#48 最終戦①[負けられないから]
実況「さぁこれより、第70回アンダーワールド・バトルトーナメント優勝者のロンリネス・ジェノサイディア・ケーネ選手と、現在5度の防衛を果たしているチャンピオンのシャドウ選手の、チャンピオンの座を賭けたファイナルバトルが幕を開けようとしておりまぁす!!」
ネロ「いよいよシャドウとの対決かぁ・・・大丈夫かなぁマリア殿」
ユイ「マリア、わりと派手に戦ってたからなぁ。一般人との戦いと違って、野郎はマリアに対してそれなりに警戒しているはずだろうし」
カズ「まぁ、万が一のことがあれば俺がなんとかするから心配すんな」
ネロ「ふぅ~カズ殿~ッックイィ~~~!!!」
ユイ「それが勇者カズの、最後の言葉となった・・・」
カズ「不穏なナレーション入れないで」
実況「それでは~~~、史上初の女性挑戦者・ケーネ選手と、日陰者チャンピオン・シャドウ選手の入場だぁぁぁ~~~!!!」
ユイ「・・・あれが、シャドウか」
マリア「どこからどう見ても人間にしか見えない・・・ということは」
カズ「そう、人工凶魔だ」
ユイ「久しぶりに聞いたな、人工凶魔って」
ネロ「たしかに。20話以上ぶりに聞いたような気がするぞ!」
カズ「おいそこうるせぇ黙れ」
マリア「・・・」
シャドウ「・・・」
マリア(人工凶魔・・・、凶魔とはいえなんだか弱そうですわ。本当に彼がチャンピオンなんですの?)
シャドウ「はぁ、次は女か・・・」
マリア「あら、相手が女性じゃ不服でして?」
シャドウ「・・・いや、女の悲鳴ってやかましいだろうから、殺すときウゼぇなって思って」
マリア「・・・!」
シャドウ「はぁ~、できるだけ喚かないで死んでくれよ。キャーキャー騒がれんの鬱陶しいから、なあ?」
マリア「・・・っ」
マリア(なんですの突然・・・このプレッシャーは・・・!?)
シャドウ「どうもお前は、今まで戦った雑魚どもより強そうだ。だから悲鳴も今までのヤツらよりうるせぇんだろうなぁ・・・なかなか死ななそうだし」
マリア(まるで、本当に殺されてしまうような感覚が全身に・・・!)
審判「それでは、チャンピオンの座を賭けた最終試合を始める。両者、悔いの無いように全力を尽くすように!レディーーーー・・・」
審判「ゴォォーーーーーーッッッッッ!!!!!」
観客「うおおおお頑張れケーネたそおおおお!!!」
シャドウ「へっ人気者だな、女ァ」
マリア「そ、そうですわね」
シャドウ「ところで・・・心臓と脳、どっちがいい?」
マリア「・・・へ?」
シャドウ「いや、今からお前を一突きで殺そうと思うんだけど、心臓と脳、どっちを突いて殺してほしいって聞いてんだけど?」
マリア「・・・っ!」
マリア(第1試合や第2試合の相手とは違う・・・、彼の言葉にはしっかりと重みがある・・・!殺すと言ったからには本当に殺すという確固たる重みが・・・!)
マリア(これが・・・凶魔と戦うということですの・・・?)
シャドウ「おいおい、なんか返事してくれよ。心臓と脳、どっちか選ぶだけなんだけど」
マリア「はぁ・・・はぁ・・・っ」
シャドウ「あれ、もしかして女ァ・・・」
シャドウ「死ぬのが怖いの?」
マリア(うるさいうるさい・・・!話しかけるな、これ以上話しかけてこないで・・・!)
シャドウ「大丈夫だよ、痛みは一瞬だけだから」
マリア(やめて・・・これ以上話しかけられると、言葉の重みに・・・耐えられない・・・)
シャドウ「はぁ、じゃあしょうがない・・・」
シャドウ「どっちもだ。これから女の脳を串刺して心臓まで貫通させよう」
マリア(動け・・・動いて・・・わたくしの身体・・・!)
