第124話 ゴブリン部隊
ヘレナに60000NPを使ったため、現在の所持NPは約25000。
それなりの魔物だと1体が限度の額だけど、安い魔物ならば大量に購入することができる。
私が目をつけているのは、最初に購入しようか悩んでいたゴブリン。
見た目重視でスライムを購入したのだが、今ならゴブリン部隊を作ってもいいのではないかと考えている。
同名の魔物だと、2体目の購入で高くなってしまうんだけど、ゴブリンやスライムは派生の魔物が多くいるのが大きい。
スライム部隊も考えはしたんだけど、スライムの場合は農作業を行えないため、今回はゴブリン部隊を第一候補にした。
1つ懸念点を挙げるとしたら、働けずにタダ飯食らいにならないかの心配。
500NPということを考えると、その可能性も非常に高いけど……同額のライムがしっかりとしているし、私は期待の方が大きい。
とりあえず500NPなら、例えタダ飯食らいだったとしても購入して問題ないだろう。
そんな考えから、私はゴブリンをポチった。
いつもの場所に眩い光が現れ、ゴブリンが召喚された。
身長は1メートルほどで、全身が緑色の体。
痩せているけどお腹だけはぽっこりしており、目つきはかなり鋭い。
アニメや漫画なんかで見る、Theゴブリンといった見た目。
「ゴブリン、はじめまして。言葉は分かりますか?」
「……うがァ?」
私は召喚されたゴブリンに話しかけたのだが、どうやら言葉が通じていないようで、首を傾げるのみ。
これまでの従魔同様に敵意はないようだけど、意思疎通が取れない。
「言葉は通じない……と。ただ、敵意はなさそうですし、これはやり方次第で何とかできそうではありますね」
同じ魔物同士なら会話が可能なのではという仮説から、ヘレナとマッシュに通訳をお願いしたのだが、どちらもゴブリンとは会話ができないよう。
私が頭を悩ませていたところ、様子を見ていたシーラさんがアドバイスをしてくれた。
「ゴブリンの上位種であれば、どちらとも会話ができるのではないでしょうか?」
「……なるほど。その可能性は高そうですね」
ゴブリン達への指示役を立てれば、上手くいきそうな気がする。
元々ゴブリン部隊にする予定だったし、指揮官の購入はあり。
ということで、私は15000NPを使ってゴブリンコマンダーを購入することにした。
ゴブリン種の中では高額であり、ゴブリンジェネラルと同額だったため、どちらを購入するか迷ったけど……。
働いてもらうという点なら、コマンダーの方が適任なはず。
ちなみに戦闘部隊を作るとなっていたら、ゴブリンジェネラルの方を購入していた。
「あっ、召喚されましたね。通常種のゴブリンよりも少し大きいでしょうか?」
「若干大きいかもしれません。それに、賢そうな服と帽子を被っていますね」
軍帽に軍服のような服装のゴブリンが現れた。
ただ、身長が120センチほどと少し大きいだけで、服を脱いだら通常種ゴブリンとほぼ変わらない。
……いや、若干目つきが柔らかいかもしれない。
「はじめまして。ゴブリンコマンダーは私の言葉が分かりますか?」
「うがっ!」
私の問いかけに対し、ただただ困っていたゴブリンとは違い、ゴブリンコマンダーはすぐに返事をした。
言葉は話せないようだけど、意思疎通はできるようで一安心。
「良かったです。ゴブリンコマンダーには、これからゴブリン達の通訳をお願いしたいのですが大丈夫ですな?」
「うがうが。うがっ!」
任せてくれと言わんばかりに、私に対して敬礼をしたゴブリンコマンダー。
同種であることから通常種ゴブリンとも会話を行えるようだし、これならゴブリン部隊を作ることができそうだ。
「ありがとうございます。これから名前をつけますね。簡単な感じになってしまいますが……ゴブリンコマンダーはシレイ。ゴブリンはヴィレジャーとします」
「うがっ!」
「……うがっ!」
シレイが通訳してくれたことで、ヴィレジャーも元気よく返事をしてくれた。
ちなみに名前の由来は、司令官と村人。
ゴブリンは職業に由来した名前が多いため、ここからはその下を名前にしていくと思う。
私はブラック企業に勤めていた時に鍛えられたため、個性のある名前にしても覚えられると思うけど、シーラさん達が覚えられない可能性大だからね。
服装で名前が分かるのが一番良いと判断した。
「シレイとヴィレジャーですね。よろしくお願い致します」
「もう少しだけ従魔にできそうですので、ゴブリンの数を増やしたいと思います。名前を覚えるのが大変だと思いますが、よろしくお願いします」
「まだ増やすのですね。間違えないように気を付けないといけませんね」
ということで、残りの約10000NPを使ってゴブリンをどんどんと購入していく。
上手く機能してくれればいいのだが、シレイの腕次第なところがあるため……多くは期待せずにしようと思う。
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