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38歳社畜おっさんの巻き込まれ異世界生活~【異世界農業】なる神スキルを授かったので田舎でスローライフを送ります~  作者: 岡本剛也
第3章

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第100話 馬車


 シーラさんとの会議から3日後。

 馬車の最終調整が終わったようで、ロッゾさんとシッドさんが私達に見せにきてくれた。


「おおー! 凄く立派な馬車ですね。荷台部分も凄いです」

「タイヤとこの荷台が一番凝った部分だな! とにかく収納スペースを作ったのと……連結式だから切り離すことができる! まぁ佐藤さんのアイデアだけどな!」

「私のアイデアというよりは、私の世界にいた乗り物の知識ですね。それに、実際に形にしてみせたロッゾさんとシッドさんが凄いです」


 電車とかトラックは切り離すことができるため、馬車でも採用したらどうだろうかという提案をチラッと話した。

 そうすれば、シッドさんが求めていた大量の荷物を運ぶこともできるし、ロッゾさんが求めていたスピード重視の馬車も実現することができる。

 仕組みとかも理解していないし、異世界では完全な理想論であり、私はほんの軽い気持ちで提案したのだけど、ロッゾさんとシッドさんは実現してみせたようだ。


「この馬車は会心の出来だな。俺とロッゾの意見はぶつかることばかりだが、まさか両方の意見を採用できるものが作れるとは想像もしていなかった」

「俺もだ! 正直、店を畳んでこっちに越して来た時は不安もあったが、この馬車を作ることが出来た時点でもう既に後悔はねぇ!」


 ロッゾさんとシッドさんはうっとりとした表情で馬車を見ており、大絶賛を繰り返している。


「あっ、それでだが……馬車を引く魔物はいつ用意できそうだ? 佐藤さんが用意するのが難しそうなら、王都にいる知り合いに話をしに行こうと考えている」

「もういつでも用意できますよ。シーラさんと話し合って、どの魔物が良いかは既に決めているので」

「どの魔物がいいかを既に決めている? よく分かんねぇけど、すぐに用意できるならしてほしい! 改心の出来の馬車に早く乗ってみてぇんだ!」

「分かりました。それではちょっと待っていてくださいね」


 私はタブレットを操作し、決めていた魔物の購入をここで行う。

 シーラさんの助言で、他人にはあまり人前ではタブレッドの操作をしないようにしていたけど、ロッゾさんとシッドさんはもう気にしなくていいはず。


 ということで、私はNPを消費して魔物を購入した。

 ちなみに今現在のNPは38421。


 模擬戦大会でNPがほぼゼロになるぐらい使い込んだのだけど、モージと畑を拡張したお陰で40000弱まで増やすことができた。

 ……が、今回の従魔でまたNPを消費してしまう。

 基本的にNPは貯めるより使った方が良いのは分かっているんだけど、残高が減ると寂しい気持ちになるのは貯金と全く同じ。


「――と、できました。近くに魔物がいると思います」

「えっ!? もう従魔を手に入れたのか!? 分かってはいたけど、佐藤さんってやっぱとんでもねぇな!」

「弱いけど最強って言葉がしっくりくる。美女じゃないのに見ていて面白いって気持ちになるからな」

「分かる! 佐藤さんは見ていて面白い!」

「私も分かりま――」

「変なことを言っていないで、馬車を引けるであろう従魔を見に行きましょう」


 隣をチラッと見ると、シーラさんが手を上げ掛けていたのが見えた。

 何か言いかけていたけど、恥ずかしそうにしているためあまり触れないようにする。


「あっ、あれじゃねぇか? ……でっけぇ魔物!」

「デカいってよりもカッコいい見た目だな。あんな魔物見たことねぇけど、なんて名前の魔物なんだ?」

「リザードランナーって名前の魔物です。シーラさん曰く、元々決まった巣を作らずに移動しながら生活しているみたいなので、馬車を引く魔物としては適任らしいです」


 新たに従魔にしたのは、リザードランナーという名前の魔物。

 全長4メートルほどのトカゲとドラゴンの間のような見た目をしており、グレーの光沢のある体が非常にかっこいい。


 シーラさん曰く、馬力がありながらも早く動けるようで、馬車を引くという観点ではスノーディアよりも優秀な可能性が高いと教えてもらった。

 何よりもリザードランナーという名前に惹かれ、紹介してもらった瞬間に従魔にしようと決めた。


 おっさんになってもドラゴンには憧れがあるため、30000NPと値が張りはしたもののリザードランナーしか見えなかったなぁ。

 実際にはリザードランナーはドラゴン種ではないんだけど、こうして実物を見て従魔にして良かったと心の底から思うことができている。


「めちゃくちゃ怖いんだけど、襲ってはこないよな!?」

「大丈夫だと思いますよ。まずは私から近づきますね」


 怖がっているロッゾさんにそう声を掛けてから、私がゆっくりとリザードランナーに近づいていく。

 翼を持っていないだけで、本当にドラゴンにしか見えない。

 私はそのフォルムのカッコよさに目を輝かせながら、リザードランナーに挨拶を行う。


「はじめまして。今日からよろしくお願いいたします」


 私は挨拶をしながら軽く撫でると、目を細めながら体を擦り寄せてきた。

 かっこいい見た目からは考えられない可愛らしい行動に、胸がキュンとしてしまう。

 これがギャップ萌えという奴だろうか……。


「クロウと同じく、見た目に反して人懐っこいですね」

「従魔はそうなのかもしれません。狂暴な性格の子じゃなくて一安心してます」

「ですね。ちなみにですが、名前は決めてあるんですか?」

「ええ、この子の見た瞬間に決めました。リザードランナーは今日からアッシュです。アッシュ、よろしくお願いします」


 自分の名前とすぐに認識したようで、アッシュと呼ぶたびに首を縦に動かして返事をしてくれる。

 賢いし、これは大活躍してくれそうだ。


 ちなみに名前の由来は光沢のあるグレー色の体から取った。

 あとアッシュという名前の響きが、単純にかっこいい。


「おお……! 本当に手懐けている!」

「佐藤さんは凄ぇな。俺が魔物をこんなに近くで見られるようになったのは、佐藤さんと出会ってからだぜ? 怖くて危険っつう魔物の概念が変わってしまいそうで恐ろしい」

「本当だよな! ライムとかマッシュとかモージも可愛いし、見た目は怖そうなクロウもこの間害獣から守ってくれたしよ! アッシュなんかこの目で懐く瞬間を見ちまったから、今のところ愛情しか抱けねぇ!」

「可愛がってあげてください。恐らくですが、アッシュも魔力塊が好きだと思うので、武器の試し斬りを行うときに取れたら与えてあげてください」

「へー、魔物は魔力塊が好きなのか。手に入れたら俺も与えてみるわ」

「俺も! 馬車で引いてくれる度に与えてあげるからな!」


 ロッゾさんとシッドさんは恐る恐るでありながらも、アッシュを撫でており、撫でられているアッシュも嬉しそうにしている。

 まだ馬車を引いてくれるのか問題が残っているが、馬車を引いてくれなかったとしても、カッコいいし可愛いし問題ない。

 見た目通り、戦うこともできるみたいだしね。




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