シャドウ「見てみな、俺の右手。先端が鋭利なナイフになってるだろう?」
マリア(逃げないと・・・殺される・・・!)
シャドウ「これ、貸し出し武器じゃねぇんだ。かといって持ち込み武器でもねぇ。じゃあ何だって?信じられないだろうけどさ、生まれた時からこうなってんだぜ?気がついたら右手がナイフになってんだぜ?笑えるだろ~笑えよ?」
マリア(助けて・・・カズさん・・・!)
ネロ「カ、カズ殿!マリア殿が動かない、一体どうなって!?」
カズ「・・・まずいマリアのやつ、シャドウのプレッシャーに押さえつけられてやがる!」
ユイ「プレッシャーだと、それじゃあマリアは・・・!」
カズ「一歩も動けずに、シャドウに殺される・・・!」
ネロ「なんだと、じゃあ早く助けにいかないと・・・!」
カズ「わーってる、行くぞおまえr」
ガルシア「この馬鹿者がぁぁぁぁーーーーーーっっっっ!!!!!」
カズ「!?」
ユイ「なんだ!?」
ネロ「びっくりした・・・どこの観客だ、こんな時に大声を発したのは!」
マリア「・・・ガ、ガルシアさん?」
シャドウ「んだぁ?うるせぇ観客だな」
ガルシア「観客席から失礼するぞぉーーーーー!!!!」
ガルシア「何をやっとるかぁぁぁーーーロードの姉ちゃんんんん!!!!!」
マリア「え、わたくしに話しかけてますの・・・?」
ガルシア「身体が固まってしもうとるぞぉぉぉ!!!そんなんじゃ一歩も動けずにやられてしもうぞぃぃぃぃぃ!!!!」
マリア「・・・わ、分かってますわ、そんなこと!」
ガルシア「身体が固まるのは相手のプレッシャーに恐れておるからじゃ!!!」
マリア「・・・はっ!」
ガルシア「プレッシャーなぞ恐れるじゃあない!!!そんなもの撥ねのけるほどの覚悟を決めるんじゃぁぁぁーーーー!!!!」
マリア「プレッシャーを撥ねのける・・・覚悟・・・!」
警備員「見つけたぞクソジジイ!!」
ガルシア「げっ、またお前かぁ!しぶといのぅ!!!」
警備員「あっこら逃げるなぁボケェ!!!!」
ガルシア「逃げるなと言われて逃げないスカタンはいねぇよぉぉぉ・・・」
マリア「・・・」
シャドウ「へっ、とち狂ったわけのわからん客もいるもんだ」
マリア「・・・ふっ、ふふふ」
シャドウ「あ、女ぁどうした突然笑い出して。お前も狂ったか?」
マリア「ふふ失礼、なんだかスッキリしましたの」
シャドウ「あぁ・・・?」
マリア「危うく心が折れてしまうところでしたわ。ありがとうございますわ、ガルシアさん」
シャドウ「あぁそう・・・でも意味ないぜぇ、どうせ死ぬんだから・・・!」
マリア「そして、思い出しましたの」
シャドウ「んだそれ、走馬燈の材料でも思い出したかぁ?」
ロイド<俺よりも4つも年下のリッカがずっとベッドの上で苦しんでるんだ・・・もう何週間もわけもわからねぇ病気のせいでよぉ・・・!それに比べりゃあ俺の痛み・・・なんてこたぁねぇ・・・>
マリア「いえ、妹のためにバカをする格好いい少年がいましてね・・・」
ロイド<妹を助けるためなら、こんな痛み屁でもねぇ!だから俺はお前に勝つんだ、それが兄の役目ってもんだろうがよぉぉぉぉ!!!>
マリア「そんな彼の意志を無駄にしないためにも、絶対に負けられないということを・・・!」
シャドウ「へぇ格好いいじゃん。じゃあその意志を無駄にするために殺してやるよ!!」
右手がナイフって便利そう(小並感)




