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取引という名の

王様達から聞いた話はこうだ。

もともとこういった会議は野生動物とかモンスターの被害とか全国共同出資で経営している学校の方針とかのために定期的に行っていたそうだ。

そこで話題になったのが我々魔族のこと、もう何か自分も魔族でいいやと思い始めたいる私がいるがそれはおいといて。

例のアラン国の王様がいま自分の国がどんな状況にあるかを事細かに会議の場で説明したそうだ。

その結果、さっき私たちに最初に話しかけてきた王様……リッカー国というこの大陸で最も栄えている国の王様でこの会議の責任者でもあるらしい彼がある提案をしたそうだ。

その提案とは「そんな国越えて攻撃できる相手に喧嘩売ったお前が悪い、自分で何とかしない愛。できない?謝ってこいよ」と、だいぶ柔らかい口調で伝えたそうだ。

ほかの王様達も国を越えて攻撃できる相手なんか敵に回したくないということで満場一致で賛成、さらにこのままアラン国の王を伝書鳩のごとく使い人間と魔族の不可侵の話をさせようとか、いっそ懐柔しようかという話をしていたところに私たちが乗り込んだわけだ。


「どうします魔王様」


「別に私の国民が危険にさらされないというなら何ら問題ない」


この人は……何と言うかととても素直というか騙されやすいというか……。


「では王様方、もし魔族が人間に襲われた場合の対処は?その逆は?

人間に恨みがある魔族は五万といますが?

魔族を嫌悪する人間も同じだけいますが?

今まで魔族に危害を加えた人間はどうなりますか?

もし協定を結んだとしてもその後魔族を襲った人間が不当だと騒ぐ可能性は充分にありえますしそれまで魔族に危害を加えた人間を裁かねばそういったことが起こる、だけど捌けば横暴と言われる。

簡単な問題ではないでしょう。」


私がそこまで言うとリッカー国の王様は黙ってしまった。

また同時にほかの王様は口を半開きにしてこちらを見つめている。

多方頭のゆるい小娘どもとでも思っていたんだろう、失礼な話だ。


「ではどうすればいいか、君自身の考えを聞かせてもらえるかね?」


先ほど口を半開きにしていた王様のひとりが言葉を発する。


「馬鹿ですか?というか馬鹿なら黙っていてくれませんか?

それともこちらの力量を見極めようと馬鹿なふりをしているのですか?

なぜ私個人の意見が必要なんですか?ここは会議の場でしょう?

国の代表者たちがそれぞれの国の意見を出し合い、是非を唱え、審議をする場でしょう。

私は代表ではないしなによりただの小娘と舐めきっている相手が対等に話し合いを行えるとは思えません」


とことん高圧的に行く。

もともと神様にストッパーとして送り込まれたようなものなんでその憂さ晴らしも兼ねている。

先ほどこちらの実力の一端も見せたからそうそう問題にはならんだろうし魔王様以上に高圧的に行く。

もっともにこやかにおとなしく発言しているけどね。


「それで、皆様方の相違をお聞かせ願えますか?」


しっかり誠意を持って答えろよ?

そう言葉の裏をみせる。脅して何が悪い。


「一晩、一晩待ってもらえるかな?我々もじっくりと考えねばならん問題のようだ」


「一晩とは言わずお好きなだけ話し合ってください。

私たちの国の場所はアラン国の国王が知っているでしょうからそちらまでご足労願います。

あぁ、アラン国国王は来ないでください。

あの襲撃があなたの国のものによる仕業というのはわかっているので国民もだいぶ起こってましてね、道行く人がうっかり手を滑らせてナイフを投げてしまうかもしれませんので。

では良い返事をお待ちしております、リッカー国王」


またまた言葉の裏側を見せる。

ちなみに今回はちゃんと考えて来いよ?アラン国王来たらころすぞ。というもの

まぁ裏でもなかったりするけど。


そう考えながら側近さんを回収して、まだしゅんとしている魔王様を連れて帰路についた。

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