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婚約破棄ですか、はあ、まあご勝手に

思い付きで書きました。

最後まで4万字ちょっとの予定です(すでに最後まで書き上げています)。

「レティツィア公爵令嬢! 上位貴族としての身分をかさに着て、平等であるべき学園内においてカロリーナ・コジマ・バッカラ男爵令嬢を下級貴族と蔑み、様々な嫌がらせを行ってきた貴様の悪事は、関係する生徒たちからの証言からも明々白々! (ゆえ)に余――王太子カスト・バーカ・ドナドーニ・エーブリエタースの名において貴様との婚約を破棄し、改めてこの可憐にして愛しきカロリーナ嬢を私の将来の伴侶とすることを、偉大なるエーブリエタース王家と神聖なる創世神の聖名(みな)においてこの場において宣言する!」


 エーブリエタース王国において13歳~17歳までの上級階級(ブルジョア)や裕福な中産階級(ミドルクラス)の子弟子女に教育を施す中等学校(パブリックスクール)

 そのひとつ。王都にあって随一のエリート校として名高いロッシーニ学園。


 学園の誇る見事に手入れされ、咲き誇る広大な薔薇園で開催されていた学園卒業パーティーの会場に突如として響き渡った蛮声と、途轍(とてつ)もなく常軌を逸した――いえ剣呑(けんのん)な内容に、本日の主役である卒業生はもとより、来賓として参加していた貴族たる父兄、海外からのゲストや著名人たちも呆気にとられて、この騒動の元凶に視線を巡らせました。


 騒ぎの中心……そこにいるのは、王妃陛下、学園の理事や国内の高位貴族、国の重鎮、他国からのゲストが配されている上座に近い場所で、そこで注目の的になっているのは、噛みつかんばかりの表情で激昂している金髪碧眼の無駄に顔面偏差値だけは高い貴公子・カスト()()()と、わずかな距離を置いて名指しされたプラチナブロンドの髪に赤紫色の瞳、華美にならない程度に豪奢なドレスをまとった十七歳の令嬢――レティツィア・フロリアーナ・エヴァンジェリスタ・メルキオルリ――つまり(わたくし)です。


「……(は)? (え、何この茶番)……⁇」


 もっともいきり立っているのはカスト王太子だけで、片方の当事者である私としては、文字通りの『寝耳に水』『鳩が豆鉄砲を食った』気分で、バニラのアイスクリームが載った小皿を手に持ったまま、瞬きをするしかありませんでしたが……。


「――こほん」

 護衛も兼ねた侍女(臣下伯爵家の出身であり、乳姉妹でもある)のナディアが放った咳払いで、慌てて王侯貴族の令嬢らしい体面を取り繕い、ナプキンでさりげなく口元を拭きつつ、優雅な微笑の仮面を顔に貼り付け、私は小首を傾げてカスト王太子に問い返します。


「……これはいかなる余興でしょうか、カスト王太子殿下? このような出し物は伺っておりませんでしたが、段取り不足でしょうか? もしくは少々酔い過ぎなのでは? 無理は禁物ですので、別室でお休みになられてはいかがでしょうか?」

 いまならギリギリ冗談で済ませられますわよ~~? と婉曲に最後通牒を行いましたが、

「この期に及んでとぼける気か、レティツィア――この女狐めっ!! その権力と立場を使って再三に渡るか弱いカロリーナ嬢への暴言並びに陰湿な嫌がらせの数々! 婚約者として、王太子として……否、ひとりの紳士として到底看過できるものではない!! よって貴様の貴族籍を剥奪して国外退去とする! 本来であれば斬首にしても良いところだが、カロリーナ嬢との寿ぎであるめでたき日の門出による恩赦――我々の大いなる慈悲と寛容に感涙し、地べたに額ずいて謝罪と感謝を述べるがよいっ」

 残念ながら取り付く島もありませんでした。


 いや~、残念だわ。いろいろと残念だわ。前々から顔だけしか取り柄のない、残念なオツムをしている()()()殿()()だと思っていましたけれど、(わたくし)の想像を遥かに超える残念さの逸材でしたわ。マジで珍獣――貴種と言うよりも珍種に分類すべきではないかしら?


