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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第3章

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第143話 久しぶりの別荘


 久しぶりの別荘。

 去年もそうだったけど、この帰ってきたときの景色が気分を盛り上げさせてくれる。


「久しぶりの別荘ですね! 去年もそうでしたが何だかテンションが上がってしまいます」

「私も同じです。 ダンジョンも楽しかったですが、やはり農業は別ですよね」


 シーラさんの発言に同意しつつ、久しぶりの別荘に自然とテンションがあがってしまう。

 それから私達の馬車が来たのに気づいてか、シッドさん達が出迎えてくれていた。


 普段は空を飛んでいるクロウや、走り回っているアッシュなんかもおり、久しぶりの面々に心が沸き立ってくる。

 パッと見る限りでも、新しい建物なんかがたっているため、冬季期間でも仕事をしてくれていたのが聞かずとも分かるのがワクワクする。


「佐藤さん、ようやく帰ってきたな。本気で待ちくたびれたぜ」

「事前にお伝えしていた通り、冬季期間はダンジョンに潜っていましたので、戻ってくるのが遅れてしまいました」

「それは知っていたけど、それにしても長く感じたってことな。何より、全員が無事なようで安心した」


 シッドさん達が心配してくれていたのは、声を掛けてくれる前から伝わっており、そのことに対しても温かい気持ちになる。


「心配してくださり、ありがとうございます。私もシッドさんの顔が見られてホッとしてます」

「本当かよ。あんまり嬉しそうには見れないけどな」

「そんなことありません。シッドさんだけでなく、クロウやアッシュだっている訳ですしね。何なら、別荘に戻ってくる一週間ほど前から待ち遠しくて仕方なかったですよ」

「そうなのか? それなら良かったが」


 そう言うシッドさんの表情は照れているようであり、シッドさんも私達を心待ちにしてくれていたのが伝わってくる。

 そんな分かりやすいシッドさんの表情の変化にほんわかしつつ、私達は別荘の中に入った。


「ふぅー。もう実家のような安心感がありますね」

「2ヶ月ぶりだと余計にそう感じますよね。自分の持ち家ではなく、あくまでも王様の別荘なのですか実家よりも安心するかもしれません」

「それは私もですね。また農業を続けることができるという安心感で満たされています」


 別荘の中に入り、私とシーラさんはだらーとしながら別荘の良さを語り合った。

 ヘレナなんかはまだピンときていない様子だったけど、来年辺りにはきっと同じようになっているはず。


「安心感が凄まじいですし、このままだらだらと過ごしたいところですが……やはりシーラさんも私の世界の料理を食べたいですよね」

「それはもちろんです! カップ麺という商品も悪くはありませんでしたが、やはり佐藤さんの作る料理が一番ですから!」

「マスター、私も食べたいです! それに、ジョエルさんやブリタニーさんも欲していると思いますよ」

「そういうことなら、早速腕を振るうとしましょうか。もう少しだけお待ちくださいね」


 ということで、私は恒例の日本の料理を作ることとなった。

 ダンジョン街に行っていた面々はまだしも、この別荘に残っていた方々はカップ麺すらも食べることができていないからね。


 両方に労いの意味もかねて、私は日本の料理を作ることにした。

 ただ、近日中にクリスマスパーティーもひかえているため、簡単で安いものにまとめるつもり。


 色々と考えた結果、唐揚げにすることにした私は早速準備にとりかかる。

 お肉の下処理に関してはシーラさんに手伝ってもらいつつ、どんどんと唐揚げを揚げていく。


 その間にご飯も炊き上がったし、これで唐揚げパーティーを行うことができる。

 調理の終わったシーラさんに、各々の家に戻っていったルーアさん達を呼んでもらってから、揚がった唐揚げをみんなで食べることにした。


「久しぶりの佐藤さんの料理……。お腹が鳴りやまずに凄いことになっています!」

「僕も同じです! とにかくこの料理の匂いの爆発力にやられそうです!」

「どうせならヤトとも一緒に食べたかったけどね。ヤトとアシュロスは直行で帰っちまったから食べられないの可哀想だね」


 ブリタニーさんの言う通り、この場にいないヤトさんとアシュロスさんを思うと少し可哀想ではあるけど……。

 あの2人は近日開催されるクリスマスパーティーで、もてなせばいい。

 今回は特に考えず、私達だけが楽しめればいいと思っている。


「近日中にクリスマスパーティーを開く予定ですので、2人にはそこで楽しんでもらう予定です。確かにかわいそうな部分もありますが、私たちは気にせずに食べましょう」

「クリスマスパーティー!? 凄く楽しそうな響きです!」

「去年もやりましたが、とても楽しかったですね。……と、クリスマスパーティーのお話もいいですが、もう食べたくて仕方ないです!」

「確かにそうですね。その辺りのお話はご飯を食べながら話すとして、唐揚げを食べるとしましょうか」


 ということで、食前の挨拶を済ませてから、私たちは唐揚げに飛びつくように食べ始めた。

 揚げたてでジューシー。インスタントではない久しぶりの日本の料理ということもあって、本気で感動するぐらい美味しかった。


 カップ麺も本当に美味しいと思っていたけど、やっぱりちゃんとしたご飯は体に染みる。

 私は心の底からそう感じながら、久しぶりの唐揚げを堪能したのだった。



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