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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第3章

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第102話 魔道具屋


 ランゾーレの街は王都と比べ、街並みが非常に綺麗。

 王都も決して汚くはないんだけど、なんというか東京っぽい感じ。


 そして、ランゾーレの街は京都っぽさがある。

 和の要素は一切ないんだけど、個人的に良い表現ができたと思う。


「チラホラと魔法使いっぽい人がいますね。あれが魔術学校の学生さんなんでしょうか?」

「そうだと思いますよ。年齢も若そうですから」

「本当に魔法使いの街って感じですね。ちなみにシーラさんは魔術学校に行く予定とかはなかったんですか? 幼少期の頃に魔法を習っていたんですよね?」

「私は魔法の才能がありませんでしたからね。飛び抜けた才能があれば通っていた可能性もありますが……私自身が魔法よりも近接戦の方が好きだったので、どちらにせよ通ってなかったと思います」

「そうなんですか。私ならすぐに飛びついちゃいそうです」


 確かに模擬戦大会とかを見ても、シーラさんの近接戦の強さは抜きん出ていた。

 初級魔法しか使えないというのもあるだろうけど、模擬戦では一度も使わなかったところを見ても、本当に魔法が得意ではないことが分かる。


「佐藤さんは魔法がお好きですもんね。この際ですし、魔法を習ってみるというのはどうですか? ランゾーレの街なら、魔法を教えてくれる講師みたいな人がいると思います」

「やってみたいところですが、私に才能がないのは分かっていますのでやめておきます。……シーラさんも私の能力値を知っていますよね?」

「あっ……」


 シーラさんは小さく声を漏らすと、気まずそうに視線を逸らした。

 私の魔法力は脅威の1。


 特にこの間で魔法力を高めるトレーニングなどもしていないし、1から変化がないのは分かっている。

 魔法力が1ではどんな指導を受けようが、魔法を扱うことができないのは悲しいけど火を見るより明らか。


「そういうことです。私は扱いたくても扱えないんですよ」

「悲しすぎます! 私は佐藤さんに、何としてでも魔法を使わせてあげたいです」

「お気持ちだけ受け取っておきます。シーラさんやモージの魔法を見るだけで幸せですから」

「……駄目です! ここは仮にも魔法の街。きっと魔法を使える感覚になる道具があると思いますので、ちょっとお店巡りをしてみましょう」


 そう言うと、早足で歩き始めたシーラさん。

 何やら火をつけてしまったみたいだけど、そんな便利アイテムがあるのだろうか。


 ……あっ、ロッゾさんとシッドさんが前に話していた、魔道具なら可能なのかな?

 魔法を扱うことに関しては諦めているけど、魔道具店は確かに気になる。

 私は年甲斐もなくワクワクしながら、シーラさんと一緒にお店へと向かうことにした。


 着いたのは古い感じではあるけど、非常にお洒落なお店。

 そんなお店の看板には杖、魔道具を取り扱っていますという文字と共に、『マジックキャビネット』と店名が書かれていた。


「雰囲気のあるお店ですね。どんな人が店主さんなんでしょうか」

「年季が入っていますし、お爺さんとかじゃないですかね? 元魔術師とかでしたら嬉しいですね」


 そんな会話をしつつ、私達がお店の中に入ったのだが……レジに立っていたのはまさかの若い女性だった。

 見た目も魔術師っぽくなく、どちらかといえば日本にいそうな今時のファッションをした女性。


「いらっしゃいませ! 何かありましたらお気軽にお声掛けくださいね!」

「こんにちは。初めてきたのですが、少しお伺いしてもよろしいですか?」

「もちろんです! 何でも聞いてください!」

「ありがとうございます。実は魔法を扱える魔道具を探していまして、こちらで購入することはできますか?」

「もちろんありますよ! ちょっと待っててくださいね……!」


 元気よく接客してくれた店員さんは、棚をゴソゴソと探してから何やら一つの箱を取り出した。

 何の箱か分からないけど、扱い的にそんな高価なものには見えない。


「その箱に入っているのが魔法を扱える魔道具ですか?」

「いえ! こちらは魔道具ではなく魔法玉といって、魔法が閉じ込められている水晶になります! 魔道具とは違って一度しか使えない使い切りなのですが、安価なのでお試し用として優れているんです!」

「へー……魔法玉なんて初めて聞きましたね。そのアイテムは世間的に流通しているものですか?」


 店員さんの説明に引っかかったようで、シーラさんが店員さんにそう尋ねた。

 シーラさんが知らないということは、かなりマイナーなアイテムなのかもしれない。


「いえ、この魔法玉は私が作ったものです! 水晶に魔法を込められないかなと思って試してみたら、作ることができたんです!」

「店員さんが作ったものなんですか! ということは、このお店の店主さんなんですか?」

「はい! おじいちゃんから引き継いだお店ですが、今は私一人で切り盛りしています!」

「お若いのに凄いですね。魔法を込められるということは、店主さんは魔術師だったりしますか?」

「この街にある魔術学校を卒業しています。あまり大きな声では言えないのですが……私、主席で卒業しているんですよ」

「主席って凄いですね! 魔術師に興味があって、この街に来たので光栄です!」

「ふふふ、お兄さんは口がお上手ですね! 気分が良いので一つプレゼントします! ここで使える魔法を込めている魔法玉ですので、試しに使ってみてください!」

「流石に頂くのは申し訳ないですよ」

「遠慮しなくて大丈夫です! ほらほら、少し強く擦ってみてください!」


 押しきられるように魔法玉を手渡され、困った私はシーラさんに視線を送ったんだけど……。

 頷くだけだったため、お言葉に甘えて使ってみることにした。




※作者からのお願い


一日一話投稿のモチベーションとなりますので、この小説を読んで少しでも「続きが気になる」「面白い」と少しでも感じましたら、ブクマと↓の☆☆☆☆☆から評価頂けましたら幸いです <(_ _)>ペコ


つまらないと思った方も、☆一つでいいので評価頂けると作者としては参考になりますので、是非ご協力お願いいたします!


お手数だと思いますが、ご協力頂けたら本当にありがたい限りです <(_ _)>ペコ

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