#7 悪人は消し炭にしようね
前回までのあらすじ
国家機密持ち出し麻呂
カズ「それで、ネロは武闘家になりたかったんだっけ」
ネロ「そうだ。しかしステータス的に武闘家として旅をするのは、麻酔ナシで内蔵摘出手術をするくらい無謀だと言われたのだ」
カズ「うわぁ無理ぃ」
ユイ「さしずめ、魔法使いとしてのステータスが高かったということだな」
ネロ「その通り。なぜか魔法使いのステータスがずば抜けて高いのだ。まったく、性にあわんジョブだと昔から思っていたのだが、まさか私自身がそれになるとは思ってもいなかったぞ」
マリア「羨ましいですわ。是非ともネロさんとステータスを交換したいものですわね」
カズ「1つだけ聞くぞ。お前はマリアのように最高機密の飛び道具などは使わないだろうな」
ネロ「安心してくれ、私はマリア殿のように潔癖症ではない。カブトムシだって素手で殺せるぞ!」
カズ「潔癖症関係なく人としてどうかと思うよ」
ネロ「まぁ、1つだけ欠点があるとすれば・・・」
子供「うあー、誰か助けてー!!」
マリア「どこかから子供の叫び声が聞こえますわね」
ユイ「あそこだ。子供が不良のような男3人に絡まれているな」
カズ「人間との遭遇率の高さよ」
子供「そこのお姉ちゃん!助けてー!」
ユイ「・・・。『そこのお姉ちゃん』だって。お前のことじゃないかマリア」
マリア「わたくしはお姉ちゃんではなくお嬢様ですわ。気安く呼んでいただきたくないですわね。恐らくネロさんのことではなくて?」
ネロ「いや〜、私はどちらかというと熱血的だからお姉ちゃんというスタンスではないなぁ。カズ殿のことではないのか?」
カズ「なんでやねん。お姉ちゃん言うとるやんけ。もし俺がお姉ちゃんに見えているのならあの子供の目は目じゃない。恐らくビー玉か何かだろう。てか、どうせ地元の子供同士の喧嘩だろ、ほっとけほっとけ」
不良A「おうてめぇらいいとこに来たな!」
不良B「このガキの命が惜しければ金目のものを出しやがれ!」
カズ「畜生ただのクズだった!なんなんださっきから、襲い来る脅威が人間ばっかじゃねーか!魔王より人間のほうがよっぽどクソじゃねーかよ!」
不良C「ブツブツ言ってんじゃねーぞ!このナイフがガキを傷つけることになってもいいのかァ?」
子供「うわあああ、とても怖い」
マリア「子供がとても怖がってますわ。ここはわたくしが・・・」
カズ「飛び道具禁止な」
マリア「あの子供は諦めましょう」
カズ「切り替えはえーなぁオイ」
ユイ「zzz・・・」
カズ「えぇ嘘だろ。こいつこの状況で寝てんだけど」
ネロ「・・・る・・・ん」
カズ「ん、どうしたネロ」
ネロ「ゆるさん!あの不届き者どもめ、あんな無防備な子供を人質に金をたかるなど愚の骨頂!カズ殿、ここは私に任せてくれ!」
カズ「なんか急にやる気スイッチ入ったな。おお頑張れ」
ネロ「貴様ら、命乞いをするなら今のうちだぞ」
不良A「ヒャッヒー!命乞いぃ?笑わせてくれるじゃねぇか!」
不良B「やれるもんならやってみろよ!」
不良C「どいてろ小僧(解放)」
子供「うはあ逃げるぞい!(支配からの卒業)」
ネロ「子供が奴らから離れた!今だ!」
ネロ「アクションレーザー!!!(ビームを放つ)」
カズ「どこか聞き覚えのある技名!」
不良共「ぎゃ(消滅)」
マリア「まぁ!不良たちが断末魔の声もあげず一瞬で塵となりましたわ!」
カズ「なんで俺たちモンスターより人間のキル数のほうが多いんだろうな・・・」
ネロ「はっはっは!そこまで言われると照れてしまうな!」
カズ「俺の発言は照れないでほしい」
ユイ「zzz・・・ハッ!何だ今の音。びっくりした」
カズ「反応おせぇなお前はよぉ、のんきかオイ!おはようだコノヤロー!」
ユイ「・・・あ、なんだよ。更年期か?」
カズ「まぁ限りなくそれに近い何かだわよ。・・・てかネロさんよ、さっき言いかけた『1つだけ欠点があるとすれば』の続きってなんだ?」
ネロ「あぁ、途中だったな」
ネロ「私は攻撃の際に魔力の加減というものができなくてな、毎回ほぼフルパワーで攻撃してしまうのだ。それで、1日に数回しか魔法を使えないのだ」
カズ「へぇ。じゃあ今日はあと何回使えるの」
ネロ「いまのアクションレーザーと、先程のジョブ診断でわりと魔力を使ったからな。今日はもう魔法は使えない」
カズ「うそだろはっや。え、じゃあ魔法使えなかったら他にどうやって戦うのよ」
ネロ「うーん、まぁいざとなったらマリア殿のグロックで!」
カズ「だーからダメだって言ってんだろうが!!!」
不良にも五分の魂