突撃隣の緊急会議
というわけで会議に乱入します。
はいあれから事件もなく二日目の昼を迎え、今は会議が行われている部屋の真上の部屋で待機しています。
ぶっちゃけた話をしてしまうと私たちがこのルミナスという国に到着してさらに数日が経過していて、
訓練ができず暴れたりない私たちがいます。
つまりね、テンションがちょっとまずい。自重するつもりはないけど。
「それで、どうやって突入します?」
いま私たちが会議に突入しないのはこれが理由、魔王らしい登場って何があるのかね。
「普通に考えたら天井……私たちから見たら床をぶち抜いて参上なんだけどね」
魔王様の意見は保留、したに人がいるだけに天井を崩すのは危ない。
それにちょっと普通すぎる。
「窓からというのは……」
即金さんの意見は満場一致で却下。
天井ぶち抜く異常に普通すぎてつまらない。
結果、なぜか下の階に降りてドアから堂々と入室することになりました。
なんでや。
「はじめまして人間諸君、私が魔王だ」
私の心のツッコミには気づかず魔王様が口上始めちゃってるし、お偉いさんたちやその護衛さんはポカーンとしてるしでかなりおかしな空気になってます。
「諸君、なぜ我々と争いたいのかをお聞かせ願えるかな?」
魔王様のもちろん教えてくれるよねという副音声は間違いなく届いているはず。
なにしろさっきまで隠していた魔力を全開に放出しているため一般人には相当な圧力 (あらゆる意味で)がかかっているだろうから。
その証拠に護衛さん達も、お偉いさん方も、そして何故か側近さんも顔色を悪くしている。もう真っ青。
「我々としてははぐれものどうし身を寄り添わせてせせこましく生きているだけなのですがね」
せせこましく国を作って毎晩どんちゃん騒ぎをしているわけですねわかります。
「……まってほしい、どうにも相互に誤解があるようだ」
ここに来てようやくお偉い様の一人が口をきいてくれました。
いや、ちょっとリアクション無さ過ぎて暇だったのでちょうどいい。
それにしても誤解とはなんだろう。
「今回の会議の内容だが今魔王嬢が行った【なぜ魔族と敵対するのか】だ。
君たちは多方【いかに魔族を駆逐するか】という名目で会議をしているとでも思って乱入したのであろうがな。」
魔王様を嬢呼ばわりって随分と無謀な……ただ魔王様が嬉しそうなので今は放置、側近さんが後で何かしそうだけどね。
それにしても、そんな議題でよくお偉いさんを集められたものだ。
「我々としても魔族と敵対するのは得策ではないと考えていてね、ほれアラン国に数日ごとに魔法を放っているのはお主らだろう?」
先程の問は別の男性が口を開く、アラン国とかいうのがどこか知らないけど魔法をぶっぱなしているというと南の国で間違いないだろう。
あれが議題に結びつく要因の一つになったわけだ。