「――レティツィア王女殿下(プリンセス)、口元がにやけております」

 あらいけない。

 再びのナディアの注意に、私は『面白くなってキタ――(゜∀゜)――!!』という内心を押し隠して、せいぜい鹿爪らしい表情を取り繕って、白孔雀の羽扇子で口元を隠しました。


 見物に回っている皆様方もだいたいは心得たもので、紳士淑女としてマナーを弁えながらも『✧+(0゜・∀・) + wktk✧』という浮ついた雰囲気は隠しようもございません。


 興に乗ったカスト王太子が朗々と詠ずるその背後には、小柄でピンクブロンドの長い髪を垂らした女子生徒がしがみ付いていました。


 学校行事として制服着用がマナーである卒業パーティに、ゴテゴテとした喪服のように真っ赤なドレス――喪服は基本黒系統だがギリギリ例外として真っ赤なドレスも許容されている(なお通常ハレの舞台では青や緑系統の淡いドレスがフォーマル)――を着た面識のない女生徒? まあ前後の状況から考えて彼女が『愛しきカロリーナ嬢』なのでしょう。


 本日の主役である卒業生たちの反応は、困惑もしくはイベントの一部ではないかと半信半疑の者が7割で、思惑を含んで冷静に状況を見守る者が2割8分、残り2分がカスト王太子に同意もしくは支持する盆暗(ボンクラ)仲間といったところでしょう。

 さすがに教師クラスは即座に事態の重要性を理解して青くなっていますが、許しもなく()()に異議・意見を物申せるほど豪胆もしくは無謀な勇者はいないらしく(とばっちりを恐れるのも家門を背負った立場としては当然です)、あちこちに伝令を飛ばすだけに留めて静観の構えをとるようでした。


(私のスタンスとしては馬鹿の相手をしても不毛なので、できれば無視したいのですけど、さすがに名指しで糾弾されては無理よね~)


 非常に不本意かつ不可解な状況を理解した私は、とりあえず食べかけのアイスクリームを胃の中に片付けると、近くにいた給仕(ペイジ)役のエプロンを着けた生徒に空の容器を渡し、改めてカスト王太子+オマケのナントカ令嬢へと視線を巡らせました。

 同時に帯剣を許された専属の護衛騎士レオンが右手側に、ナディアが左手側の一歩引いた位置に付き従います。


「いろいろと思いがけない話に正直混乱しておりますが……ええとその、掻い摘んでおっしゃるとカスト王太子殿下は、そちらのナント――」

「“カロリーナ・コジマ・バッカラ男爵令嬢”()()()()()()()()()


 ナントカ言う前にナディアが小声でフォローしてくれました。ナイスだけど、微妙に含みのある言い方ねえ……これは何かあるわねと、わずかに留意しつつ私は淡々と続けます。


「バッカラ男爵令嬢と将来的に言祝(ことほ)ぎを――」

「こ、ことほ……??」

「……結婚されるということですわね?」

 バカでもわかるようにカスト王太子にそう念を押して確認しました。


「――チッ」

 思わずといった感じで、私の護衛騎士レオンが周りに聞こえない程度に舌打ちします。

 何人かの気の弱い女性が「ヒッ!?」と嬌声ではなく悲鳴を上げて倒れ掛かり、一部騒然としていますが、残念ですわレオンの魅力がわからないなんて。

 ただただ甘えさせまくられた、苦労知らずのカスト王子のしまりのない面容よりも、同じ金髪でも抜身の刃のような面差しのレオンの方が、私は数万倍魅力的だと思うのですが――いまは長い前髪で半分隠れていますが――琥珀色の瞳も素敵です。もっとも、残念ながら現在のところ大多数がカスト王太子の方を美男子と言うのが実に歯がゆい限りですわ。


