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第122話 ハイシルフ


「購入しました。恐らくですが、近くにハイシルフが召喚されたと思います」


 ということで、私達は一度外に出て、ハイシルフに挨拶することにした。

 外に出た瞬間、畑付近でキョロキョロとしている髪の長い女性がいるのが見えた。


 もしかしてだけど……あれがハイシルフ?

 人にしか見えないと思ってはいたけど、実際に見てみると本当に人にしか見えないぞ。


 綺麗な金髪で、スレンダーな美人な人。

 服装はシルクのドレスのようなものを身にまとっており、妖精のような綺麗な方といった印象


「あなが……ハイシルフでしょうか?」


 私は困り顔でキョロキョロとしていたハイシルフに声を掛けると、私を見つけた瞬間に笑顔になり、勢いよく抱きついてきた。

 想像もしていなかった行動だっただけに、体が硬直してしまう。


「あー! だ、駄目ですよ! 抱きついたら駄目です!」


 頭が真っ白になった私を助けるように、すぐにハイシルフを引き剥がしてくれたシーラさん。

 未だにハイシルフの胸部の柔らかい感触が残っており、ぼーっとしてしまうが……何とか平静を装う。


「シーラさん、ありがとうございます。それと……ハイシルフさん、はじめまして」


 魔物には基本的に呼び捨てだったんだけど、柔らかい感触も相まって人にしか思えず、敬称をつけて呼んでしまった。

 クロウやアッシュも体を擦り寄せてくれたわけだし、魔物としては当たり前の行動。

 そう自分に言い聞かせて、私は話を進めることにした。


「貴方が私のマスターですね!」

「ハイシルフさんは喋ることができるのですか?」

「はい、言語を習得しております。マスターがお優しい方で良かったです」


 再び笑みを見せてくれたんだけど、しっかりと会話ができるということも相まって、もう魔物として見ることができないかもしれない。


「なんというか……人にしか見えませんね。佐藤さん、名前は決めてありますか?」

「いえ、まだ決めていないです。考えますので、少しお待ちください」

「マスターが私に名前をつけてくれるのですか? 楽しみです!」


 本当は決めてあったけど、人にしか見えないこともあり安易に付けられなくなってしまった。

 パッと名前をつけたライムとかには不公平に思われるかもしれないけど、しっかりと考えてつけてあげよう。


「……決まりました。今日からヘレナと呼ばせて頂きます。よろしくお願い致します」

「ヘレナ……ヘレナ! 凄く響きの良い名前ですね。マスター、ありがとうございます」


 シルフは蝶に変化する――的なお話があったことを思い出し、綺麗な蝶の代表であるヘレナモルフォから取らせてもらった。

 名前も由来もしっかりしているし、響き的にも大丈夫なはずだ。


「ヘレナ、私はシーラと申します。よろしくお願い致します。……の前に、ヘレナには1つ忠告をしておきたいことがあります

「シーラさんですね。覚えました。それで、私に忠告というのは何でしょうか?」

「安易に佐藤さんに触れては駄目! ということです!」

「えっ!? なぜでしょうか? 佐藤様は私のマスターでありますし、いっぱい触れたいのですが……」

「佐藤さんは女性に弱いからです! 緊張させてしまうのはお体によくありませんので、何かあるときしか駄目です!」

「がーん……!」


 そう言われたヘレナは、絶望した表情を見せている。

 女性に弱いと酷い言われようだけど、実際にその通りなので何も言い返せない。


 さっきみたいに急に抱きつかれたりしたら、仕事に手がつかなくなる可能性まである。

 少し惜しい気持ちになりながらも、私は注意してくれたシーラさんに感謝する。


「ヘレナは見た目が綺麗な女性でしかありませんからね。風紀的にもそうして頂けるとありがたいです」

「……むぅ。マスターもそう言うであれば、我慢するように努力いたします」

「ありがとうございます。それでヘレナはどこで寝泊まりいたしますか? 部屋の一室をお貸しできますよ」

「マスターと同じ屋根の下……! ぜひ、お部屋を貸してください」

「……触ったら駄目ですからね!」


 ということで、ヘレナさんは一緒に別荘で暮らすことになった。

 見た目も喋っている感じも完全に人だし、一緒に生活を送るとなったら魔物としては見えなくなると思う。


 購入した人ということもあり、ヘレナは私に好意を持っていてくれているみたいだけど……手を出さないようにしっかりと理性を保たないといけない。

 シーラさんも目を光らせてくれているから大丈夫だとは思うけど、くれぐれも気をつけないといけないな。



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