後始末、そして
次の日からはひたすら後始末に追われる。強い者が正義が大原則のこの国に有って、争いの結果生き残った俺を糾弾する声は無く、食料庫の後片付けは粛々と行なわれ、グレムリーに関しては余りに好き勝手やり過ぎて遂に将軍である俺の逆鱗に触れて粛清されたという扱いになっていた。その家については取り潰しの声も有ったが、奴の息子達全員と面談し、唯一俺に媚びる態度を取らなかった次男に家督を継ぐ用申し付け、権威は大幅に剥奪したが存続させる事とした。
副将軍の座は当面空席とした。内政そのものは放って置いても残った大臣達でいい様にやって行くだろう。だが敢えて俺は主だった者を数名指名し、その者達に当面合議での運営を行う様指示をした。人選に関してはこの数日でまともに仕事をしている事が伺えた者の中からネビルブの情報も貰いなから厳選したつもりだ。とは言えしっかりしたリーダーが早急に必要な事は間違い無いし、それは決して俺では無い。
内政に関して俺が口出ししたのは"貢ぎ物制度"の廃止、更には人族を食糧とする事の禁止、それだけである。それでも不満は出たし、合議政治を行う人選についても異を唱える者も有ったが、余りに声の大きい者に対してはこの国のやり方に則って実力行使も行った。その者の屋敷の屋根を蹴って吹き飛ばしたりして…。
他にも細々とした後始末は有ったが、元々の政治が貧弱だったせいも有り、混乱自体は意外と早々に収束し、軌道修正による戸惑いは有るものの、国内は表面的には平穏を取り戻して行った。
そんな日々の中、砦から将軍エボニアムの姿は忽然と消えていた、お付きのネビルブと共に。しかし今までも珍しくも無かった彼の不在が国内に波風を立てる事は特に無かったのだった。
-第一話 終了-