 とは言え不機嫌な顔と雰囲気で周囲を威嚇する意味もありませんので、愛想よくとは言いませんがせめてポーカーフェイスに徹するよう小声で自制を促しました。

(気持ちはわかりますが、くれぐれも短慮はやめてくださいね。立場上、こんな小石の如き愚物に足を引っかけて転ぶような失地(ミス)をおかす訳にはまいりませんから)

(――わかっている)

 仏頂面で頷くレオン。


 さて、私のカスト王太子に対する再三にわたる大仰な念の押しは、

『え、本気ですか? 冗談で誤魔化したり、否定するならいましかありませんよ? つーか側近(取巻き)は何してるわけ!? バカを野放しにしないでこういう時に諭したり、体を張ってフォローするのが役目でしょうに!!』

 という含みを持たせた周りへの最後通牒だったのですが、そのあたりの()()()()斟酌(しんしゃく)することなく、また肝心の側近(取巻き)は揃いも揃ってカスト王太子と『愛しきカロリーナ嬢』に心酔しているのか、うんうんと頷いたり同調して私に露骨な敵意をむけたりとまったく機能していません(そもそも目端の利く人間ならカスト王太子(このバカ)と関わり合いになるメリットなどないので、やんわりと距離を置くのが普通なのだけれど、類は友を呼ぶの典型でそうした見極めができない節穴ばかりなのでしょう)。

 そんなわけでブレーキの利かないカスト王太子は一瞬の遅滞なく大きく頷いてみせました。


(あ~~、明確に肯定しましたわ。宮廷貴族なら万一のことを考えて、ここで明言を避けるでしょうに。まあ、単純に貴族的な修飾語過多な腹芸や、商人のような損得勘定なんてできないのでしょうけれど……)


「その通りだ! 私は運命の相手、真実の愛に目覚めたのだ! 王侯貴族だからといって好きでもない決められた相手と婚約して結婚などという前時代的な因習に縛られるなど愚か極まりない。真実の愛の前にはいかなる非難を浴びようと、いかな艱難辛苦が待ち受けていようとも、私はすべてを受け入れて乗り切って見せよう!!」

 私の慨嘆など頓着することなく、とどめとばかりどこぞの英雄譚の主人公になったつもりなのか、両手を広げてそれはもう声高らかに宣言をするカスト王太子。


「「「「「――――っっっ」」」」

 途端に声にならない激震が会場……特に王家に対して批判的な西部領域の領主貴族と、中立派の門閥貴族たち。そして何より、創造神ミクラを崇拝するミクラ教会の関係者や、国外からの招待客の間に走りました。


(あー、終わった終わった。カスト王太子(このバカ)の製造者責任で少なくとも現エーブリエタース王家――ドナドーニ王朝は息の根止められたも同然ね)

 三代前には隣国との戦争に負けて唯一の、飛び地であった港と海上貿易路をもぎ取られ、二代前には身内同士で王位を巡って泥沼の謀殺合戦を繰り広げ、現在は現国王が世界最大の宗教組織であるミクラ教団とギクシャクした関係になって破門寸前という、いろいろと問題ありのドナドーニ家でしたけれど、こんなのを『()()()』と公言している時点で、これは完全に国家元首として不適格と自ら死刑執行証にサインをして、ついでに墓穴を掘ったも同然ですわ。


 なお学生たちは――貴族家の薫陶を受けた者や一部の優秀な者たち以外――いまいち事態を理解していないのか、その場のノリで興奮した様子で私語を交わしたり、

「これは既存の貴族制度を揺るがす大事件だよ」

「甘いな。落としどころとしては、王太子の暴走を諫められなかった婚約者であるエヴァンジェリスタ令嬢の落ち度として処理されるのが関の山だろう」

 などとしたり顔でピント外れな憶測を開陳してドヤっています。


(即座に意味を理解できる利発な者たちは早めに取り込んでおくべきね。状況を理解できずに無駄に混乱を助長する“無能な働き者”はさっさと切り捨てるとして……)


