あとがき
「ここまで読んでくれた皆さん、ありがとうございました。あとがきです」
「…おい、待て仁」
「? なんだい、春樹?」
「…普通、あとがきってのは、登場人物がやるもんじゃなくて、作者がやるもんなんじゃないのか?」
「まあ、そうよね」
「ほら、鳥谷だって、そう言ってるぞ」
「ははは、確かにな。だが、作者に『面倒だから、四人で勝手にやっておいてくれ』と言われて、台本を渡されてしまったんだ」
「断れよ」
「そうよ。面倒なこと、押し付けられてるだけじゃない」
「あ、あはは。二人とも、まあ、冷静に、ね?」
「とにかく、俺達四人で、やってみよう」
「はいはい、わかったわよ」
「めんどくさいな」
「ほ、ほら。が、がんばろー!」
「佳奈、あんた、そんなキャラだっけ?」
「自分を犠牲にしなくていいぞ、佳奈」
「え? …う、うん」
「よしよし。頑張ったな」
「え? あ、うう::」
「…砂糖吐いて、いいかしら?」
「…俺はむしろ、この台本を燃やしたくなったけどね」
「…バカップルだわ」
「…ああ。さらに、磨きがかかってきてるな」
「とにかくっ! 春樹と佳奈、こういう場で、その、公然とイチャイチャするのは、止めなさいっ!」
「いや、美咲さん、イチャイチャって…。ま、さっきのバカップルもどうかとは思うが…」
「そんなにうるさく言うなよ、鳥谷。どうせ、あとがきなんだ。俺達の好きなように、やればいいんだろ?」
「ま、まあ、それも確かに、そうよね::。って、だ、騙されないわよ! とりあえず、春樹と佳奈、さっさと離れなさい!」
「妬いているのかい、美咲さん?」
「じーんー、あーんーたー!!」
「み、皆、落ち着いて…」
「冗談だよ。さて、話を進めると、この台本に、各キャラの作者感想が載ってあるんだ。一つ、コレを読んでみることにしよう」
「台本に、そう言えって書いてあるんだろ?」
「まあ、そんなところだ」
「ところで、作者感想って、何なのかな?」
「ん、作者が、そのキャラに対する思い入れ。それを、言葉で表現したものかな」
「なるほど。そうなんだ」
「じゃあまず、誰のから読むのよ?」
「まあ、ここは順番通り、美咲さんから」
「わ、私!? な、何でよ?」
「それ、何の順番なんだ?」
「登場人物紹介の、後ろの方からの順番だ」
「何で、後ろの方からなのよ?」
「それはまあ、主役は最後なのが、お約束だから、かな」
「…今さりげなく、ハードル上げたな、仁?」
「それは、どうかな?」
「…これで、たいしたこと書いてなかったら、多分私達、ものすごく、寂しいことになるよね?」
「…あんまり、想像したくないな」
「…うん、私も」
「よし。では、読むよ」
「お、おう」
「鳥谷、美咲」
「…ゴクリ」
「オチキャラ」
「ぶっ!!」
「お、オチキャラって…」
「ぷっ、はははは!」
「はーるーきー、あんた、今、笑ったわね…!」
「だって、その通り…。って、み、美咲!? な、何持って…!? よ、よせっ、は、早まるな!!」
「ふふ、やっぱりアンタ、抹殺されたいようね…」
「や、やめ…、ぎゃーー!!」
ピンポーン。
少々、お待ち下さい。
「はぁ、はぁ。死ぬかと思ったぜ…」
「ちっ。あのまま、死ねば良かったのに…」
「な、なんか、黒いね、美咲」
「あんまり、美咲さんは、怒らせないことにしよう」
「うん。オチキャラの話は、このまま流した方が、良いよね?」
「それが、賢明だ」
「そんで、次は誰なんだ?」
「順番から言えば、沢渡君だね」
「早く読んでみろよ、仁」
「ああ、わかった。…沢渡、仁」
「ふむふむ」
「都合の良い親友」
「…なんか、これはこれで」
