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宣戦布告①

 すごく時間がかかって申し訳ありませんでした。

 その日はいつも通りのありふれた日であった。


 ゴゴゴゴゴゴ……


 ところがそんな日常は何者かの転移陣を察した者達の動揺によりもろくも崩れ去った。


「な、なんだ!?」

「何か来るぞ!!」

「備えろ!!」


 動揺は加速度的に広がっていく。


 彼らがここまで動揺するのには理由がある。彼らの住んでいる場所は『暁賢(ぎょうけん)』、神帝を主とする世界を支配する神の宮殿である。


 その暁賢に何者かが転移してくるというのは、そこに住まう者達にとってまったく想定しない、いや……することの出来ない出来事であり、動揺するなというのは無理というものだ。


 ガシャァァァァン!!


 そして、暁賢の結界を破り一つの物体が地上に落下してくるのが見える。落ちてきた物体は、暁賢にある建物の一つの屋根に落ちるとそのまま滑り地面に落ちる。


「いくぞ!!」


 守りを固めていた衛士達が一斉に物体が落下した地点へと向かう。


 暁賢を守る衛士達の実力はすさまじく高い。ものの数秒で落下した位置へと到達すると落下した物体を見て言葉を失う。


 落下してきた物体は、死体だったのだ。


「おい……これって」

「ああ」

「佐鮴……」

「だよな……」


 衛士達が死体が誰かと察し始めた。そう、死体は佐鮴居詰命(さごりいづめのみこと)である。

 天瑞宮へと土足で踏み込み、紅神に敗れた佐鮴居詰命(さごりいづめのみこと)は紅神に投げ込まれた陣により暁賢へと転移されたのである。


「お、おい、とにかく令貴夢伊切命(れきむいきりみこと)様に報告だ」

「は、はい!!」


 隊長と思われる衛士が、そういうと数人の衛士達が駆けだしていく。


(確か佐鮴居詰命様は、裏切り者の粛正に向かったという話だったが……)


 隊長は無意識のうちにゴクリと喉を鳴らしていた。佐鮴居詰命はこの暁賢において決して強者に位置する。もちろん最強を名乗るにはほど遠いがそれでも決して弱者ではない。


(佐鮴居詰命様がここまで、無残なお姿になるとは……)


 隊長は佐鮴居詰命の無残な死体を見て再び喉を鳴らした。

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