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ゆるクエ  作者: おでん信用金庫
Season1 勇者、再始動の章(プロローグ)
9/114

#8 ぼったくり差別、誠にイカン。

前回までのあらすじ


閃光に消える不良

不良たちとの(一方的な)死闘から3時間、ほんの申し訳程度のモンスターを倒しながら歩き続けた勇者一行はようやく目的の地に辿り着いた。



カズ「さあて、やっとエレクア村に着いたぞ」


ネロ「日が沈む前に着いてよかったぞい!」


マリア「足が疲れましたわぞい!」


ユイ「zzz・・・う~、勇者死ねぞい・・・zzz」


カズ「この野郎、1時間前から寝たきりで起きないから村までおぶってきてやったのに、寝言で俺の死を望みやがったこの薄情者が!」


ネロ「まぁまぁ、無事に村に着いたんだからよしとするぞい!」


カズ「さっきから()()()()うるせぇな!」


マリア「早く宿で休みたいですわぞい!」


カズ「お前のぞい絶妙に語尾にかみ合ってねぇんだよ腹立つなやめろ!」


ユイ「zzz・・・今日も一日、がんばるぞい・・・zzz」


カズ「もう夕方!!」



~宿屋~



宿主「へいらっしゃい、ここは宿屋だ。疲れたでしょう、ゆっくり休むといい」


カズ「はい、ありがとうございます。いくらですか?」


宿主「女なら一泊4G、男なら一泊4000Gだよ」


カズ「はいはい、女4Gで男4・・・4000?おかしいな、4000と聞こえたんだが。はっはっは、どうやら疲れて聞き間違えたようだ。おやじ、もう一度言ってくれ」


宿主「4000G」


カズ「はっはっは、笑えない冗談だな。おいおやじ、もう1度だけチャンスをやる。正確な金額を言え。次ふざけたら俺のこの『勇者聖剣(カズソード)」が貴様の首を飛ばす。いいな?(剣を舐める)」


マリア「まぁ、あの剣そんな名前だったんですの」


ネロ「正直ダサいな(辛辣)」


カズ「さぁ!言え!!!」


宿主「・・・。お兄さん、申し訳ないんだが私が言っている金額は正確だ。別にふざけているわけじゃないのだ。この村の宿屋の男一泊料金は4000G。最近こうなってしまったのだ」


カズ「なに、一体何があったというんだ!?」


宿主「ここの村の長であるアヴェイル村長が、隣にある『ダーノー王国』の国有地に『リモトモ学院』を建設しようとしていたんだが、そこの土地の値段が・・・」


カズ「なんか話長くなりそうだからいいや。もう結論だけ言って」


宿主「ダーノー王国が我が村に経済的制裁(いやがらせ)を加えてきたのだ。武器屋や道具屋の商品の価格は通常の400倍。銀行の貸し付けにおける利子は週率50%。そして我が宿屋は料金が通常の1000倍になってしまったのだ!」


カズ「村長何したんだよ・・・」


マリア「どうせ裏で学院長と繋がってたんですわ」


ネロ「よくわからんがひどいな!ひどいぞ!」


カズ「ちょっと待て、経済的制裁があることは分かったが、何故女性の料金だけは4Gなんだ?」


宿主「あ~そうか、言ってなかったな。ダーノー王国は女尊男卑(じょそんだんぴ)社会なんだ。そこの代表が決めたことだって言ったら納得がいくだろう?」


カズ「あくまで男性(オレ)だけに対する制裁だと・・・」


宿主「そういうことだ。さて、ここで君たちが取るべき選択肢は2つある」


宿主「大人しく4000G払ってここで休むか、今すぐこの村を立ち去るか。さぁ、どちらか好きな方を選ぶといい」


カズ「・・・。」


カズ「おやじ、1つ問うが、俺が取るべき選択肢・・・なぜその2択しかないんだ?」


宿主「私はこう見えて現実に忠実な男でね。それ以外の選択肢は考えられないのだよ」


カズ「はぁ、まったくやれやれだ。おやじよ、なぜもう1つだけある『最高の選択肢』が思い浮かばないんだ?」


宿主「もう1つある、『最高の選択肢』?」


マリア「カズさんの言うとおりですわ!選択肢はもう1つ用意されていましてよ!」


ネロ「そうだな、最早アレしかないな!」


カズ「おお、お前らも分かったか」


マリア「今日会ったばかりとはいえ、これくらいのことを思いつくなんて造作もないことですわ」


ネロ「頭の良くない私でも分かるレベルだ、こんなもの」


カズ「お、お前ら・・・(感涙)」


宿主「な、なぁ教えてくれ!そのもう1つの選択肢ってのはなんなんだ!?」


マリア「私たちに残された・・・」


ネロ「もう1つの選択肢・・・」


カズ「それはだな・・・」



カズ「憎きダーノー王国の長を倒して制裁措置を取り消させるんだよ!」

マリア「カズさんだけ村の外で野宿すればいいのですわ!」

ネロ「勇者カズだけ村の外で野宿すればいいのだ!!」

ユイ「zzz・・・勇者、野宿・・・zzz」



宿主「あ~女子的にはその選択肢もアリなんだ。勇者乙」


カズ「お前らふざけんなよ!寝てるやつも起きてるやつも揃いも揃って寝ぼけたこと言いやがって!なんで俺だけ野宿なんだよ!それのどこが最高の選択肢だよ!お前らただ自分たちだけ休みたいだけじゃねーか!」


マリア「そんなことはありませんわ。勇者1人のせいで残りの3人まで迷惑を被るなら、死ぬのは1人だけで結構。これが最適で極めて利口(クレバー)な選択肢ですわ」


ネロ「勇者カズなら野宿くらい楽勝だろうと思ってな。ほら最近流行りの『ゆる野営(キャン)▽』みたいに!」


カズ「くっそこんなの事実上の追放だ!フン、いいもんね!俺1人でダーノー王国潰してくるし!その上でこの宿に定価で泊まるからな!覚悟しろよクソおやじ!!!」


宿主「敵意の矛先おかしくね。別に俺なにもしてなくね」


カズ「じゃあな冷淡シスターズ。大人しく宿屋でくつろいでろ。謹慎中の親方のように。ケッ!(立ち去る)」


マリア「あまりくつろげなさそうですわね」


ネロ「あぁ行ってしまった・・・」


マリア「じゃあ女性3人、一泊でお願いしますわ」


宿主「あいよ!12Gね!」


ユイ「zzz・・・勇者、無事に帰ってこいよ・・・」


ゆるキャンはいいぞ

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