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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第171話 ジャイアントキリング


 ドニーさんの姿しか見えず、こちらもドニーさんの勝利で早期決着となったのかと思っていたけど……。

 ドニーさんが剣を構えたままなことから、まだ試合が続いている事が分かる。


 ただ、それにしてもライムの姿が見えない。

 元々透明化+高速移動で見絵難くなる動きを得意としていたけど、今は完全に消えている。


 ただ、ドニーさんは時折、狙いすましたかのように剣を振り下ろしており、見えないライムの姿を捉えていることが分かる。

 ハイレベル過ぎる戦いに解説のしようもないんだけど、何をやっているのか分からない試合は急に分かりやすく動きを見せた。


 不動の状態で構えていたドニーさんの体が、急に大きくよろめいたのだ。

 真後ろから攻撃されたようなよろめきに、会場全体が騒然となる。


「お、おい! ライム、ちょっと待て!

分身は流石にズルいだろ!」


 攻撃を受けたドニーさんはそう叫んだが、試合は止められることなく、ライムの攻撃が続いているようだ。

 必死に躱しているドニーさんの動きが、まるでダンスをしているみたいになっている。


 こちらからではライムの姿が確認できないため、余計にそう見えてしまう。

 剣を振る余裕すらなさそうであり、捌ききれなくなったドニーさんは更に叫んだ。


「3体目は本気でズルい。審判、一度試合を止めろ!」


 そんなドニーさんの叫びも虚しく、試合は止められることはないまま、まさかのドニーさんの敗北で終わった。

 色々と叫んでいたけど、こちらからでは何が起こっていたのかさっぱり分からない。

 詳しく話を聞くため、膝から崩れ落ちているドニーさんの下に向かった。


「ドニーさん、お疲れ様です。一体何がおこっていたんですか?」

「佐藤さん! ライムのやつ、分裂しやがったんだ! レベルの上がった透明化+高速移動+3体による連続攻撃は卑怯だろ!」


 そんなドニーさんの叫びに返事をするように、3体に分裂したライムが姿を現した。

 銀色のボディが輝いているライムが3体おり、確かにライムは分裂したみたい。


「ライムは分裂を覚えたんですね。元には戻れるのですか?」


 私の質問に対し、ライムは即座に合体して1体の姿に戻ってみせた。

 体の大きさは小さくなっていたし、多分だけど能力面も分裂したことで落ちていたと思う。


 そうなってくると、自分の体の一部であることになるし……ルール違反に抵触しないと思う。

 スキルの使用は認めているし、これをルール違反にしてしまうと、龍人族の【龍化】もアウトになってしまうからね。


「元に戻れるということで、ルール違反ではありません。あくまでもライムですからね」

「嘘だろ! 俺はまたライムに負けたのか……!」

「分裂という強力な初見殺しにやられましたね」

「あれは初見殺しなんかじゃない。分かっていても、対処できるのか分からないからな」


 ドニーさんにここまで言わせるライムは本当に凄い。

 まさかの大番狂わせが起こり、優勝候補筆頭のドニーさんがベスト8での敗退が決定。


 そんな波乱の結果に会場がざわついている中、準々決勝第3.4試合が執り行われた。

 対戦カードは美香さん対ヘレナ、それからシーラさん対シルヴァさん。


 どちらも好カードであり、勝敗が全く分からない。

 普通ならシーラさんは予想をしていたと思うけど、シルヴァさんの未知数っぷりは異常。


 将司さんとの一戦を見た限り、大番狂わせがあってもおかしくない。

 ドニーさんの敗退にまだ会場がざわついていたが、審判の合図で準々決勝が始まった。


 最初に動きがあったのは、美香さん対ヘレナの試合。

 試合開始の合図と共に、ヘレナが魔法を唱えて攻撃を開始。


 ルール上、大怪我のリスクを避けるために魔法は初級魔法までと決まっているけど、ヘレナの初級魔法は強大。

 強力な初級魔法に、ガードする度ふっ飛ばされていた美香さんだったが、数発受けたところでニヤりと笑った。


 どうやら魔法の動きを見切ったようで、舞うように躱しながら懐まで一気に潜り込み――強烈な一撃をヘレナに叩き込んだ。

 この一撃でヘレナは戦意喪失。

 ここは順当に美香さんが準決勝に駒を進めた。


 そんなド派手な試合に対し、シーラさん対シルヴァさんは達人同士のような清流のような戦い。

 特にシルヴァさんの攻撃はゆっくりに見えるんだけど、技術が盛り込まれているからか、一撃の威力は威力は桁違い。


 これまで技術面や観察眼で上回り、数多くのジャイアントキリングを起こしてきたシーラさんだったけど、今回は技量の差が明白。

 シーラさんの戦い方では、絶対に番狂わせを起こせない相手であり、しぶとく粘りは見せたものの――シルヴァさんの勝利で終わってしまった。


 シーラさんが負けてしまったのは悲しいけど、こればかりは相手が悪かったとしか言いようがない。

 シルヴァさんが何者なのかが気になってくるが、それは大会が終わってから聞くことにしよう。


 この試合でベスト4が決まり、アシュロスさん、ライム、美香さん、シルヴァさんの予想外過ぎるメンバー。

 私は優勝予想に蓮さん、ドニーさん、シーラさんと固すぎる予想をしたつもりだったけど、もうハズレが確定してしまった。

 外れてしまったのは残念だけど、結果がまるで読めない面白い大会になっていると思う。



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