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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第3章

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第128話 珍味扱い


「その珍味ハンターという方にも是非会ってみたいですね。異世界から来ているということもあって、私は魔物食に一切の抵抗がありませんので」

「やっぱりそうなのね。私はクイーンニードルの蜜以外はあまり好みではなかったけど、佐藤ならもっと面白い食材を見出してくれるかも。今度、機会があれば連れてくるわ」


 もし面白い話が聞けるようならば、ルーアさん達に相談して、美味しい魔物を狩ってきてもらうのもいいかもしれない。

 せっかく腕利きで交友のある冒険者が近くに住んでいるのだから、依頼しない手はないからね。


「よろしくお願いします。それと、その蜜を使って少し料理を作りたいのですがいいですか?」

「もちろん! そのために持ってきた節もあるからね」

「ありがとうございます。それじゃサクッと作ってきますね」


 ということで、クイーンニードルの蜜を受け取った私は、台所へ向かいデザートを作ることにした。

 蜜を使った料理は色々あるけど、やっぱり一番美味しさが分かるのはホットケーキだろう。


 今まではこの世界の蜂蜜で食べていたこともあり、その美味しさの違いがより如実に表れると思う。

 クイーンニードルの蜜は、日本で売られている蜂蜜よりも美味しく感じたからね。


 早速、ホットケーキミックスを購入し、フライバンを使って焼いていく。

 この粉さえあれば、牛乳と卵だけで簡単に作れるのが非常に大きい。


 本当はバニラアイスも乗っけたいところだけど、今回は蜜の美味しさを確かめるため、シンプルにバターと蜜だけで頂く。

 後で知ったら悲しむのが目に見えていることから、娯楽部屋で遊んでいるシーラさんとヘレナの分も焼き、リビングへと持っていった。


「お待たせ致しました。ホットケーキになります」

「初めて食べる料理ね。パンみたいなものかしら?」

「そうですね。甘くてふわふわなパンだと思って頂ければ、しっくりくると思います」


 ベルベットさんにも振舞ったことがあると思ったけど、まだシーラさんにしか出していなかったみたい。

 初めてのホットケーキに加え、クイーンニードルの蜜も合わさったら気に入ること間違いなしのはず。


「なにその聞いただけで美味しそうな料理! 早速食べさせてもらうわね。――美味しいっ! 一口入れた瞬間から甘味と旨味が凄いわっ!」

「マッチしているみたいですね。私も頂きます」


 クイーンニードルの蜜が染み込んでいるホットケーキを口の中に入れる。

 ――確かに美味しい!


 単体でも美味しかったけど、ホットケーキと合わさると何倍にも美味しく感じる。

 バターが良い相乗効果を生み出しており、香りと甘味の強いクイーンニードルの蜜の美味しさを最大限まで引き出している。


 ホットケーキは言わずもがなの最高の下地であり、食べる手が止まらない。

 この世界に来てから作ったデザート系の中で、圧倒的に一番美味しいデザート。


「……はぁー、美味しかった! あっという間に食べてしまったわ」

「私もすぐに食べきってしまいました。これは最高に美味しい食べ物が完成してしまいましたね」

「ねぇ、この二枚も食べて――」


 シーラさんとヘレナのために用意したホットケーキに目をつけ、ベルベットさんがそう言いかけたのだけど、私の背後を見て言葉を途中で止めた。

 私も振り返ると、ドアの外からこちらをジーッと見ているシーラさんとヘレナの姿があった。


「……私達に隠れてデザートを食べていたんですか? 佐藤さん、ベルベット様、ズルいです! ひどいです!」

「マスター! 抜け駆けは駄目です」


 怒っているようで、悲しんでいる2人がそう言いながら乗り込んできた。

 ベルベットさんは2人のホットケーキを狙っていたようだけど、私はしっかりと2人の分も用意していたから完全な誤解。


「誤解です! 2人の分もちゃんと用意してありますよ。今から呼びに行こうと思っていたところでした」

「……本当なのですか?」

「はい、本当です。座って食べてみてください。ベルベットさんが美味しい蜜を持ってきてくださったので、今まで以上に美味しいホットケーキに仕上がっています」

「……佐藤さん、疑ってしまってすみません。頂かせて頂きます!」

「私も申し訳ありませんでした! 頂きます!」


 先ほどまでの悲しい表情はどこへやら、シーラさんもヘレナも満面の笑みで席に着くと、用意してあったホットケーキを食べ始めた。


「――美味しいっ! 何ですか! 今回のホットケーキは! 今までのものよりも数段美味しいですよ!?」

「本当に美味しいですね! マスターのお料理はどれも美味しいですが、一番美味しいかもしれません」

「ベルベットさんの持ってきてくれた蜜のお陰ですね。取りませんのでゆっくり食べてください」


 一触即発の雰囲気だったけど、ホットケーキの美味しさで和やかなムードになっている。

 全員が美味しいと感じた通り、不味い食材しかないと思っていたけど、魔物には無限の可能性があるかもしれない。

 農業と並行して、魔物の美味しい食材も探すことを決意しつつ……私は賑やかな夜を満喫したのだった。



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一日一話投稿のモチベーションとなりますので、この小説を読んで少しでも「続きが気になる」「面白い」と少しでも感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです <(_ _)>ペコ


つまらないと思った方も、☆一つでいいので評価頂けると作者としては参考になりますので、是非ご協力お願いいたします!


お手数だと思いますが、ご協力頂けたら本当にありがたい限りです <(_ _)>ペコ

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