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第166話 土づくり


 龍人族の方達が無事にこちらへ移り住むことができてから、3日が経過した。

 予定通り、今は開墾作業を行ってもらっており、朝から夕方まで畑作りに専念してもらっている。


 龍人族なだけあり、力には自信がある方達ばかりのようで、非常にスムーズに開墾作業が進んでいる。

 このペースならば、明日には土づくりを行え、明後日から苗植えができるはずだ。


 これまでゴブリン達の指導を行ってきたこともあり、物覚えの良さに感動しながら、私は1から10まで丁寧に教えていっている。

 農業以外にも、移住してきた龍族の中には大工さんや料理人さんがおり、現在はその職種に合った場所で働いている。


 1人しかいないけど特に料理人さんはありがたく、イベントを行う際はノーマンさんのように手伝ってくれるだろう。

 数十人分の料理を作るのは大変だと思うけど、料理人さんには頑張ってもらいたい。


「佐藤さん、指定のあったところまで耕し終わったぜ」

「随分と早かったですね。明日から土作りの予定でしたが、今日から始めてしまいますか?」


 私が収穫作業をしていたところ、そんな報告をしにやって来たのはドレイクさん。

 今回、移住してきた龍族のリーダーを務めてもらっている方で、渋くてかっこいい龍人族の男性。


 今回の移住者は全員龍人族であり、アシュロスさんと同じ種族の方。

 そもそもヤトさんのような純粋な龍族は少ないみたいで、クリカラさん、ティアさん、ヤトさんの他に、クリカラさんの親戚に当たる2名しか、ベテルギウス山に龍族は住んでいないそう。


 そのため、エデルギウス山に住んでいるのは龍人族が大半で、龍人族が龍族を支えている構図みたい。

 そんな面白い話を、私はこのドレイクさんから聞いた。


「やってもいいならやらせて欲しい。佐藤さんの都合もあるだろうし、判断は任せるけどな」

「私の方は大丈夫ですので、今日から始めてしまいましょうか」

「おう! よろしく頼む。それじゃ俺は先に戻って、準備を済ませておくように伝えてくる」


 ドレイクさんは私にそう告げると、走って集落へと行ってしまった。

 ここから集落まではかなり離れているんだけど、ドレイクさんは5分ほどで着いてしまうみたい。

 改めて龍人族の身体能力に驚かされながら、私は収穫作業を切り上げ、アッシュの馬車で龍人族の集落に向かうことにした。


 アッシュのお陰もあり、すぐに着いたはずなんだけど、龍人族の方達はみんな準備万端の様子で私を待ち構えていた。

 その目はキラキラとしていており、これから始まる本格的な農業にワクワクしているのが、言葉を聞かずとも分かる。


「佐藤さん、よろしくお願いする」

「「「お願いします」」」

「こちらこそよろしくお願いします。ということで、早速ですが……土作りを教えていきますね」


 事前に用意していた腐葉土のところまで、龍人族の方達を案内する。

 この腐葉土を混ぜ込み、ふかふかの土にすることで、作物が育ちやすくなる土を作ることができる。


「ん? 佐藤さん、この黒い土はなんなんだ?」

「この土は腐葉土といって、落ち葉と糠を混ぜ合わせて発酵させたものです」

「糠……? 発酵……?」


 ピンと来ていないようで、子供のように小首を傾げているドレイクさん。

 発酵させる作業があるため、今回は私の方で作らせてもらったが、この後は実際に腐葉土作りもやってもらう予定。


 言葉にすると難しいけど、実際にはそう難しい作業ではないからね。

 説明するよりも、実際にやってもらった方が分かると思う。


「この腐葉土作りは後で丁寧に教えます。ということで、今はあまり考えずにこの黒い土を耕した畑に混ぜ込んでください」

「土と土を混ぜ合わせるのか。俺たちにはその発想自体がなかったわ」

「普通の土だけでは栄養が不足しているので、栄養の高い土を加えてあげるって感じですね」

「ほー、分かりやすいな。流石はヤト様に認められている方なだけある」


 軽く納得してもらったところで、早速土作りを始めてもらった。

 土を運んで混ぜ合わせる。


 力のいる仕事なんだけど、龍人族の方達は軽々とこなしていっており、その姿に惚れ惚れしてしまう。

 パワーは汎用性の高い便利な能力だと感じる。


「とりあえず、この1区画に混ぜてみたんだが……これで大丈夫なのか?」

「はい、バッチリです。これが農業に適した土ですね」

「触ってみただけで分かるが、普通に耕しただけの土より何倍も育ちそうな気がする。俺も作物ならば、この土で育ちたいからな」

「独特な表現ですね。とりあえずこのような感じで、今回耕してもらったところを栄養素の高くふかふかな土に変えていってください」

「分かった。佐藤さん、確かに丁寧に教えてくれてありがとう」

「いえいえ。美味しい作物を育てましょうね」


 今回の土作りのレクチャーに関してはこんなものだろう。

 ゴブリン部隊相手だと、付き添わなくてはいけないけど、ドレイクさん達なら後は自分達でやってくれるはず。


 後は腐葉土の作り方だけを教えてから、シーラさんにバトンタッチ。

 龍人族に農業を教えるため、シーラさんは毎日勉強していたため、きっと私以上に分かりやすく、ドレイクさん達に農業を教えてくれるはずだ。




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