3話 来世はチートで楽しい人生らしいです
受験終了!これからどしどし書いてきます!
「じ、じゃあ、チートはどんなものをくれるんですか?」
いつも某ネット小説のサイトの小説を読んで、妄想していた異世界転生。その代名詞とも言えるチートが貰えるのだ、興奮しないほうがおかしい。
「私たち神が直接転生の手続きを行う場合、貴方がたが遊ぶゲームに似せた設定画面で、自分のステータスを選んでもらいます。設定をする際、一人につき決まったポイントを渡しますので、そのポイントで選べる範囲内で設定してください。ここまでで何か疑問は有りますか?」
「いや、特には。」
実際にやってみないと、なんともいえないがな。
「はい、では続きを。更に、死亡の原因が此方にあるとき、生前行った良いことをポイントに換算してお渡しします。」
それって悪いことをした人はマイナスになるのか?俺、そこまで悪いことしてないはずだけど···
「逆に悪いことをした人は、ポイントがマイナスになるんですか?」
「いえ、そもそも悪人は転生させませんよ。大抵は魂を浄化して、輪廻の輪に戻すだけです。」
よかった、俺は一応良い人側の人間だったか。
でも、輪廻の輪に戻すっていうのと転生って、なんか違いでもあるのか?
「輪廻の輪に戻すっていうのと、転生は違うんですか?」
「輪廻の輪に戻すためには、魂の門で一度魂をバラバラにしないといけないんですよ。まぁ、簡単に言うと、来世で記憶があるかどうかということですね。」
成る程な、よくわからないけど多分大丈夫だろ。
「じゃあ、早速俺のステータスを設定させてください。」
「分かりました。」
神様がそう言い腕を振ると、半透明のウィンドウが現れた。
そのウィンドウを見てみると、そこには確かに俺の良く知るゲームのステータス画面に酷似したステータスが表記されていた。
「頑張って調べて作ったので、分かりやすい筈です。···分かりますよね?」
不安そうに此方を見る少女。不覚にも神様に萌えてしまった···上目遣いに涙目とかずるいわ。
「え、ええ。多分使えると思いますけど。」
「よ、良かった。またお仕置きされちゃうかと思いました···」
あ、なんかアホ毛が動いてる。俺がイメージしていた神様とは全然違うな。こんなので神界とやらは大丈夫なのだろうか。
まぁ、この神様が言うには他にも神様は居るみたいだし、大丈夫だろう。
「では私は別の場所に行ってますね。一人のほうが選びやすそうですし。」
そう言うと、神様は現れたときと同じで、いつの間にかいなくなっていた。まぁ俺は気にせずにやってくとするか。
さて、ウィンドウに目を落とし、早速使ってみようと、ウィンドウを弄ってみた。
「あるのはスキルとステータス値と···種族も選べるのか。」
天使とか悪魔とかあるよ···しかもポイント1000もするし。
「そうだ、俺のポイントってどのくらいあるんだ?」
画面の隅に目立たずに残りのポイントを示す欄が存在している。そこで示されている値は···1850だ。
「多いのか少ないのか分からないな。」
悪いことをしたつもりは無いけれど、良いことを積極的にした覚えもないんだよな。
でも悩んでも仕方ないし、さっさと選んじゃいますか。
「種族は···ま、ランダムでいっか。いくら強い種族になれるとはいっても、ポイントの半分以上使う訳にもいかないし。」
ちなみに人間は100ポイントで、ランダムなら0ポイントだ。
スキルやらなんやら選んで、ポイントが余ったのなら人間にしても良いんだがな。俺に限ってそんなことは無いだろう。種族を人間にするくらいなら、もっと強くなりたい。
「次はスキルを選ぶか。まずは一通り見ないとな。···って、多っ!!」
スクロールしていなかったから分からなかったが、大分多いな。数千じゃきかないぞ。
これは全部目を通すのが大変だな。
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あぁー疲れたー···。肉体は無い筈なのに、何て言うんだろう、心の疲れ?
こんな風に疲れながらも頑張って選んだんだ。当たりスキルじゃなきゃ泣くぞ。マジ泣きするぞ。
「で、確か選んだのは······」
強奪 対象に直接触れることでスキルを低確率
でランダムに奪える。連続して触れ続け
ることで確率が上がる。
消費ポイント1000
鑑定 対象を指定して発動すると、対象のステ
ータスが表示される。
消費ポイント100
千里眼 発動することで、自分を中心に50m程
の空間を視認出来る。
消費ポイント500
体術 自身の身体を使う戦闘行為に補正が掛か
る。
消費ポイント100
うん、ほぼテンプレだな。でもテンプレがテンプレたる為にはやはりそれなりの理由があるからテンプレなのだ。
···ごめん自分でも何言ってるかわかんない。兎に角、俺がテンプレばかり選んでいても、それはしょうがないということだ。
「後はステータス値だな。」
ステータス値は、余ったポイントを適当に満遍なく振っとけば良いかな。
そうしてステータス値を振り終わった所で神様が帰ってきた。
「終わったみたいですね。では、いよいよ転生を···」
「その前にちょっと良いか?最後に、少し元の世界を見てみたいんだ。」
家族とも特別に仲が良かった訳では無いが、やはり地球に残してきた人達が心配だ。出来ることなら最後に見ておきたい。そう思い聞いてみたが、神様の返事は非情だった。
「すみません、残念ながらそれは許可されていないんです。お気持ちは良くわかるのですが···」
「いや、出来ないなら仕方がないです。大丈夫ですよ。」
まあ、もし出来るのならば、という話だったからな。しかし、ここまで家族に愛情があるとは思っていなかったな。これも、こんなことが有って良かったことの一つだな。
「そうですか、では転生の儀を開始しますね。」
神様がそう言うと、俺が何かを言う前に意識が遠ざかる。
どうか来世は、チートで楽しい人生を生きれますように······。