04 狐の嫁入り――雪国でびっくり
これは母から聞いた話である。
夜の山道。
遠くの斜面を、青白い炎のような光が、ひとつ、ふたつ、みっつ…
たくさんの青白い炎が列となって、山の斜面を降りているのを見た
んだそうな。
「あれは狐の嫁入りというんだよ」
母がおばあさんから、そう聞いたそうだ。
狐の嫁入り。
昔、土葬だった頃、遺体や人骨を食した狐などの口が燐光で光って
見えたのだ、ともいわれる。
しかし、列をなして行動するのだろうか、狐が?
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実は、ながーーーーい体をもち、側面に青く光る目がずらーーーって
ならんでいる、よくわらない生物だったのかもしれない。
正体は不明だが、もし、都会で「狐の嫁入り」現象が発生したとしても、
おそらく夜のネオンで区別がつかないであろう。
いや、夜の都会を彩る夜景のネオンの光一つ一つが、実は狐だったりして。
さて、「狐の嫁入り」という現象は他にもある。
天気雨…空は晴れているのに、雨がふる…晴れ雨とも呼ばれる現象だ。
空は真っ青の、まさに晴天! しかし、土砂降りの雨。
こんな経験をされた事、ありますでしょう?
考えてみれば不思議な現象です。
そらには雨を降らす雲はないのに、けっこう多くの雨がふったりするんです。
なぜに?
雨を降らした雲が、雨が地上に降る前に消滅してしまう、という説もあります。
もしくは、上空で強い風が吹いており、雨だけ風に吹かれて飛ばされてくる、とか。
いや、僕はここに新説をぶちまける!
実は--雲は上空にあるのだ! 雲が透明--いや、青色…晴れ色で保護色
になっているのだと!!
カメレオン雲、いや、光学迷彩雲、いや、プレデター雲、いや…幽霊雲としよう!!
ここで突然話は変わる。カメレオンの体色のように。
青森に出張に行った時、僕はびっくりした!!
なんと、空が晴れているのに、太陽がサンサンと地上に光をおくっているのに、
雪が降っていたのだ! 空には雲ひとつ無いのに、雪がふっていたのだ!!
狐の嫁入り 雪バージョン。いや、北極狐の嫁入りか。
群馬県沼田の雪多き北国生まれの母に、北極狐の嫁入りの事を話したら、
「雪国では日常茶飯事」
と言われてしまった。
そ、そうなの!?