第五話,変なの出現、そして俺がひどい目に…
さてさて翌日。もちろん軍田の姿はない。
「えーっ今あいつの処分について話し合っている所なんだ」
誰もが退学だろと思っていたが翌日、停学で済んだらしい。
俺は退学+警察沙汰ぐらいしてもいいと思っていたのだがまあそれはそれでいいやと思った。
生活に変化はあったかって?それをいわれるといろいろありすぎて困る。
・まずいおりの態度が変わった。妙に甘えてくるようになった…
・あと中川の奴が毎日メールよこしてくるようになった…
・下校中に中学校のテニス部の女子に告白された…断ったが…
・近所の人の目がかわった。まああの格好で動いてればな…
・そのせいか供産党(誤字じゃないよ、こういう政党)とかに目をつけられた…やばいかも…
まあこれが主だ。
その翌日も俺たちは何気ない生活を送っていた。
それこそ平和そのものだ。アリサも偽名と髪型を変え服装も庶民的なものを着用しはじめてからというものの全くといっていいほど帝国のスパイはやってこない。
「疲れた…」
「どうしたの昭仁?朝からいおりちゃんに甘えられたから?」
「あいつ何歳だよ…まったく……それにしてもお前って馴染むの早いな」
「いやぁ、だって私王女様だったでしょ?かなり行動範囲制限されてたのよ。だからこういう庶民的な生活にあこがれてたから」
「俺はむしろ王になってみたいな、生活楽そうじゃないか?」
「いやぁ、忙しそうだったよ?」
「マジか…やっぱ普通に働いて普通に結婚して普通に定年迎えて畳の上で死ぬのが幸せなのか」
「そうね、大変だけど私のように縛られるよりは為になると思うよ」
「そうか」
王族と庶民とはやっぱり違うものだとこの時俺は思った。
そして今日の下校時、俺はいつもどおりアリサと一緒に帰った。
なんか巷では俺とアリサが付き合っているかのような噂がながれているが…まあ無視が一番だと思った。しかし本当に平和だ、まあこの平和はたった『今』ぶっ壊されたが。
「だ…誰だお前?」
それはそれは、とっても筋肉質で強そうだが顔はババアで子供が持ってそうな星型のステッキをもっていた。
「ワシは帝国の魔法使いじゃ」
「えええ!?それ魔法使いなのか!?」
魔法使い-、魔法、妖術、幻術、呪術などを使う者たちの総称。神話や民話、空想の物語に度々登場しわかりやすい例だとファイナル〇ァンタジーに出てくる黒い人とか白い服をきている人。大体魔力は高いがあまり筋肉質な人はおらず大抵身体能力が低い。しかし今俺の前にいる婆さんは持っているステッキを素振りしているが野球選手みたいだ。
「近衛昭仁、君の情報はすべて知っておる。さあお姫様の居場所を教えるんじゃ」
どうやらアリサの正体には気がついてないみたいだ。
ヒソヒソ(いいかアリサ、絶対にお姫様を思わせるような事はいうなよ?)
ヒソヒソ(サーイエッサー!)
「残念だが…俺はそのお姫様について何も知らない。というわけで帰ります」
俺はアリサを連れて小走りでこの場を去ろうとしたが…
「キシャァァアアアアアア!!!!!!!!」
なんとこの婆さんはすごい勢いで走ってきて俺の目の前に現れた。
(ドラ〇ンボールの効果音がしたぞ!?このババア魔法使いか本当に!?)
「逃がさないぞ…」
「待てよ婆さん、本当に俺が近衛昭仁だっていう証拠はあるのか?」
「襟」
「あっ!!!」
そういえば俺は放送委員だった。今日早く帰れる日だが。
そうなぜか俺の高校の委員は襟に小さい名札をつけなければならないというへんな決まりがあった。
畜生しっかり黒い文字で近衛って書いてある!
「さあ、教えなさい」
「だから知らないですって。ですから…」
俺は今度は全速力でアリサを連れた走った。ところが!
