを踊っている。

 奇妙な感じもあるけど、みんなが踊れるということはマタンゴ族に伝わるダンスなのは間違いない。


 茶化さずに見守っていると、踊りが終わったようでマッシュの元に集まってきた。

 マッシュだけみんなと姿が違うのは、きっとパラライズマタンゴに進化したから。

 あまり思い出せないけど、以前のマッシュはここにいるマタンゴ達と同じフォルムだったと思う。


「どうやらここはマッシュの故郷みたいだな」

「そうみたいですね。帰ってきたことを歓迎されているみたいでホッとしてます」

「……どうやら佐藤が呼ばれているみたいだぞ」


 一通り話が済んだのか、マッシュは私に向かって手招きをしている。

 魔物の中に向かっていくのは少しだけ怖いけど……マッシュの仲間なら大丈夫だろう。


「はじめまして。私はマッシュと一緒に暮らしている佐藤です」


 軽い自己紹介を行うと、マタンゴ達は私に対しても歓迎の踊りをしてくれた。

 私も見よう見まねでダンスをし、マタンゴ達への挨拶を行う。


「マッシュを急に従魔にしてしまい、すみません。この通り、元気に暮らしていますので安心して頂けたら幸いです」


 私の言葉は通じるのか、マタンゴ達はうんうんと首を縦に振ってくれている。

 群れとなると少し怖かったけど、敵意がないと分かったら可愛いな。


「今回は遊びに来させてもらいましたが、いつでも私達のところにも遊びに来てください」


 そう伝えると、マタンゴ達は嬉しそうにまた踊り始めた。

 更に、色々な物を私にプレゼントしてくれ、あっという間にマタンゴ達からの贈り物で両手はいっぱい。


 マッシュはそんな仲間達に、少し恥ずかしそうにしている。

 従魔達の素性が一切分からなかったけど、愛されていることが分かって安心した。


 それと同時に、私の従魔として働いてくれていていいのかと思ってしまうけど、マッシュやモージがいなくなったら非常に困る。

 でも……ブラック企業のようにはなりたくないため、私はマッシュに伝えることにした。


「マッシュ。私のところで働いてくれていていますが、マッシュがここに戻りたければ、いつでも戻って大丈夫ですからね。勝手に呼んでおいてアレですが、去る者追わずがルールですので」


 私は膝をつき、マッシュの目線に合わせてそう伝えた。

 ただ、マッシュはここに残るつもりはないようで、首をブンブンと横に振ってくれている。


「まだ一緒にいてくれるんですね。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」


 貰ったプレゼントを一度地面に置き、マッシュとハイタッチをした。

 その姿を見て、マタンゴ達は喜んでくれており、しばらくの間、一緒にマタンゴダンスを踊ったのだった。



 踊り終え、改めて感謝を伝えてからマタンゴ達の下を離れる。

 マッシュも久しぶりに会えて嬉しそうだったし、適度なペースで帰省させてあげよう。


 そんなことを考えながら、私達はマタンゴ達と会った場所から更に森の奥を目指して進む。

 今度はモージの番であり、流れ的にモージの故郷がこの先にあるんだと思う。


 つまり、モージとマッシュは同郷だったみたい。

 知り合いみたいな感じではなかったし、働いている内に同郷であることに気づいたパターンではありそうだけど。


「おっ。何だか村みたいのが見えてきた」

「本当ですね。森の中に小さな集落があります」


 ミニチュアサイズの集落であり、全てのサイズが小さい。

 その物理的に小さな集落を見て、モージは嬉しそうに鳴いた。


「ここがモージの家なんですか? マッシュの故郷と近いですね」

「なー」


 モージも驚いていることから、マッシュとモージの故郷が近いことも今日初めて知ったみたい。

 私が急に行ったら驚かせてしまう可能性があるため、まずはモージを先に行かせる。


 マッシュの時と同じように、モージが集落の中に入ると、ぞろぞろとキャットメイジが現れた。

 個々の見分けがつかないくらい似ていたマタンゴ達とは違い、キャットメイジは様々な柄がいる。


 黒猫、白猫、灰猫、三毛猫、キジトラ、サバトラなどなど……。

 毛色の個性が強く、絵面が凄い可愛いことになっている。


 顔もかなり違いがあり、みんなエキゾチックショートみたいな感じかと思いきや、ドストレートに可愛い顔のキャットメイジもいる。

 というか、ブサカワなのはモージだけかもしれない。


「何だか凄く可愛い魔物ばかりだな」

「ルーアさんも可愛いという感情を持っているんですね」

「失礼だな。こう見えても私は女だぞ。可愛いくらい思う」

「いえ、そういうことではなくて、魔物に対して可愛いという感情を抱くんだなと思ったんです」

「なるほど。ルサンソ騎士団に属していた時は、確かに思ったことがないかもしれない。ただ、キャットメイジはほぼ猫だからな。私は猫好きだから可愛いと思ってしまう」


 ルーアさんの言う通り、猫好きにとっては天国であろうこの集落。

 かく言う私も、動物好きではあるため、キャットメイジだらけの集落は癒しでしかない。


 あとさ、私を敵視してくれないことを祈るだけだけど……。

 モージが説明してくれているようで、他のキャットメイジ達の顔が穏やかに見える。


 多分だけど、あの様子ならマタンゴ達と同じく受け入れてくれそう。

 挨拶の言葉を考えつつ、モージが私を呼んでくれるのを静かに待ったのだった。



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