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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第3章

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第129話 ご両親


 ベルベットさんから珍味ハンターの話を聞いてから、私はすぐにルーアさん達にその話を伝えた。

 魔物を食べると聞いて変な表情はしていたものの、日本のご飯で食についての探究心が芽生えていたお陰もあって引き受けてくれた。


 あとは実際に珍味ハンターの方に会い、更に詳しい話を聞くことができれば、私達も美味しい魔物を探せるようになるはず。

 次にベルベットさんが訪れるのを楽しみにしつつ、いつも通りの日常を送っていると……久しぶりにヤトさんとアシュロスさんがやってきた。


 もう少し早く来てくれれば、ベルベットさんを紹介できたんだけど、入れ違いのようになってしまって少し残念。

 王女様とドラゴンのお嬢様なら、話が合うと思っていたからなぁ。


「佐藤、久しぶりなのじゃ!」

「ヤトさん、お久しぶりです。夏ぶり以来ですね。もう少し頻繁に遊びに来ると思っていたので寂しかったです」

「わらわも寂しかった! わらわ達が戻ってから、すぐに父上と母上が戻ってきてしまって、説得するのに時間がかかってしまったのじゃ」

「ということは、今回はヤトさんのご両親の許可を得てから、ここに来たんですか?」

「うぬ。アシュロスも説得してくれたからの!」

「私自身も遊びに来たかったので、猛プッシュさせて頂きました」


 前と変わらず、無表情ながらも嬉しいことを言ってくれるアシュロスさん。

 ご両親の許可を得ているということなら、こちらも何の憂いもなく受け入れることができる。


「それなら良かったです。ヤトさんのご両親が一番怖かったので」

「ですが……旦那様もこちらに挨拶に来ることを許可する条件として出されました」

「…………え? ということは、ヤトさんのお父さんがここに来るのですか?」

「うぬ! 母上も来ると言っておったぞ!」


 私はニコニコしながら話を聞いていたのだが、その情報を聞いて表情が凍りついてしまった。

 ヤトさんがドラゴンということは、ヤトさんの両親もドラゴンであることは間違いない。


 ヤトさんですら、夜刀神という有名なドラゴンな訳だし……ヤトさんのご両親はもっと有名なドラゴンのはず。

 こんな田舎の地でもてなすことができるのか、一気に不安になってきた。


「そ、それは大丈夫なんですか? こんな田舎では、もてなすことなんてできないですよ!?」

「大丈夫なのじゃ! 異世界料理を食わせれば、わらわの親はきっと喜ぶ!」

「私もお嬢様と同意見です。そう緊張なさなくて大丈夫です」

「そうは言われてもですね……。ヤトさんのご両親は有名なドラゴンなんですよね?」

「はい。この世界の者ならば、知らぬ者はいないと思います。旦那様のお名前は倶利伽羅不動。世間一般的には倶利伽羅龍王として知られております」


 名前からして、何だか凄くおどろおどろしい。

 ただ、ヤトさんの夜刀神という名前も、ヤトさんのお父さんの倶利伽羅という名前も聞いたことがある。

 日本にも伝わる神話に登場する名前だったと思うけど……何か関係があるのだろうか。


「そして、母上はティアじゃ!」

「てぃ、ティアですか? ヤトさんやヤトさんのお父さんと比べて、随分と一般的な名前ですね」

「母上は普通な感じじゃからな! きっと佐藤とも話が合うぞ!」


 それを聞いて少しだけ安心した。

 ヤトさんのお母さんは、アシュロスさんのような龍人なのかもしれない。


「その情報は安心しますね。ちなみにですが、そんなヤトさんのご両親はいつここに来るのですか?」

「明日じゃ!」

「明日!? いくらなんでも急すぎませんか?」

「申し訳ございません。旦那様も性格はお嬢様に似ており、一度聞いたら曲げないタイプなのです」


 なるほど……。曲げないタイプでせっかちって感じなのか。

 まぁ時間があっても、準備できるのは心の準備だけだし、すぐに来てくれた方が逆にいいかもしれない。


「分かりました。もてなせるように、料理は作りますね」

「佐藤さん、本当にありがとうございます」

「いえいえ。私とヤトさん、それからアシュロスさんは友達ですので」

「わ、私も友達なのですか?」

「当たり前です。ヤトさんの付き人かもしれませんが、私にとっては何も変わらない友達です」

「……あ、ありがとうございます」


 そう言いながら俯いたアシュロスさんの表情は破顔しており、初めて見た無表情以外の表情に驚いたけど……。

 社畜時代に身につけたスルースキルで、私は見なかったフリをする。


「うぬ! 佐藤はわらわの親友じゃ! ということで、頼みごとがあれば何でもやるからの!」

「それでは、今日も畑仕事を手伝って貰っていいでしょうか?」

「もちろんなのじゃ! アシュロスもやるぞ!」

「もちろんやらせて頂きます。佐藤さん、よろしくお願いします」


 顔を上げた時には無表情に戻ってしまっていたのが少し残念だけど、アシュロスさんも喜んでくれたことが分かって非常に嬉しい。

 倶利伽羅龍王さんがどんな凄まじいドラゴンであったとしても、友達であるヤトさんとアシュロスさんのためなら全力でもてなしてみせる。

 そう心に決めてから、私は2人も交えて農作業を行ったのだった。



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