「待て!打ち死なすぞ!!!!!!!!」
「えええ!?」
滅茶苦茶速い、そして広島弁が怖い!
あっというまに俺の前にでた。
「そこまでして逃げるのなら…ワシの力を見せてあげよう」
まずい!殺される!!
「ホワシャシャシャー!!!!」
「「掛け声かっこわる!!!!」」
しかしその瞬間俺にまばゆい光線が命中した。
ああ…死んだな。俺のもうすこしで16年という15年間の人生が一瞬にして目に浮かぶ。
これって死ぬときにあるといわれる現象だよね?…人生\(^o^)/オワタ
…と気がついたらそこはいつもの青空だ、アリサもいる。
婆さんはいない、どうやら俺だけ倒して帰ったようだ…いやまて?なんで俺意識があるんだ?
もしかして生きているのか?
「うそ…あの魔法…まさか…」
なにいってるんだアリサ?と俺は思った。
「いてて…勢いで腰うったけどなんとか助かった……結局なんだったんだあの魔法?」
ん?自分で喋って気がついた。声が高い。オマケに背も低い。
「そうよ…あのおばあさんが放った魔法!女体化の術よ!」
「へ?」
するとアリサは俺に鏡を渡してくれた。それで自分の姿を確認すると。俺の今の姿は小柄な体格で黒髪ツインテールが特徴……って…
「なんじゃこりゃ!!!!!!!!!!」
「だからさっきの魔法使い…というよりも魔女が放った魔法よ。変化系の女体化の術」
「えっ!?待て魔法なのに術ってなんだ!?しかもこの小説が性転換モノなんて聞いてないぞ!!」
「きっと作者の気まぐれよ、大丈夫元に戻す方法はあるから」
「教えてくれ!!こういう摩訶不思議な現象はお前が一番詳しそうだからな」
「中国にある呪いの泉の郷にある男になっちゃう悲劇的泉に浸かればあら元通り」
「まてまてまてまて待て待て待て!!!!そんな場所前に読んだら〇まとかいう漫画にあったぞ!!」
「あるんだよ、実は」
「ええ!?あるの!?」
※中国にいってもそんな場所ありません。
しかし…そんな所行く機会ったら夏休みぐらいだよな…
結局その後俺が女になってしまったことは家族にバレ自称帝国軍人の爺さんは泣いたがまあ受け入れてもらった。
問題は『学校』という所だ。どうやってやっていこう……近衛昭仁のままやり通すか…それだといろいろとめんどくさいことになる。それとも架空の人物を演じるか?まて、そんな事したら近衛という奴は留年決定だぞ?あの婆さんなんてことを…いっそ死んだほうがマシだったかもしれないと俺は思った。
「そういう事なら私に任せて、昭仁のコピーをつくるわ」
「はっ?コピー?」
「泰!韻!わりゃ!」
また変な掛け声…っと思ったら突然白煙が…そして俺が現れた。
「どうなってんの?」
「私の国では魔法使いが王族なの、だから私も当然使えるわ。これは『具現化』ね」
よくわからん…
「具現化で近衛君のコピーをつくったのよ。一部設定は変えてあるけど精巧なコピーでちゃんと人間としても生きていけるスペックはあるわ」
どういうこと?一部設定変更?スペック!?もしかしてとんでもないコピーじゃないだろうな?
「俺、近衛昭仁、夜路死苦」
ギギギ…
漢字でしか喋れないうえに動きぎこちない!!!!
「ごめん…私の力じゃこれが限界。でも留年よりはマシでしょ?」
「まあ…このコピーにがんばってもらうしかないな。夏休みまで」
というまで俺は夏休みに中国という場所へ行くまで。この女の子という架空の人物を振舞わなければいけないことになった。それにしてもアリサより俺のほうが危険な目にあってないかと思った。
御意見、御感想、要望などお待ちしています。
なお今回の中国のあの場所、元ネタを知っている人が多いとは思いますが一応書いておきます。
らんま1/2 高橋留美子作 小学館
もちろんマッチョなお婆さんの魔法のせいなのでお湯をかぶっても元にもどりません(苦笑)