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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第3章

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第118話 温泉


 この世界は基本的に水浴が基本。

 ここは王都からも離れた場所ということもあるけど、お湯は料理ぐらいでしか使うことができない。


 冬季は流石にシーラさんに頼んで沸かしてもらいはしたけど、それでもドラム缶を利用した原始的なお風呂。

 更に温度調節も難しく、すぐに温くなってしまう欠点があった。


 焼石なんかも試してみたけど、どれも失敗に終わっている。

 そんな中、温泉の情報が出たら色めき立ってしまうのもしょうがないと思ってほしい。


「佐藤さん、何やらずっと上の空でしたね。何か気になることがありましたか?」


 ルーアさん達が自分の家に帰った後、シーラさんがそんなことを尋ねてきた。

 3人には気付かれていなかったと思うけど、シーラさんには気付かれてしまっていたようだ。


「ええ。ルーアさん達が見つけたという、白い煙のお湯について気になっていたんです」

「変な臭いのするお湯……でしたよね? 不老不死になれるお湯――とかでしょうか?」

「いえいえ、そんな大層なものじゃないと思います。私の世界には温泉と呼ばれるものがありまして、それに酷似しているなと思ったんです」

「あー、頻りに仰っていた、お湯の張ったお風呂のことですか?」

「そうです。それのグレードの高いものって感じですね」

「なるほど。白い煙のお湯は『温泉』という、体を清める場所だったということですね」


 流石はシーラさん。

 話の理解が早くて非常に助かる。


「そういうことです。温泉に入りたくて、上の空になってしまっていました」

「佐藤さんは、お風呂にも入りたそうにしていましたもんね。ぜひ、その温泉に連れて行ってあげたいところですが……」

「はい。難しいですよね」


 そう。話にもあった通り、温泉のところまでは酷く険しい道となっている。

 馬車では向かえないとなると、私が行くのは絶望的に難しい。


「道が険しいだけならまだ可能性はありましたが、周辺の魔物が強いとのことでしたし、難しいですね」

「本当に残念です」


 こればかりは仕方がない。

 私が弱いのが原因のため、非があるとしたら私自身。


「佐藤さんのスキルで購入することはできないのですか?」

「難しいですね。何とかすればできるかもしれませんが、無理と言っていいと思います」


 近場で温泉を掘り出すか、ルーアさん達が見つけた温泉までの安全なルートを作るかのどちらかだろう。

 何度も話した通り、どちらも現実的ではないため、“今は”温泉を諦めるしかなさそうだ。


「佐藤さんのスキルでも無理となると、温泉は諦めるしかなさそうですね。確かお風呂に関しては、ロッゾさんとシッドさんが頑張ってくれているんですよね?」

「そうですね。私が軽く相談したら、作ってくれるというお話になっています。今は温度を自由に調節できる魔導具を、王都にいる知り合いに作ってもらっているらしく、その魔道具が完成次第お風呂を作ることができるみたいです」

「オーダーメイドの魔道具って凄いですね。いやらしい話ですが、費用ってどれくらいかかるんですか?」

「白金貨5枚と言っていましたね。意外にも火の魔石と氷の魔石だけで作れるみたいで、そこまで高くならないとロッゾさんは言っていました」


 火の魔石と氷の魔石で作れるということもあり、王都では割と普及しているようで、シャワーから出る水を温めるものなら割と簡単に手に入るとのこと。

 ただ、今回はお風呂用の大きな水温調節魔道具を用意するべく、ロッゾさんの知り合いの魔道具職人にオーダーメイドで作ってもらっている。


 私の我儘で動いてもらっているのは申し訳ないけど、お風呂はきっと気に入ると思うんだよなぁ。

 評判が良ければ銭湯的なものを作ってもいいと思うし、みんながお風呂に興味を持ってくれれば、私のように温泉に対して熱を持つ人が現れるはず。


「そうなんですね。その額なら安いと思ってしまいます」

「でも、私達はこの世界の通貨をあまり持っていないので、現状はシッドさんに立て替えてもらっている状態なんですよ」

「異世界のものを売れば、すぐに稼げると思いますけど……佐藤さんはあまりしたくないんですよね?」

「そうですね。あくまでも最初に立てた目標でもある、異世界のものを使った宿泊施設を作りたいというものもありますので、異世界のものの価値を下げたくないというのもあります」


 異世界のものを広めることで、大勢の人が来てくれるって可能性ももちろんあるけど、どうしてもデメリットの方が大きいと思ってしまう。

 それに、NPでしか買えない日本のもの>この世界の通貨だとも思っているため、単純に勿体ないという考えがある。


 立て替えてもらっているのは申し訳ないけど、畑で育てているトマト等の野菜はノーマンさんが買い取ってくれるとのことだし、白金貨5枚ならすぐに稼げると踏んでいる。

 日本のものを売るというのは最終手段としてとっておき、こちらの世界で賄えるものは賄う予定。


「異世界のものの宿泊施設は楽しみですね……! 今のところ宿泊施設が一番順調に進んでいるように見えますが、どうなんですかね?」

「個人的にはまだまだですね。娯楽部屋も完成度でいえば5%ぐらいですし、宿泊施設として営業するのは当分先だと思います」

「既に遊びきれないほどの娯楽があるのにまだ5%なんですか! 佐藤さんの理想が高いのか、異世界のポテンシャルが高すぎるのか……!」

「どちらもだと思います。せっかくお金を落としてもらうからには、最高の経験をしてもらいたいですからね」


 日本の料理にこだわりたいため、まずは大農場を作ることが先になると思う。

 大農場で大量のNPを獲得しつつ、日本の作物を育ててから――という順序。


 魔物の牧場はなんとなく一番最後になると思っている。

 牧場というからには、愛玩や畜産に特化した魔物を購入したいと思っているけど、そこにNPを割く余裕が今のところないからなぁ。


 牛乳のようなものを出す魔物や、美味しい卵を産む魔物なんかがいれば、購入してもいいとは思うけど……。

 その辺りの情報収集は、今のところベルベットさん頼り。

 ルーアさん達のパーティや蓮さん達も、積極的にこの世界の美味しいものについてを探求してくれるとのことだし、そちらの進捗に期待するしか今のところない。




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一日一話投稿のモチベーションとなりますので、この小説を読んで少しでも「続きが気になる」「面白い」と少しでも感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです <(_ _)>ペコ


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