よく汚れが落ちすぎる洗剤
今日、スーパーで新製品の「ネコソギオトース」という洗剤を買った。
2000円という高額で、うたい文句は「どんなシミ、汚れも完全に消し去る」というものだ。好奇心旺盛で新し物好きの私は、つい値段も気にせずにその洗剤を籠に入れてしまったのだ。
翌日、さっそく洗濯機に一週間で溜まった服や、頑固な汚れの付いた服を放り込んで、カップ一杯分の洗剤を入れた。この量で充分と書いてあるあたり、その効果の高さが伺える。
スイッチを入れて約40分。
遂に洗濯機がその仕事を終えた。その効果を楽しみにしていた私は、ワクワクしながら洗濯機の蓋を開く。すると……
無い!
洗濯機の中には何もない!
服が跡形も無くすべて消えているではないか!
想像外の怪現象に私は驚き、すぐに販売元の大森製薬に電話した。
すると、意外な答えが帰ってきた。
「おそらく、服そのものを汚れと認識してしまったようですね。だから、すべて溶かし落としてしまったのでしょう」
確かに汚い服もあったが、それはあんまりな話である。
これで、私の来週着る服は殆ど無くなってしまった。
数日後、この洗剤が販売中止になったのは言うまでもあるまい。
ちなみに、大森製薬の社員数名が失踪したらしいが、それはもしかするとあの洗剤が関係しているかもしれない。汚い服が解けるのならば、汚い心を持った人間もまた、溶かし落とされるのかもしれないのだから。




