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第156話 古兵装備


 陳列されている商品を見ながら、店の奥に消えていった店主さんを待っていると、商品を抱えながら走って戻ってきた。


「お待たせ致しました! こちらがオススメの商品となります!」

「黒いローブがオススメの商品ですか?」

「はい! 魔力を消費し続けないといけないのですが、魔力を消費している間は魔法を跳ね返すローブになります」

「え? それって古兵装備ふるつわものそうびじゃないですか?」

「よくご存知ですね! ええ、そうです。古兵装備の1つでして、私のおじいちゃんが仕入れたものなんですよ!」


 何だか2人の間で知らない単語が飛び交っている。

 有名なローブなんだろうか。


「その古兵装備っていうのは、凄い装備なんですか?」

「ええ、かなり有名な装備です。伝説の装備――とまではいきませんが、コレクターもいるくらい貴重な装備ですね」

「そうみたいです! 私はあまり興味がありませんので、こうやって店の奥にしまってあったんです」

「その装備を売ってしまっていいんですか? それに、目が飛び出るくらい高値なんじゃ……」


 コレクターがいるということは、きっととんでもない高値で取引されているアイテムのはず。

 『古』という文字がついているし、効果以外の価値もついていそうだしね。


「おじいちゃんが仕入れたってだけで、特に形見というわけでもありませんし、大事に使ってくれそうなお二人にならお売りしますよ。値段は張ってしまいますが……白金貨5枚でいかがでしょうか?」


 白金貨5枚はどうなのだろうか。

 普通に考えたら、ローブ1つが白金貨5枚は高すぎる気がするけど、コレクターもついているくらいの装備品だからなぁ。


「……佐藤さん。本物であれば、絶対に買うべきです」

「そんなになんですか?」

「はい。普通なら手に入らない逸品ですし、効果も素晴らしいので買わない手はありません」


 シーラさんの目は本気であり、これは買わないという選択肢は選べない。

 所持金の半分近くを使ってしまうけど、ここはシーラさんの言葉を信じて購入しよう。


「売ってくださるのであれば、購入させてもらってもよろしいでしょうか?」

「えっ? 即決でいいのですか? 値段も値段ですし、取置もいたしますよ?」

「取置……いえ、今ここで購入させて頂きます」

「ありがとうございます! お気に召してくれたみたいですし、紹介して良かったです」


 一瞬、取置きをしてもらうことも頭をよぎったんだけど、シーラさんが私の服の裾を引っ張ってきたことで購入を決めた。

 判断力に定評のあるシーラさんだけど、ここまで押しの強いシーラさんは見たことがないし、購入して間違いないはず。


「それからアシストサポート付きの杖も1本買おうと思っていたのですが、お値段はいくらになりますか?」

「お値段は1本金貨7枚なのですが、杖も買って頂けるのですか!?」

「熟練の魔法使いにも効果はありますよね?」

「もちろんです。アシストサポートが使いやすいかどうかは個人によりますが、熟練の方にもしっかりと効果はありますよ」

「そうなんですね。それでは購入させていただいてもよろしいでしょうか」

「ありがとうございます! すぐにお持ち致します」


 店主さんはスキップで杖が陳列されていた商品棚に向かうと、一本手に取って戻ってきた。

 白金貨5枚と聞いてしまったから、感覚がバグってしまっている説があるけど、金貨7枚はかなりお買い得だと思ってしまう。


「お待たせしました。ローブと杖で白金貨5枚と金貨7枚になります!」

「あっ、ちょっと待ってもらっていいですか? 回復魔法の魔法玉も購入させてもらいたいので、おすすめのものがあれば売ってください」

「えっ!? まだ買って頂けるのですか? ありがとうございます!」

「良いものなので買っているだけですし、お礼なんかしなくて大丈夫ですよ」

「それでも本当にありがたいので! 回復系の魔法玉となりますと……前回購入頂いた【ヒール】のほかに、状態異常を回復させる【キュア】。あとは中位回復魔法の【ハイヒール】と自然治癒力を高める【リジェネ】の魔法玉があります」


 回復系に絞っても、これだけの魔法玉があるのか。

 魔法玉に魔法を込めているのは店主さんと言っていたし、本当に色々な魔法が使えるみたいだな。


「とりあえず……それぞれ1個ずつください。【ヒール】と【ハイヒール】の魔法玉は3個ずつお願いします」

「と言いますと、【ヒール】と【ハイヒール】の魔法玉が3個ずつ。【キュア】と【リジェネ】が1個でお間違いないでしょうか?」

「はい。それで間違いありません」

「ありがとうございます! 大量にお買い上げいただきましたので、【キュア】と【リジェネ】の魔法玉はおまけとさせて頂きます。ですので、【ヒール】と【ハイヒール】分の魔法玉――白金貨1枚と金貨8枚のお値段を追加で、合計はえーっと……」

「白金貨7枚と金貨5枚ですね」

「わー! 計算が早いですね! それでは白金貨7枚と金貨5枚頂きます!」


 私はお金の入った麻袋から、白金貨7枚と金貨5枚を手渡す。

 魔法玉をおまけしてもらったけど、かなりのお金を使ってしまったな。


「はい、ちょうどですね! 今回も大量にご購入頂き、本当にありがとうございます」

「いえいえ。こちらこそおまけしてもらい、本当にありがとうございます」

「本当はおまけが少ないぐらいなんですけどね! ……と、申し遅れましたが、私の名前はシャノンと言います。今後はシャノンとお呼びください!」

「シャノンさんですね。私は佐藤で――」

「私はシーラと申します」

「佐藤さんとシーラさんですね。……なんだか珍しいお名前ですね」

「私は異世界から来たので、こちらの世界の名前じゃないんです」

「そうだったのですか!? 道理で、顔立ちも少し珍しいなと思っていました!」


 こちらの世界の人は西洋顔で、私は完全に東洋顔だからね。

 この世界の人は変な差別意識とかもないみたいだから、気軽に名乗ることができて良い。


 それからシャノンさんと少し話してから、私達は『マジックキャビネット』を後にした。

 本当はもう少しランゾーレの街を満喫する予定だったんだけど、『マジックキャビネット』で予定していた以上にお金を使ってしまったため、すぐに帰宅することにした。

 予定よりは短い滞在時間だったけど、良いものを買うことができたし、気分もリフレッシュできたから良い休日になったと思う。



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