表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空色の瞳にキスを。  作者: 酒井架奈
1/25

00.建国神話

 ──それは100年ほど昔の話。

 ある所にそれはそれは魔力の強い魔術師がおりました。

 名はルイといい、それは綺麗な長い銀髪を持つ男でした。ルイは病気の人を助けたり、橋を造ったり、時には荒れ地を豊かな畑に変えたりと、自分の力で周りの人を幸せにしました。

 やがてルイはちいさな国の王になりました。その国はその男の名を取って、ルイと名付けられました。ルイの国民は皆幸せでした。

 彼のお陰で、国はとても豊かになりました。いつしか小さかった国は、国を従える大国になりました。戦争より交渉で問題を解決し、隣国がこの国に付きたいと言えば無条件で受け入れる、血を好まない王の志は建国当初から変わりませんでした。

 しかし聞いたこともない王が治める豊かな国を乗っ取ろうと考える人達が出始めるまで、そう時間は掛かりません。ついには隣の国に攻撃されるまでになりました。そして王は、命を狙われ始めたのです。

 その隣国の名は、フェルノール。ルイの国が魔術に秀でた国というなら、フェルノールは強く戦いに秀でた国でした。

 護衛を付けなかった王様は、そのことが災いし遂には殺されてしまいました。しかし殺される直前、ルイ王は一つの耳飾りに国民の幸せを願い自分のすべての魔力を込めていたのです。

 その耳飾りと同じルイの魔法が込められた水晶が呼応し、ルイの血筋が平安を守らねばならぬ魔法が国中に降り掛かりました。

 この石のお陰で、国は戦争に敗れたといっても国民はまだ豊かな生活を送ることができ、隣国も迂闊にこの国に手出しできなくなりました。

 幸せを願う初代国王の思いは石が受け継ぎ、今なおルイの王土を豊かに保って、敵国から攻め入られないように結界が国を守っています。

 この石は王家に伝わり、この石はルイの石と呼ばれるようになったのです。


 ──そして、この初代国王ルイがあなたの祖父にあたるのです──

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