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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第4章

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第163話 覚悟


 料理を振る舞った翌日に、ミラグロスさんと、ヤトさん、アシュロスさんは帰っていった。

 特にミラグロスさんは私の作った料理に感動してくれ、数えきれないほどの感謝の言葉を残してから去っていった。


 知らなかったというのもあるけど、魔族だからといって助けないという選択を取らなくて良かったと思うし、今後も困っている人がいたら積極的に助けていく意志が固まった。

 ここは巻き込まれた異世界人が仕切っているだけでなく、多種多様な魔物が暮らしているだけでなく、龍族だって遊びに来るのだから、今さら魔族だからって偏見の目で見ることはない。


 ここにいる現地人だって、言ってしまえば変わった方が多い。

 差別のない場所を作りたいし、本当に悪人以外は受け入れる。

 私は今回の一件でそう心に誓った。


 そんな大層な決意をしても、基本的にここは平和で穏やか。

 誰でも受け入れると身構えて生活していたけど、誰かが訪ねてくることもないまま1週間が経った。


 1週間で来訪者ゼロという事実に少し拍子抜けしつつも、この平穏さがこの場所のいいところ。

 それに今朝、小さな蝙蝠のような魔物が、1枚の手紙を持って飛んできたのだ。


 手紙にはミラグロスと書かれており、ミラグロスさんが無事だったという事実だけで、私のテンションは一気に上がる。

 気になる手紙の内容は、もう何度目か分からないお礼の言葉と、無事に帰ることができたという報告。


 家族への報告はこれから行うようで、どういう決断になったとしても、私に一報してくれると書かれていた。

 何とか説得してほしいところだけど、例え敵同士になってしまっても、ミラグロスさんが友達である事実は変わらない。

 ただ……何が何でも家族を説得してほしいな。


「佐藤さん、少しよろしいですか?」


 私が手紙を何度も読み返しながら、魔王の領土に帰ったミラグロスさんに念を送っていたところ、少し慌てた様子のシーラさんがやってきた。

 私は念を送るポーズを止めて、シーラさんの方に向き直る。


「大丈夫ですよ。何かありましたか?」

「先ほどヤトさんがやってきまして、龍族の方を連れてきたんです」

「龍族の方? 私達が知らない方ですか?」

「はい。何やらお願いがあるみたいで……とりあえず来てもらえますか?」

「もちろんです。すぐに行きます」


 一体何の用件だろうか。

 見当もつかないため、ヤトさんから直接聞くしかない。


 私はシーラさんの後を追い、急いでヤトさんの下に向かった。

 外に出た瞬間、目の前には異様な光景が広がっていた。


 その異様な光景とは、数十人単位の龍人族の方々の姿。

 てっきり数人だと思っていたけど、まさかこんなに引き連れているとは思っていなかったな。


「あっ、佐藤! こっちに来るじゃ!」

「ヤトさん、先週はありがとうございました。それで……これだけの大人数を引き連れて、一体どうしたんですか?」

「実はなんじゃが、ここにいる龍人族をここの村で引き受けてほしいのじゃ!」

「えっ!? この大人数の方が移住したいということでしょうか?」

「そうじゃ! ちなみに言っておくが、無理やり連れてきた訳じゃないぞ! ちゃんと志願した者だけを連れてきたのじゃ!」


 誰でも受け入れると身構えていたけど、まさか一気に数十人単位の移住希望者がやってくるとは思ってもいなかった。

 それに龍人族の方々が、わざわざここに移住したい理由がさっぱり分からない。


「もちろんどなたでも受け入れますが、何か理由とかってあるんですか? いきなりこんな大人数が移住したいなんて、ちょっと理由が想像つかないです」

「アシュロス、わらわの代わりに説明してくれ!」

「分かりました。理由は3つありまして、1つ目は単純にここでの生活に憧れがあるようなのです。お嬢様が色々と吹聴しておりまして、その話を聞いて憧れてしまった者達ということですね」


 なるほど。

 ヤトさんならあることないこと言いそうだし、その話を聞いて憧れを抱いてしまったということか。


「そういうことでしたか。ヤトさんが自慢している様子が目に浮かびます」

「はい、そういうことですね。2つ目は魔族との話を聞いて、お嬢様がここの戦力を増やしたいと考えたのです。その方法を考えた結果、龍族の者を移住させるのが手っ取り早いという結論に至りました」

「ミラグロスさんの話を聞いて、ヤトさんなりに心配してくれたんですか。ヤトさん、ありがとうございます」

「友達は助けるのが当たり前なのじゃ! それに全員移住希望者だから、来たくて来ているってだけじゃからな!」

「だとしても、私は凄く嬉しいです」

「ぬふふ。佐藤が嬉しいならわらわも嬉しいのじゃ!」


 例えそうだとしても、心配してくれたのは嬉しい。

 私はニヤニヤするのを抑えられない。


「いちゃつくのは話を聞いてからにしてください。それで3つ目なのですが……ここの農業の技術を学びたいのです。見たところ、佐藤さんが担当している畑以外は普通の土ですよね?」

「はい。私が担当している畑はスキルの畑ですが、他は少し工夫を施していますが、普通の土ですね」

「やはりそうですよね。エデルギウス山付近の土とあまり遜色ないように見えたので、技術があればエデルギウス山付近でも畑を作れるのではないかと思ったのです」


 なるほど。

 山岳地帯だからここと同じようにできるかは少し怪しいけど、ちゃんとやれば農業を行えると思う。


 農業の本は買い漁ったし、知識を共有することで龍族も潤うのであれば私も嬉しい。

 ただ、エデルギウス山付近で農業を行うことができるようになったことで、ヤトさんとアシュロスさんが遊びに来なくなってしまわないかは少し心配だ。



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