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宣戦布告②

 本日二話目です。

「そう、あいつら……お姉様を出せと言ってきたのね」


 華耶の言葉に蓮夜は忌々しげに頷いた。


「それでどうするつもり? ちなみに私はもう決めてるけど」

「俺もだよ」


 二人はそう言うと互いにニヤリと嗤う。その()みの意図は明らかだ。もちろん暁賢を潰すという意図である。


「いずれ来るとは思っていた。来るべき時が来ただけのことだ」

「ええ、お姉様をあんな連中に渡すなんて許さないわ」

「そういう事だ。それじゃあ意思表示をしてやるとするか」

「そうね」


 二人はそういうと織音に視線を移す。


「ええ、私としても異存はないわ。ここで下出に出ればあいつらはどこまでも勘違いする。そのうち私達を奴隷と勘違いする、いえ……もうしてるでしょうね」

「ああ、あいつらは自分たちが最も優れていると思っているからな。相手にも尊厳があるということを理解していない」


 蓮夜の返答に織音と華耶は頷いた。


「蓮夜、華耶……私達の尊厳を踏みにじろうとするものに容赦など無用よ。この天瑞宮にいるものは私の家族……家族を侮辱されてまで黙っているつもりはないし、表面上の平穏など無用よ」


 織音はそういうとニッコリと嗤う。その嗤みは美しいが、その奥にある苛烈な意思を感じずにはいられない。


「それじゃあ……天津御神(あまつみかみ)の連中と全面戦争だな」

「そうね。これだけの規模の全面戦争はさすがに初めてね」

「ふふ、二人もいるし、頼もしい子達もいるから敗けるイメージがわかないわ」


 織音の言葉に蓮夜と華耶は頷いた。蓮夜と華耶も同じ気持ちであったのである。


「それじゃあ、まずは宣戦布告を行うのが礼儀だよな」

「ええ、今回は私もやるわ」

「当然、私もよ」


 織音の言葉に二人は頷く。織音は優しいのはわかっているが、それ以上に自分だけ危険から逃げるのを嫌うのである。そのことを分かっている二人とすれば想定内の事なのだ。


「まぁ、相手を侮るのは危険だから今回は挨拶だけだぞ」

「わかってるわよ。あんた私をなんだと思ってるのよ」


 蓮夜は華耶に視線を移すと華耶はぶすっとした表情を浮かべると心外だという声で言った。


「ふふ、あいつらは人格は壊滅的に腐ってるけど、それでも何の備えもなしにやるほど無謀じゃないわよ」

「そうよ。私がお姉様を危険にさらすわけないじゃない」


 織音のフォローに華耶がのっかる。織音至上主義の華耶とすれば当然の反応と言えるだろう。


「それじゃあ、行きましょう」


 織音がそう言って立ち上がると蓮夜と華耶も立ち上がった。

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