 なお中等学校(パブリックスクール)を卒業した者たちの進路は大まかに五つに分かれます。

① 王侯貴族家の関係者なら領主もしくは嫡男である次期領主の補佐をする。

② 令嬢であれば家同士が決めた相手に嫁ぐための準備(女の適齢期は16~18歳。20歳過ぎれば行き遅れ)。

③ 大学へ進んでより専門的な学問を学ぶ。大体は内科医か弁護士になるのが常道です。

④ 文官試験を受けて文官として役人を目指す。もの凄く優秀だった場合には一代爵位を与えられることもあります。

⑤ 軍隊に入って(卒業生は半年の訓練期間を終えたのち、準尉として着任できます)出世を目論む。きっちり退官まで励めば中佐までは昇進できますが、そこから先は人脈(コネ)賄賂(カネ)の世界らしいですわ。


 このうちまだ唾をつけられていない③~⑤を選択せざるを得ない者たち――この茶番劇の筋道と落としどころをすでに見当をつけているらしいごく一部の彼ら、彼女ら――は、少し()めば即戦力になる可能性が高いでしょう。

 ちらりと目配せで側近の何人かにその旨を告げると、優秀な彼・彼女らは早速とばかり使えそうな人材の青田買いをすべく、さりげない仕草でその者たちの傍に行って、金・名声・権力――様々な甘言を(ろう)して籠絡(ろうらく)すべく、交渉を持ちかけるのでした。


 ついでに横目で貴賓席を窺えば、学園の理事長にして宮廷における中立派の盟主であるロッシーニ侯爵が憤死(ふんし)せんばかりの表情で口を真一文字に結び、祝辞を述べるためにわざわざ足を運んでくださった、いまだ三十歳そこそこに見える玉顔……麗しくも見るからに凛と才気走(さいきばし)ったヴィクトワール王妃陛下が、パゾリーニ大司教との談笑を切り上げて、ふたり揃って見た目は(なご)やかな表情で――若気の至りを見守る年長者という風情で――カスト王太子を見据えていますが、その目はもはや失望とか怒りとかを通り越して、路傍の犬の糞や断頭台の上に据えられた罪人を見るような無関心・冷徹さです。


(ああ、空が青くて気持ちがいいわね。ガーデンパーティーだから天気が心配だったけれど、この季節は台風でも来なければ滅多に崩れないから安心よね)

 まあこのふたりの立場と現国王陛下との軋轢(あつれき)を考えれば当然でしょう。

 親子二代に渡って後ろ足で顔に泥をかけられたようなものですから。


 むしろよく我慢していると、特にヴィクトワール王妃陛下の超人的な忍耐力に私は心からの敬意と賛辞を贈りつつ、顔と身体は決められたルーチンに沿って無意識に淑女としての体面を保ちながら、意識は半ば遠い空の彼方へ飛んでいこうとするのをなんとか押しとどめます。


(見てる分には面白いんだけど、当事者になってがっぷり四つに組むとなると精神や常識がガリガリ削られてキツイなんてもんじゃないわね。よく()()と恋仲になって正気でいられるわ、私には到底無理。そうした意味では、稀有(けう)な……得難い人材と言えるかも。いや~、本当に凄いわ、バッカラ男爵令嬢(ピンクブロンド)!)


