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第101話 ランゾーレの街


 馬車を引けるのか不安視していたけど、アッシュは心配なんてなかったかのように楽々と馬車を引いてみせた。

 事前の情報通り、力が相当強いようで、大きな荷台をつけてもアッシュは苦なく動けている。


 更に特筆すべきはそのスピード。

 種族名にランナーとついているだけあって、足が本当に速い。


 馬車を引きながらでも40キロほど出せており、荷台の連結部分を外した場合は60キロほど出せている。

 ただ、課題はスタミナ面であり、最高速では10分ほどが限界。


 基本的にはその半分である荷台ありなら20キロ、荷台なしなら30キロほどでの移動となりそう。

 それでも十分すぎるスピードだし、重い馬車を単体で動かせるだけでありがたすぎる。


 アッシュにはこれから馬車を引く仕事を頑張ってもらう予定。

 そして早速だが……私はシーラさんと一緒に街に出てみることになった。

 馬車を試すための旅であり、アッシュが疲れない限りは日帰りの予定だけど非常に楽しみ。

 

「シーラさん、準備はできましたか?」

「ええ。いつでも出発できます」

「それじゃ行きましょう。今回も王都を目指しますか?」

「いえ、せっかくですので別の街に行ってみましょう。王都とは反対側に街があるんです。王都ほど大きくはありませんが、魔術学校がありますので面白いと思いますよ」


 魔術学校! なんとも少年心を擽られる良い響きだ。

 モージの魔法は毎回見入ってしまうくらい、魔法は未だに興味がそそられる。


 ハリーポッターが好きだったのもあるけど、やっぱり魔法というものにはロマンを感じる。

 ゲームでも戦士系より魔法使い系を重宝していたし、やはり魔法は私にとっては特別なもの。


「魔術学校は楽しみです! シーラさんに案内は任せていいですか?」

「もちろんです。任せてください」


 ということで、畑は今日だけロッゾさん達にも手伝ってもらい、私達は魔術学校のある街へと向かうことにした。

 馬車を試すだけだったはずなんだけど、一気にテンションが上がってきた。


 今回は荷台を切り離し、キャビンに乗り込んで早速出発することにした。

 アッシュは言葉を理解できるため、特に御者などは必要なく、席から行きたい方向を伝えるだけで進んでくれる。

 ほぼ自動運転であり、今のところ車並みに快適かもしれない。


「佐藤さん、馬車よりも揺れが少ないですね。座る部分もふわふわで疲労感がないです」

「シッドさんが良い素材を取り寄せてくれたみたいですからね。タイヤはロッゾさんのこだわりで、衝撃を吸収するような造りになっているみたいです」

「うるさくてガサツですが、技術は本物ですね。頼もしい人達が移住してきてくれました」

「ですね。最初はどうなるかと思いましたが、感謝しかないです」


 整備されていない道のはずなんだけど、シーラさんが言ったように不快感も疲労感も一切感じない。

 アッシュの走行技術が高い可能性もあるけど、間違いなくロッゾさん作のタイヤとシッドさん作の椅子のお陰だろう。


 馬車の快適さに感動すること約1時間。

 少し先に街が見えてきた。


「あれが魔術学校のある街。ランゾーレの街です」

「確かに王都と比べると明らかに規模が小さいですが、その分城壁とかはしっかりしていますね」

「凄腕の魔術師の力を借りて建築したらしいですからね。佐藤さんの言う通り、王都よりも立派な城壁だと思います」


 なんというかアーティスティックな感じでもある。

 そんな立派な城壁に見惚れながら進むと、門の前で止められた。


 馬車を引いているのがリザードランナーということもあり、兵士たちが大分警戒していたようだが……シーラさんが身分証を見せるや否やすぐに通してくれた。

 どうやら王様が渡してくれた特別な身分証は、王都だけでなく王国内の街なら問答無用で通ることができるようだ。


「通って大丈夫とのことでした。右手を進んだところに馬車を止める場所があるみたいです。人を襲わないようにだけは気をつけさせて――とのことです」

「危害を加えられない限り、人を襲うことはないと思いますが、しっかりと言いつけておきましょう」


 こうして指定された場所に馬車を置き、アッシュに大人しく待っているように言いつけた。

 すぐに眠る体勢に入ったため、心配せずとも大丈夫なはず。

 私とシーラさんはアッシュと一時別れ、ランゾーレの街を観光することにしたのだった。



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