表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

2話 神様は駄目々々らしいです。

「は?···ってあれ、ここは···?」


 気がつくと何もない空間にいた。

 そう、何もないのだ。360°何処を見回したって白い空間が続くだけ。自分の存在さえ認識することが出来ない。

 此処は一体···?そう考えたところで突然に思い出す。


「そうだ、俺トラックに···」


「そうです、貴方はトラックに引かれ、死にました、神野さん。」


 突如、この空間に女性の声が響く。

 それと同時に、目の前に先程の声の主と思われる、貫頭衣姿の金髪の美女が現れた。年は20歳位だろうか。此方を不機嫌そうに見つめている。


「えっと···」


「すみません、貴方は此方の手違いで死んでしまいました。」


 相変わらず不機嫌そうな女性。何故不機嫌そうなのかは分からないが、彼女の言ったことに疑問を感じる。


「俺が死んだのは覚えてるんですけど、手違いというのはどういう事ですか?如月···俺の親友が引かれると思ったのに、何故か俺が死んでるのですけど。てゆーか貴方は誰ですか?そもそも此処は何処ですか?意味がわからないんですけど···」


「分かりましたって。気持ちは分かりますけど、とりあえず落ち着いて下さい。」


 彼女はそう言い、手で払うような動きをする。すると、熱が冷めていくように、混乱が覚めていった。

 急な感情の変化に戸惑っていると、彼女が喋り始めた。


「落ち着いたようですね。説明しやすいので、まず私の事について答えます。私は神です。」


 突拍子のないことを言い出した自称神様だが、さっきの急な感情の変化も、今の言葉が本当なら説明できることだと考え直す。

 それに、生前の唯一の趣味らしい趣味がラノベを読むことだったのだ。こういうことは、何回も妄想したこともある。

 俺が納得したことを察したのか、神様が説明をまた始める。


「納得して頂けましたか?次にこの場所ですが、此処は神界の一部で、私、運命神の為の仕事場のようなものですね。」


「神界というのは何だ?」


「文字通り、神の住まう場所です。ちなみに、貴方たちの住む世界を下界と私たち神は呼んでいます。」


 神がいる時点で想像はしていたが、やはりそうだったか。と俺は考える。


「ということは、俺は今幽霊ってことですか?」


「そういう事になります。正確には魂だけの存在ということです。」


 なるほどな。後は手違いについてか。そう思い、話を促す。


「それで?手違いの部分についても教えて欲しいんですけど。」


「ええ、勿論教えます。実は本来、貴方の親友の如月さんが亡くなる予定でした。しかし、如月さんの運命力が強すぎるせいで死ぬ対象が変わってしまったのです。要するに身代わりですね。」


 なん···だと!?奴に身代わりされたのかよ!

 なんか今幽霊っぽいし、これは呪わなきゃダメだな。不幸になりますよーに。


「あともう一つ、あんまり関係ないんですけど、何でそんなに不機嫌そうな顔何ですか?」


 そう、地味にこれも気になっていたのだ。目の前でこんな顔をされると気になって仕方ない。

 もしかして俺のせいなのだろうか?等と思っていると、神様が大きなため息をつき、口を開いた。


「もぉー聞いてくださいよ!今回の件、私のミスってことで1000年間雑用係ですよ!確かに運命を司る神ってことになってるのに、人間に運命力で負けるのは不味いことですけど。それでもこの仕打ちはあんまりです!大体「そ、そうですか、それはお疲れ様です。」


 この神様めんどくせぇな。なにか話を逸らさないと。そう思い、俺は次の話を促す。


「それで、そちらの手違いということは何かしらの対応をしてもらえるんですよね?」


「勿論です。それを説明しにここに貴方を呼んだといっても過言ではありません。」


チート!?チートなのか!。そう思い、若干にやけながら。説明を促す。


「一体どんな事をしてくれるんですか?一つの命がなくなったのですから、それ相応の対応をしてもらえなかったら許すことなんて出来ませんよ。」


「異世界転生、チート付きで。」


「許す!!!」


 なかなか分かってるじゃん、この神様。

 とばっちりを受けたと知った時ときは最悪だと思ったけど。等と考えてると、その神様が苦笑いしながら俺に話しかけてきた。


「一応此方の手違いで死なせてしまったので、神野さんについてはかなり調べてありますよ。趣味、特技、どんな思考をするのかとかもね。」


 成る程、それで俺のどストライクに入る事を提案してきたってことか。そう考え、その内容について早速俺は聞いた。


「その異世界ってどんな世界なんですか?やっぱり魔法とか有るんですか?」


「そうですね。所謂剣と魔法がある西洋風ファンタジー世界とかいうやつです。貴方に行って貰う世界は、それに加えスキルというものがシステムに存在するそうですよ。」


 さすが!完璧な世界だな。

 これから俺、チートで無双とかしちゃうのかな。内政チートの為の知識も生前に多少覚えたし。ヤバい、興奮してきた。

主人公と神様は性格が似てます。めんどくさいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