「きゃあああっ、こわいですぅ! レティツィア様があたしを睨んでますぅ!!」


 逃がしません。ええ、絶対に逃がしません。今後転ぶのは確実としても、どう転ぶかはわかりませんので、カスト王太子(コレ)を手玉に取れるような、奇跡的に存在した割れ鍋に綴じ蓋――確かに『運命の相手』ですわ――は必要不可欠。一蓮托生! ならば断じて逃がすわけにはまいりません。

 そんな(わたくし)の不退転の覚悟が伝わったのか、バッカラ男爵令嬢は悲鳴を上げてカスト王太子に抱き着きました。


「貴様っ、またもや嫉妬に駆られてカロリーナを怯えさせるなど、何という悪逆非道な女だ! ええい、何をやっている衛兵! 警備兵! 近衛っ! 王太子としての命令だ。さっさとこの悪逆令嬢をひっ捕らえて罪人用の牢へ押し込め!!」

 怒りに燃えたカスト王太子の命令を受けて、衛兵と警備兵が困ったように顔を見合わせ、ヴィクトワール王妃陛下にすがるような眼を向けましたけれど、その無能さと優柔不断さを視界に入れる価値もないと言わんばかりに完璧に無視されています。

 それに比べて、さすがに近衛騎士たちは己の立場と役目を(わきま)えて、その場からピクリとも動きません。


「なぜ命令を聞かん!? 余は次期国王たる王太子であるぞ! 勅命である!!」

 ヒステリックに騒ぎ立てるカスト王太子の叫び声に、護衛騎士のレオンが苦虫を嚙み潰した表情で、剣の柄に手を当て、微かに近衛騎士に緊張が走りましたけれど、不敬だと言って咎めるつもりはないようです。ヴィクトワール王妃陛下も、『目障りなら排除しなさい』とばかり軽く首を搔っ切る身振りで、殺人教唆をしていますけれど……あ、これは本気にしては駄目なパターンですわね。

 正妻であるヴィクトワール王妃陛下は、前々から血のつながらない王の第一子たるカスト王太子を蛇蝎のごとく嫌っていましたから(まあ、血統問題以前に当人が殺したいほど生理的に馬鹿だという比率の方が高そうですが)、どう転んでも自分が手を汚さずに漁夫の利を得ようということでしょう。


 他の相手ならトカゲの尻尾切りをして、ヴィクトワール王妃陛下に貸しを一つ作ることに、私も躊躇はしなかったのですけれど、カスト王太子(コレ)相手に全幅の信頼を置く騎士――騎士の中の騎士を『パラディン』と言いますが、私にとってのパラディンである――レオンの手をこの程度の小物の血で汚すことは、まったくもって収支に対して損益が釣り合っていません。


「カスト王太子殿下」

 ゆえに、正直言ってコレの相手をするのは同レベルまで自分を下げるようで、とことん遠慮したいところでしたけれど、このままでは(らち)が明かずにせっかくの卒業式が台無し――にはすでになっているので、後日補填(ほてん)が必要でしょう。王家の責任において――多忙の中臨席されたであろう来賓の方々にこれ以上の時間の浪費を強いるわけにもいかず、私は徒労に終わるであろうやり取りをカスト王太子と交わすことにしました。

10/5 誤字脱字修正しました。


面白いと思った&続きが読みたいという方は、作者のモチベーションのためにぜひ評価などよろしくお願いいたします。


なお、令嬢の場合はデビュタントをしなければ一人前と見なされず社交界に出入りすることはできませんでした。デビュタントは早い娘は10歳そこそこ、15~16歳が多かったようです。

男性の場合は明確な基準はありませんでしたが中等学校に入学した時点で一人前と見なされました。

平均結婚年齢は女性よりもやや高く20~22歳で、これはきちんと社会人として家庭を持てると確認されないと結婚できなかったからです。

デビュタントは貴族以外でも上流階級の娘で、ある程度身分のある夫人からの推薦があり(身内のオバなどの場合は身内贔屓と見なされて、かなりバツが悪かったようです)、なおかつ血統に問題ない郷士や軍人、弁護士、銀行家、内科医師などの特定の職業に親が就いている場合可能です(商人はNG)。

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[一言] 婚約破棄物って、いまや一大ジャンルとなりましたね。 最初に考えた人は偉大です。 謙虚、堅実をモットーに生きております!の続きが読みたいなあ...
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