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巨人②

 紅神は侵入者を迎えるために、外縁の縁のリングに達静かに待っていた。


 ガシャァァァァァァン!!


 その時、凄まじい音を発し結界が砕け散った。


 ガシャァァァァァン!! ガシャァァァァ!!


 続けて結界が砕ける音が響き渡る。


「巨人か……誰かにそそのかされたか? それとも自分の意思かな」


 紅神は天瑞宮に向かってきている巨人達を見ながら皮肉気に嗤う。こちらに向かってきている巨人達の数は二十体程だ。先頭をすすむひときわ大きな巨人の手にある剣は紅神の目にもかなりの業物に見える。


「まぁこの外縁で迎え撃つには狭いよな」


 紅神はそう呟くとふわりと浮かび上がると向かっている巨人達に向かって飛んだ。紅神は飛んですぐにトップスピードになり巨人の間合いに跳び込むとそのまま巨人の顔面を蹴飛ばした。


「がぁぁぁ!!」


 直撃を受けた巨人はそのまま吹き飛び後ろを飛んでいた巨人に直撃した。突如現れた紅神に巨人達は面食らったようであったが、すぐに先頭の巨人が紅神に言い放った。


「何者だ!!」


 巨人の言葉に紅神は苦笑する。どう考えても“何者か”という尋ねるのは紅神の側であり、巨人達ではない。


「何者とは随分だな。それを尋ねるのはどう考えても俺の方だろう。お前達は天瑞宮にやって来た側だ。名乗るのはお前達だろう」


 紅神の言葉に巨人達はいきり立った。巨人にとってその巨大な体躯こそが誇りであり、小さい者達を見下す傾向にあるのだ。


「何を怒ってるんだ? 図体がでかいけど脳みそは足りてないから俺の言葉が何を意味するか理解できないのか?」

「何ぃ?」

「だからお前らは誰なんだよ。早く答えてくれないかな」


 紅神の言葉に先頭の巨人が忌々しげに口を開いた。


「私はエリュオン=ダルト、この“アーガレント”の指揮官だ」

「アーガレント?」

「我がアージュ族の対創世神の部隊だ」

「……ほう」

「我らアージュ族の繁栄のために創世神の力が必要なのだ。従わぬのなら無理にでも言う事を聞かせるまでのことだ。この世は弱肉強食だからな」


 エリュオンは得意気に話すがそれがアージュ族の死刑宣告書にサインしたことに気づいていない。


「そうか、そこまで偉そうに言うのならこちらも遠慮はいらないな……」


 紅神は顔を綻ばせながら静かに言う。


「はぁ? 遠慮だってよ」

「はははははは!!」

「お前のようなチビが遠慮だって?」

「嗤わせてくれるぜ」


 巨人達が一斉に笑い出す。


「本当に頭の悪い連中だ。俺がさっきお前らの仲間を蹴飛ばしたのを忘れてるんだからな」


 紅神の声には嘲りの成分がふんだんに盛り込まれている。巨人達はそれを即座に発すると一気に激高し紅神に襲いかかった。


「死ね!!」


 非常に分かりやすい言葉と共に一体の巨人が殴りかかってきたが紅神は避けること無く片手で巨人の拳を受け止めた。巨人の拳は紅神の慎重の三分の二程の大きさであるがそれを紅神は片手で受け止めたのだ。


「随分と非力だな」


 紅神はそう言うと斬鬼紅神(ざんきくがみ)を抜き放つと巨人の腕を斬り落とした。


「ぎゃああああああああ!!」


 腕を斬り落とされた巨人は絶叫を放った。それを見て紅神の視線は冷たさを増した。


「痛がってる暇があるなら反撃の一つでもしてみるんだな」


 紅神は横薙野斬撃を放つと巨人の胴はあっさりと両断された。両断された巨人は自分の身に何が起こったか理解していない表情を浮かべ、そのまま落ちていく。途中で自分が斬られた事に気づいて絶望の表情を浮かべたが紅神はすでに斬った巨人などみていない。


「何を呆けてる?」


 紅神はそう言うと斬鬼紅神を振り上げると呆気にとられている巨人に向け斬撃を放った。左肩から入った斬撃はそのまま心臓を斬り裂き、腹部を斬り裂くと真っ二つになった巨人は先程の巨人同様に落ちていった。

 あまりにも強烈な紅神の業に巨人達の顔が凍った。凍った表情を見せた巨人達を紅神は呆れたように見やる。


「愚かさの報いを受けるんだな」


 紅神の冷たい言葉が発せられると同時に紅神は縦横無尽に斬鬼紅神を振るった。紅神が動く度に巨人達の四肢が斬り飛ばされ巨人達の絶叫が周囲に響く。


 体躯の巨小の差などまったく苦にすること無く紅神は巨人達を屠っていった。斬られた巨人達は絶叫を放ちながら落ちていった。


 紅神はあらかた巨人達を斬り伏せるとエリュオンへと斬りかかった。


 キィィィィィン!!


 エリュオンは手にした“トゥールゼルス”で紅神の斬撃を受け止める。エリュオンはそのまま剣を振るって紅神を弾き飛ばした。


「アージュ族への非礼只ではすまさんぞ!!」


 エリュオンの言葉に紅神は皮肉気に嗤うと言い放った。


「誰に口を利いているつもりだ?」


 紅神とエリュオンの間に凄まじい殺気が満ちた。

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