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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第3章

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第112話 おもてなし


「……お腹が空いているんですか?」

「空いていな――空いておる! お腹が空きすぎて気絶してしまったのじゃ! これが聞けてお主は満足かー!?」


 がおーと威嚇するような顔をしているけど、今はドラゴンの姿ではないし可愛いという感想しかない。

 ドラゴンが、お腹が空きすぎて気絶はにわかに信じられないけど、照れ具合いからも嘘をついているようには見えないし本当だと思う。


「満足とかはないですが、とりあえずご飯をお作りしますね。それで、量はどれくらい食べますかね?」

「……わらわにご飯をくれるのか?」

「お腹が空いているのであれば、見過ごすことはできませんから。数十キロも食べるとなったら、お腹いっぱい食べさせてあげることは難しいかもしれませんが」

「意地悪な奴かと思ったけど、お主は優しいな! 今は人の体に化けているから、そんなに食べないぞ! ただ、お腹が空きすぎているから、二人前は食べてしまうかもしれないのじゃ!」

「分かりました。すぐにお作り致しますので、一緒に家まで来てください」

「うむ! 偉そうにしてすまなかったの。お主は人なのに良い奴じゃ!」


 ご飯を貰えると聞いてか、見るからにウキウキとなったヤトさん。

 この感情の変化とかを見ても、本当にただの女の子にしか見えない。


 別荘に向かう道中でヤトさんを助けたクロウが降りてきた。

 クロウも心配していたようで、ヤトさんのことを気にかけている。


「あっ、その魔物は私の従魔でして、クロウといいます。ヤトさんを見つけて、ここまで運んできてくれたんですよ」

「そうじゃったのか! 薄っすらとだけど覚えておるぞ! わらわを魔物から守ってくれたのじゃ!」

「そうだったのですか。クロウ、お手柄でしたね」

「うぬ! 本当に助かったのじゃ!」


 ヤトさんに撫でられて、ご機嫌な様子のクロウ。

 なんとなくだけどヤトさんのことを慕っているようだし、ヤトさんが種族として最上位にいるドラゴンということを分かっているのかもしれない。


 一頻りヤトさんとクロウが戯れているのを見てから、別荘の中に戻ってきた私は調理を始めることにした。

 作る料理は何でもいいと思うけど、せっかくなら日本の料理を振舞ってあげよう。

 ドラゴンといえば肉食ってイメージだけど、野菜とかも食べることができるのだろうか?


「ヤトさんは野菜を食べることはできるんでしょうか?」

「うむ! 好きではないけど食べられる! 決して好きではないけど、頂く以上は文句を言わないのじゃ!」

「分かりました」


 あれだけ好きではないと念を押してきたということは、食べたくないということだろう。

 ここの畑で採れた野菜を振舞ってあげたかったけど、好きではないということならやはり肉料理。


 安価で作れる美味しい肉料理といえば……生姜焼きかな。

 生姜のアクセントを気に入ってくれるか微妙だけど、最高に美味しい料理だし決定。


 早速、豚ロースを購入。

 塩と胡椒で下味をつけてから小麦粉をまぶし、焼いていく。


 焼き目がついたら、みりん、醤油、砂糖を適量入れて、すりおろした生姜を加えてタレと絡ませながら……最後に千切りにした生姜も混ぜ合わせて完成。

 生姜の風味の強い生姜焼きだけど、簡単に作れるし本当に美味しい一品。


「随分と美味しそうな匂いじゃな! 早く食べさせてほしいの!」

「完成しましたので、もう少し待っていてくださいね」

「佐藤さんの料理は本当に美味しいので、ヤトさんもビックリすると思いますよ! 私も食べるのが待ち遠しいです!」


 キラキラした目をしている2人の下に、作った生姜焼きとご飯を届ける。

 ご飯だけは炊く時間がなかったため、昨日の残りではあるけど、軽く火を通して温めたから問題ないはず。


「これは……なんという料理なのじゃ? わらわは見たこともないぞ!」

「私も見たことがありません! 初めての作ってくれた料理ですよね!?」

「ええ。生姜焼きという料理になります。少し癖があるかもしれませんが、美味しいと思ってくれると思いますよ」


 私は生姜を美味しく感じるけど、慣れていない人だと独特な味なのは確か。

 2人の反応を楽しみに、私は食べるところを見守る。


 ヤトさんが少し警戒している中、シーラさんは一切様子見もせずに生姜焼きとご飯を一緒に口の中に入れた。

 その瞬間の表情は幸せそのものといった様子で――様子を窺っていたヤトさんのお腹がぐぅーとなった。


「……はぁー。ほんっとうに美味しいです! やっぱり佐藤さんの料理は格別ですね!」

「わ、わらわも食べる!」


 シーラさんを真似るように、たどたどしく箸を使って生姜焼きを口の中に入れた。

 すぐに満面の笑みになったことから、ヤトさんの口に合ったことはすぐに分かった。


「お、美味しすぎるのじゃ! な、なんなのだ? この美味しすぎる料理は!」

「これが佐藤さんの料理なんです!」

「天才じゃ! 佐藤は凄いのじゃ!」

「慌てて食べなくても取りませんから」


 がっつくヤトさんを見ながら、ついつい私の頬が緩んでしまう。

 ドラゴンとのことらしいけど、表情豊かな可愛らしい女の子だからなぁ。


 2人の反応を一通り楽しんでから、私も生姜焼きを口に入れる。

 ――うん、抜群に美味しい。


 生姜の風味も抜群だし、タレともマッチしていて最高の仕上がり。

 お肉も固くなっていないし、ご飯の進む最高の料理。

 それから3人で生姜焼きを堪能し、満腹になるまでご飯を食べたのだった。




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