「…グサリ、とくるものが、あるよね」
「まあ、当たってるけどね」
「あら、本人が認めるの?」
「ああ。否定したって、仕方のないことだからな」
「なんか、達観してるね」
「やっぱり、仁って…」
「…おっさん、だな」
「まあ、俺の話は、この辺で良いとして」
「いよいよ、佳奈の番ね」
「き、緊張するなあ…」
「大丈夫だろ、佳奈だしな」
「春樹。アンタのその、わけわかんない自信は、一体どこから出てくるのよ」
「ふふん。しいて言うなら、あ…」
「さて、では、発表するよ」
「…言わせなかったな、仁」
「ふ、長くなりそうだったからな」
「さすがに、いい読みね」
「ちっ…」
「ま、まあまあ、春樹君。私は、わかったから…」
「え? ん、なら、いっか」
「誰か、塩ちょうだい」
「甘さに対抗して、塩か」
「違うわよ、仁。あの二人の傍に、盛り塩してやるのよ」
「悪霊か何かか、俺達は」
「あら。私にとっては、似たようなものよ」
「あ、あはは…」
「よし。では、今度こそ、発表するよ」
「ええ。ガツーンと、発表しちゃいなさい」
「それでは。…園村、佳奈」
「…どきどき」
「未だにキャラ定まってない子」
「え!? う、うう…」
「あ!? 佳奈、しっかりしろ!」
「何なの、それ?」
「園村さんだけ、補足説明がついてるな」
「えーと、何々、…他の三人の個性がはっきりしている半面、どういう性格にしようか最後まで迷い、結局定まらないまま、物語がおわ…」
「うりゃー!」
「!? は、春樹!? 何するのよ? 台本、返しなさい!」
「いや、駄目だ。とりあえず、これ以上読んでも、いい事なんて、これっぽっちも書いてないみたいだからな」
「私と仁の時だって、いい事なんて、書いてなかったじゃない」
「それでも、駄目だ」
「あ、ありがと、春樹君」
「春樹、あんた、過保護すぎるわよ」
「何といわれようが、読ませないからな」
「じゃ、どうするんだ、春樹? お前のところは、自分で読むのか?」
「ああ」
「ふむ。じゃ、読んでみてくれ」
「おう。…南雲、春樹」
「…ゴクリ」
「行き過ぎ男…って、何じゃこりゃー!」
「字のまんまね」
「予想通りだが」
「そうね。特に、驚きはないわ」
「どういうつもりだ、作者―!!」
「いや、だから、字のまんまよ」
「ああ、行き過ぎてるからな」
「そうね。特に後半、佳奈と付き合い始め前後辺りから」
「過剰すぎるスキンシップが、目に毒だった」
「見ているこっちも、ほほえましいというより、恥ずかしくなったわ」
「わ、わわ…」
「こらー! 俺達抜きで、話を進めるなー!!」
「は、春樹君。落ち着こ、ね?」
「む、佳奈が、そう言うなら…」
「なんといわれようが、あんた達バカップルなんだから、良いじゃない」
「羨ましい限りだ」
「思ってないだろ!? 絶対お前ら、思ってないだろ!?」
「うまやらしいー」
「平坦な声で、何さらっと変なこと言ってるんだ、仁!」
「沢渡君、キャラ、変だよね?」
「あら、そう? 仁はいつも、あんな感じよ?」
「そ、そうなんだ…」
「さて、とりあえず、あとがきもほどよく埋まってきたところだし、そろそろ、この辺で、お別れするとしようか?」
「ん? もう、そんな感じか?」
「そうみたいね。…それにしても、こんな長い話、よく読んでくれたものだわ。感心ものよ」
「大半が、春樹と園村さんのアレだったが」
「アレって言うな」
「あ、あはは…。読んでくれた皆さん、ありがとうございます」
「最後は、皆で一緒に、挨拶しようか」
「ああ」
「じゃ、いくわよ」
《ご愛読、ありがとうございました!!》




